茜ちゃんのつれづれ草
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町会議員さんの選挙も終わって、いよいよ師走に入る頃となりました。師走選挙で今年も終わるようですね。朝晩はメッキリ涼しくなり、北海道はもう雪の季節です。奄美の海はまだまだ温い感じ。日本といってもずいぶん違いますね。
先回も同じ薔薇を貼り付けました。薔薇の花の美しさにはいつも見とれてしまいます。 この感覚はどこから来るのでしょうか。大脳辺縁系という古い脳組織からでしょうか。所謂、無意識の世界です。大脳基底核の中の扁桃体は感情をコントロールする場所でもあり、傍にある海馬よりも先に発達するとされております。
このことから「三つ子の魂百まで」というように、その人間の気性はこのころから定まり始めるようです。とても大事な器官です。切れやすい人の大脳は理性を司る大脳皮質から迂回路を通って、この扁桃体に繋がっているようです。そためでしょうか癇癪を制御出来ないことがあるようです。
以前のブログでも詳しく書きましたが、海馬は記憶に強く結びついており、短期記憶、長期記憶のフィルターでもあります。 ここから情報をふるいにかけて記号化して、大脳皮質の然るべきところに記憶されるようです。ただし、分散処理のようで詳しいメカニズムはハッキリ分かっていないのが現状のようです。
一つの例ですが、「数」に関わる記憶は頭頂葉辺りの部分がその役目を果たしているようです。
慶応大学より掲載
<<ウタ・フリスの自閉症入門-003>>
第1章 - 「自閉症スペクトラム」-002
先回は「自閉症スペクトラム」について読んで見ました。平成17年度に制定された「発達障害者支援法」という法律によりますと、
・ 自閉症、アスペルガー症候群
発達障害 ・ その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害
・ その他これに類する脳機能障害
その症状が通常低年齢において発現するもの
このように規定されております。先回もご注意しましたが、一例をあげると<アスペルガー症候群>と<自閉症>は本来別の疾患で、アスペルガー症候群の50%は自閉症であるという調査結果もあります。この辺りをご理解ください。
* 発達障害・・発達期に脳に機能的な問題が起きたために、発達の領域・・認知、学習、社会性、運動、手先の細かな動き、注意力、行動コントロール・・に困難が生じる事。
<3つの症例>
著者は3つの症例を具体的に書いております。1-古典的自閉症 2- 自閉症スペクトラム障害(ASD) 3-アスペルガー症候群 です。
1- 古典的自閉症 (デービットの場合)
デービットは3歳で自閉症と診断されました。1-殆ど他人に注目せず、2-言葉を話さず自分の世界に没頭しています。3- 何時間もトランポリンの上で飛び跳ね手居るのが大好きで、ジクソーパズルをするのがとても上手でした。4- 感情面では未熟なままでした。5-自分の好き嫌いについてはとても頑固です。彼には決まった日課があって、それを決して変えません。6-全く独力で文章を読める様になりました。今は流暢に読みはしますが、読んだものの内容は理解していません。7-彼は計算する事が大好きです。8-素晴らしい記憶力があります。9-絶対音感もあります。10-相手の要望や興味には譲歩しません。他人の視点を理解する事ができません。
* 絶対音感・・・特殊な才能で、耳に聞こえる全ての音の音階を指すことができます。もちろんピアノの音は聴くだけで、その音階を聞き分けれます。作曲家・モーツアルト、2012年度バーンクライバーンコンクールの優勝者・辻井伸行さん、ヴァイオリニストの千住真理子さんなどが絶対音感の持ち主。
如何でしょうか身の回りにもこのような上記の複数の行動をする子供が見受けられると思います。10程の事柄を整理してみますと A-社会性の欠如 B-システム化された脳 C- 記憶力 D-固執性 でしょうか。
後になって、サバン症候群の所でご紹介する、マット・サベッジのように(先回少し紹介)たった数時間でピアノを弾きこなし、驚異的な記憶力をもっている自閉症児でもある発達障害児です。でも学校生活は社会性がないので出来ないのです。
そうは言っても上の例に複数該当するから、<自閉症>と即断は禁物! なかなか自閉症は複雑なんです。
2- 自閉症スペクトラム障害(ASD) (ゲーリーの場合)
次は 1- よりも強い症状の傾向がある自閉症例です。
ゲーリーは広汎性発達障害・・・ 広汎性発達障害は自閉症やアスペルガー症候群や他のいくつかのまれな状態を含むカテゴリーです。
ゲーリーはPDDーNOS・特定不能の広汎性発達障害であると診断されました。・・(Pervasive Developmental Disorder-Not Otherwise Specified) これは自閉症の特徴を持つが、必ずしも全ての特徴があるわけではない症例に用いられるカテゴリーです。他の子供達とコミュニケーションをとることについては独特の問題があり、・・・かたくなに固執する子供で、何時間でもコンピューターゲームをしていた。
ゲーリーは注意欠陥障害や運動課題をさせると不器用なことから明らかなように、ディスプラクシア(統合運動障害)ももっています。・・
ところが困ったことに・・魅力的な女性が居ると、どこへでも後を付いていく事を始めました。女性の家に外で何時間でも待っていましたが、決して話しかける事がありませんでした。・・・20代になってからのことだそうで、所謂ストーカー行為に属してしまいます。固執する性格が持続していたという事になります。社会性がないのと、相手の気持ちがわからないという欠陥がこのような行為に出てくるのでしょうか。
アメリカのある有名な動物学者で自閉症でサバン症候群の女性は、飛行機の機内の隣の席で、男女がイチャツイテいても全然気にならないそうです。人の気持ちはわからないが牛の気持ちは理解できる???・・・理解不能!
3- アスペルガー症候群 (エドワードの場合)
8才のときアスペルガー症候群と診断されました。・・・独学はするのですがその内容は自分が学びたいと思う事だけに限られ、定められたカリキュラムに従う事を、あからさまに拒否しました・・・・5歳になるまでには主に辞書を読む事で、驚異的な語彙を獲得していました・・・・今は20歳で一流大学で数学の勉強をしようとしているところです・・・理系の全ての科目に優秀な成績を修めましたが、他の科目には全く関心をしめしませんでした。
アスペルガー症候群については後で詳しく取り上げますので、ここでは簡単に触れて見ましょう。
Good Will Hunting のマット・デイモンもそうでしたね。社会性がなく、直ぐ喧嘩をするのですが、驚異的な記憶力で相手を完封し(ハーバード大学の学生を経済学理論でケチョン・ケチョンにしてました)、MITの掃除人のアルバイトでありながら、MITの教授より優秀な数学的な才能を持っている。ドラマだからではなく、本当にその程度の才能をもった人が存在するようです。
上でご紹介したマット・サベッジ(サバン症候群)という子供は音楽に驚異的な才能を持ち、教えもしないのにピアノの演奏を独習し作曲をする。曲自体も専門家が絶賛する。大脳科学の専門家が首を傾げるばかり・・・でも、ニューヨークの街の繁華街の通りは、人に手を繋いでもらわないと歩けない???居るんですね。こんな人が・・・
エドワードの他の特徴について
同年齢の人たちと直面した時には物が言えません。・・・父と話す時は流暢ですし、世界中の鳥類学者と文通しています。・・・最近は彼は対人技能が向上する事を期待して、礼儀作法やボデーランゲージの本を読み始めました。
自分は大抵の「ニューロティピカル」よりもずっと知的であることを承知しています。・・・しかしながらよく不安になったり、時にはうつ状態となる徴候が有り、家を出て大学に入るまでの休暇中に精神科医に詳しく診察してもらう事にしています。
ニューロティピカル・・自閉症スペクトラム者が(当事者)が自閉症的な特徴を持たない一般の人々をさすときに用いられる呼び方で、神経学的に(ニューロ・N)定型的な(ティピカル・T)発達をしている事を指します。
以上3人の障害者の例を挙げてきました。これらの方々に共通する部分、A-社会性の欠如 B-システム化された脳 C- 記憶力 D-固執性 が有ると思います。何故このような傾向を持つのか、非常に興味の有る所です。
人間の脳は一般的医学書では<性>は中性で考えられてきます。しかし、ケンブリッジ大学の研究者は、性差があると考えています。それを<S>と<E>であらわします。 S=システム(System) E=協調(Empathy)
男子はS型脳でシステム的で攻撃性が強い。論理的傾向が強く肉体を伴った暴力を使う。数理学的なものを好む傾向にある。テストステロンtestosterone)については先回も書きましたが、この影響は強いのかも。女性でもこのホルモンが過剰に分泌されると、システマチックな頭脳になり、数学などに才能を顕著に発揮するそうです。 確かに歴代の大数学者、物理学者は殆どが男性。キュリー夫人が例外的ではあるが。
それに引き換え、女性はE型脳で協調的で暴力を好みませんが、間接的な暴力、言葉を使った陰湿な嫌がらせをする。エストロゲン( Estrogen)というホルモンが男性よりも遥かに多く分泌される、この影響を受けているようです。社会科学、人文科学的な学問を好む傾向は、皆さんも納得すると思いますが。
さて、発達障害という精神疾患は、テストステロンの分泌異常なのでしょうか??では、次回の「自閉症スペクトラムの3中核特徴」を読んで見たいと思います。
細胞生物学・・<真核細胞と原核細胞>
次回は<細胞の大きさ>と<真核細胞と原核細胞>についてと11/02の030回で表明してから、大分お休みをして来ました。忘れてしまった方も居られると思いますので、一度030のブログを捲って見てください。
原始細胞の誕生
ウエスタンオーストラリアで今から35億年前の化石が見つかりました。繊維状のシアノバクテリアでした。これが生命体であるという証拠は、(1)光合成で二酸化炭素を利用する事が生命の大きな特徴です。 生成する糖質に炭素の同位元素13Cと12Cを一定の割合で取り込んでおり、これが生命現象固有の科学的特徴が残っている事を示していました。(2)生命体では適切な高分子が集合するだけでなく、それらが区画化されているのですが、これが見られるということでした。
以上の2つのことから、この化石は生命体の化石と示唆しました。
細胞とは何でしょうか。生命を支える高分子が相互に外部環境と隔てられた構造の中に囲い込まれているために、独特の機能を発揮する。この区画化が細胞なのです。
原核細胞はこの細胞という形態の最も基本的な形をしております。真核細胞はさらに細胞小器官という形を内包しております。細菌などは原核細胞の代表であり、我々のような哺乳類の細胞は真核細胞の代表です。
では、最初の細胞はどのようなものであったのでしょうか。それは「原始科学」と「RNAワールド仮説」と呼ばれる考え方の集合から生まれました。
次回は2012年4月に発表された、大阪大学大学院の原始細胞の増殖ついての論文から、「原子科学」を説明し、「RNAワールド仮説」について書いて見ます。
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