南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

南西諸島貝殻学入門-018

2013年09月28日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門 

             -018 

 

 

お知らせ   

 加計呂麻島貝殻図鑑」は現在随時作成次第公開して行きます。

現在2系統あります。 

http://shirasumasako.blog.fc2.com/ 

http://ritounikki.amamin.jp 

 

断崖の下の砂浜

 下までは簡単に行けそうですが、さにあらず。

途中でハブが待っているかもしれません。

 

 少ない戦果!

 

 台風18,19号は南西諸島は空振りのような感じ。本当に今年は雨が少ないです。曇ることは曇るのですが、パラパラと雨が降るか精々数分のスコール程度。先日、海が荒れたので翌日浜に行ったのですが、空振り状態でした。先回とは大違い。

それでは少し見てみましょうか。              

      イタヤガイ     チサラガイ             オニノキバフデ・45mm                           

    

最近はチョウセンフデ、ヒメチョウセンフデも採取できなくなりました。オニノキバフデは久しぶり。

ヤクシマダカラ・幼貝

                                                              ヤクシマダカラ・55mm

                                    

 * ヤクシマダカラの貝の内部の裏側は美しい青紫色です。写真では撮影出来ず。 

 

猛毒の毒を持つ狩をする貝  

 

        タガヤサンミナシ                    アンボイナ    ムラサキアンボイナ

タガヤサンミナシ・・・猛毒の銛を持つ貝で、他の貝を捕食する。貝殻は模様の美しい貝。

アンボイナ・・・・・・・・猛毒の銛を持つ貝で、他の貝を捕食する。

             アンボイナには別種としてムラサキアンボイナがある。地が紫がかってている。肩の結節なし

 

 

 

勿体なしの貝・・・完品なればと(^~:)

     ホラガイの幼貝                            テングガイの幼貝

          

 

 

 <フジツガイ科>のボウシュウボラ房州法螺

<オキニシ科>のオオナルトボラ・大鳴門法螺

 

                

 

先回ご紹介したこの貝は当初から同定に困っていました。貝殻の外形はボウシュウボラなのですが、殻口の底唇の状態が其れと違い、特に肌色の色合いが、標準貝と違っていました。知人から<オキニシ科>の貝という連絡があり、調べたらピッタシの貝あり。正解は<オオナルトボラ

 

                                       P9180248.jpg

「ボラ」という用語は<貝>を意味する言葉のようで、沢山の名の貝が見られます。その名称の貝が異なる科に存在しています。さて、オキニシ科の貝は日本で19種類。

                  オキニシ・Bursa dunkeri

* この<オキニシ>は加計呂麻島では一般的に見られます。35~50mm程度。

オオナルトボラ>はオキニシ科の貝で、房総以南の潮間帯下の岩礁に生息します。加計呂麻島では始めての採取貝です。成る程底唇は肌色です。ところが大きさは140mmもあります。殻も頑丈な貝。

                   オオナルトボラTutufa lissostoma

 

ところが殻口の底唇の色や形状が良く似ている、<オオゾウガイ>というのが有ります。ただ、水管が非常に長いのが特徴。それで、始めはボウシュウボラとオオゾウガイのハーフかなと考えたのです。

オオゾウガイ・セコバイ科

oozougai.jpg
 
 
という訳で<ボウシュウボラ>は間違いでした! 
でも良く似てるね。
 

 ボウシュウボラぼうしゅうぼら

 

                                      尋ね人・・この貝はですか? 

 

先日、自宅の裏の海岸で初めて拾った貝。

殻の先端が尖っていますので、磨耗は少ない。

手持ちの貝殻図鑑には載っていない。(実際は貝の写真が実際と可なり違っておりました

日本近海産貝類図鑑」があればなあ~・・・

              55X30mm                       浅い溝のある赤茶色の筋あり。

                              

体型はぽっちゃりとして小太り

                                             

 分りました!

知人の貝のコレクターやアドバイスや沖縄のコレクターの方のブログで確認。

 

月刊 沖縄と貝 から掲載

ロウソクガイ

Conus quercinus
ロウソクガイ-腹面

 

ロウソクガイ-背面

 

ロウソクガイ-殻頂

磨耗の様子がないので、とても綺麗な貝です。加計呂麻島では余り見かけません。

 

 

タカラガイ宝貝世界

 

オオサマダカラ・王様宝

Cypraea leucodon leucodon Broderip

White toohed Cowry

 

 

 分布 ・ インド洋~パプアニューギニア

 サイズ・ 75~90mm  水深100m以下から刺し網で採取できる。

 希少性・ 1963年度では世界で2個のみ存在。その後フィリッピンで採取可能となった。

 

微小貝データーベースから掲載

HPから掲載・・蛇の目模様がハッキリしています。

 

 

 カノコダカラ・鹿子宝

Cypraea cribraria cribraria

Sieve Cowry

鹿の子模様が出て来る代表的なタカラガイ 

本州南部以南の岩礁の潮間帯から水深20m程度に生息する。

カノコダカラの生体

 

筆者収集のカノコダカラ

磨耗が有るので鹿の子がハッキリしていない。

 

 ラマルクダカラ

 Cypraea lamarckii

Lamarck's cowry

  

 コモンダカラの一種。インド洋一帯に生息する。生息環境はカノコダカラと似ている。

次回は台風の後で、思わぬヒット! 珍しい程の大収穫!を 

 

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1 コメント

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おひさしぶりです(^-^) (はらはち)
2013-10-16 11:11:01
私のブログにも書きましたが、先日ついに西表島に貝採集に行ってきました!!
宿泊先はもちろんこちらのブログでもおなじみ「西表島貝類館」のHPにリンクされているカンピラ荘に。
宿にはたくさんの貝殻が飾られていましたが、それを海岸でみることは叶いませんでした。
だけど、かなり充実した採集旅行となりました。時間のあるときにでもブログの方に遊びにきてください(^-^)/

さて、貝の名前についてちょっとご指摘を。
ご自宅の裏の海岸で拾われたロウソクガイとされている貝ですが、もしかしたらちょっと色落ちしたスジイモの方ではないでしょうか。
拾われた標本の肩のところがかなり丸みがありますが、ロウソクガイはもっとエッジが効いていて、この肩から殻頂にかけての丸みのある感じはスジイモの方に近いような気がします。
肩のエッジが効いているスジイモもいはしますが、ロウソクガイでこんなに丸みのあるのはいないんじゃないかなと。
もしスジイモなら、それのが数は少ないので、グレードアップです!
ご検討の程を。
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