南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

茜ちゃんのつれづれ草 -025

2012年10月08日 | 日記

 

    茜ちゃんのつれづれ

                 -25

 

 

 つもながらの台風がまた南方海域で発生しました。台風21号です。このまま行きますと中旬位に西南諸島を通過しそう。先回の20号の後遺症がまだ癒えていないのに、次から次へと遣って来ます。

何事も、<てげ~>とか<テゲテゲ>とかいう九州、沖縄方面の方言で対処しないと、ストレスが溜まってしまいそう。でもこれが長生きの老人が沢山居る現象に結びついているかも。 マイナス面も結構あります。

先日の「読売新聞の科学欄」に<マンモス発見!>の記事が載っていました。

・・・マンモスを発見したのは、地元に住むエフゲニー・サリンデル君(11)。同半島のソポチナヤ・カルガ岬を8月中旬に散歩中、異臭に気づき、土手から突き出た骨の一部などを見つけた。専門家が調べたところ、骨は15~16歳で死んだ雄のマンモスのものと判明した。体長約3メートルとみられ、キバや皮膚、皮下脂肪のほか脳の一部も残っていた。

マンモスはエフゲニー君の愛称にちなみ「ジェーニャ」と名付けられた。保存状態がこれほど良い、成獣のマンモスの死骸が見つかるのは1901年以来という。発見現場は北極海に流れ込むエニセイ川河口の近く。永久凍土が広がるツンドラ地帯・・・・。

マンモス ( Mammoth) は長鼻目 - ゾウ科 - マンモス属 (Mammuthus) に属する大型の哺乳類の総称である・・・・Wiki

約400万年前から1万年前頃までの期間に生息していたとされており、南北アメリカ大陸に生息していたコロンビア・マンモスは、大型・短毛で、かつ最後まで生存していたマンモスとして有名で、現在は全種が絶滅しているそうです。

 

 

現在は100年以上前と違って博物学だけでなく、分子生物学が発展していますので、DNAの詳細な分析が可能です。iPS細胞の技術を使って、新しいマンモスの細胞を作り上げる事も可能かもしれません。 その細胞を象の子宮に移植して、マンモスを誕生させる事が出来るかもしれません。

一時代前の科学的空想が現実のものとなるかもしれませんね。

 

          <バクテリオ・ファージの増殖

 先回は<肺炎双球菌の形質転換>という事について書いてみました。先回ご紹介した研究者・エブリーの段階で、 遺伝子=DNA=核酸ということが解りました。

さて、初めから奇妙な名前が出てきました。先ず最初にこの名前からお話して見ましょう。

ファージ (Phage) は細菌に感染するウイルスの総称。正式にはバクテリオファージと呼ばれます。 

では、その前に ウイルス とはいったい何でしょうか。

  エボラウイルス感染細胞 (東大医科学研究所)

 ヒト免疫不全ウイルスの模式図(WIKIより)

 

 以前英国の女性科学者ロザリンド・フランクリンのところで、彼女が研究していたテーマにタバコモザイク病の紹介をしましたが、この病気は・・・タバコの葉に黒色のモザイク状斑点を作り、商品作物としてのタバコを損なってしまう病気・・・なのです。

このモザイク状の葉をすりつぶして、健康な葉に塗り付けると、やがて健康な木の葉にもモザイク病が発生します。当然何らかの病原菌が存在するはずなのですが、顕微鏡(光顕)程度では、当時は特別な微生物は発見できませんでした。

ロシアの研究者(デミトリィ・イワノフスキー)は素焼きの陶板を使用した濾過器で、すり潰した液体をろ過してみました。大腸菌や赤痢菌は1~数μm程度ですから、通常はこの程度の微生物であれば陶板の細かい穴(0.2μm)を通過出来ないはずでした。

 

  デミトリィ・イワノフスキー

 

* オランダのマルテイヌス・ベイリングも独立して、濾過器を透過した濾液中の病原体が感染を起こし増殖することを示したが、最初に発見したのはイワノフスキーであることが認められた。

にもかかわらず、透過した液をタバコの葉に塗りつけると、やがて病気を発症したのです。このことから一般の微生物よりはるかに微細な感染粒子を発見したのです。・・・・・これがウイルスの発見でした。大腸菌をラグビー・ボールとすれば、ウイルスはピンポン玉かパチンコ玉サイズになります。

    インフルエンザウイルス東大医科研)

     大腸菌                     赤痢菌

EscherichiaColi NIAID.jpg   Shigella flexneri Gram.jpg

 

ウイルスのサイズが光学顕微鏡では発見できず、電子顕微鏡の時代になって発見されました。1930年代以降の事です。以前はビールスという呼び名で表していた時代も有ります。

上のウイルスと細菌を見比べてみるとわかりますが、大分形状が違いますね。ウイルスの形状は幾何学的で、同じ種類のウイルスは全く同じ形をしており、大小とか個性といった偏差がないようです。この原因はウイルスが限りなく物質、つまり無生物に近い存在であったという事になります。

  1- ウイルスは栄養を摂取する事がない

   2呼吸もしない

  3- 二酸化炭素や老廃物を排出しない

  一切の代謝がないという事になります。生物では有り得ない。

  4- ウイルスを精製し、特殊な条件下で濃縮すると、「結晶化」する

  このことから、ウイルスは鉱物に似た物質であるという事になります。つまり、何度もいうようにウイルスは生命体ではないという事になります。

あとから紹介しますが、ウイルスはたんぱく質の殻を持っておりますが、このたんぱく質が規則正しく配置された殻が、ウイルスの幾何学性に由来しております。

では、次回はウイルスの構造をご紹介して、本題の<バクテリオ・ファージの増殖>に入って行きましょう。

 

 

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