南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

西南諸島貝殻学入門-032

2014年01月24日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門 

             -032

 

 

 

太平洋岸・於斎の浜から  対岸は伊古茂花富

 

 毎日寒い日が続いております。中国大陸からの北風の影響でしょうか。北海道は・陸別で零下30℃を記録しましたそうです。筆者も子供の頃北海道・旭川で同じ温度を体験しました。サラリーマンの転勤先で零下25℃。でも、旭川の近くの朱鞠内では零下45℃程度は何時ものごとく・・・余りの寒さで鉄が手で折れるとか?

とは言うものの、奄美の海は暖かい。海水に手を浸すと微温湯の様な感じ。泳げますね。焚き火を焚いていた跡が、海岸のそこかしこに見えます。でみ、今はひっそりとした感じでした。

久しぶりで(2ヶ月振り)郵便局に出かけた後海岸に寄りました。於斎という太平洋岸の浜辺。でも、先客あり。案の定何の戦果もなし。最近は海が荒れませんのでね~・・・それでも浜伝いに東に移動して、一人ポリ籠を持って北風にブルブル震えながら、しぶとく歩き続けました・・・・でも、残念、凡打ばかり。下の写真の通り  (^~:)

戦果-01

 

 一個一個それなりにはまともな貝ですがね・・・何時ものメンバーでした。1~2年前でしたら嬉しくて嬉しくて大戦果と書いたでしょうか。慣れてしまうとこの通り!

戦果-02 

 

 

でも、無い時はないのです。 それで、諦めて断崖絶壁沿いに高い落差のある林道を、二山越えて大島海峡に至りました。ヨットハーバーのある生間(イキンマ)という港。海の向こうには大島本島と古仁屋という中心地が見えます。

それらを横目に見てひたすら進みました。ある小さな集落の浜に入り、海岸に下りて見ました。期待も捨てて無心になって浜を歩きましたら、一枚の二枚貝が砂の中に埋もれるようになっているのを見つけました。・・・・それが運の付き始め。ソロ・ホームラン・・・・結局、2個の完品を拾って、気を良くして隣の浜に行ったところ、遂に大ホームラン!を打ってしまいました。

今整理中なので、詳細は次回でご紹介。これらはフィリッピンでは良く手に入るのですが、奄美群島ではなかなかの貝です。次回をお楽しみに!

 

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ちょっと一服  

                「話の喫茶店」

 

マイマイの不思議・これも陸のの仲間 

 

クマドリヤマタカマイマイ

 

自宅の畑で捕獲したクマドリヤマタカマイマイ

          

 

このマイマイは他のマイマイと比較して、余り野原や畑では見かけることがなく、海岸で貝殻と一緒に見かけることがあります。特に生きた形で見かけるのは稀です。森や林や木々の茂みの中で、生息している模様です。

最近は寒いので虫箱の中で、白菜やキャベツの葉っぱの上でじ~っとしていることが多いです。それでも暖かくなると長い角を出して、葉っぱの上を動きます。

 

同じヤマタカマイマイでも微妙に違いますね。でも綺麗なマイマイです。

 

       シラユキヤマタカマイマイ           オモロヤマタカマイマイ

 

 

                       オキナワヤマタカマイマイ

              

 

                                オキナワヤマタカマイマイ

           

  

これらも貝の仲間

     

ダイオウイカ

 

 

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二枚貝の不思議 

 

二枚貝は巻貝に比べてシンプルですので、意外と同定が難しいですね。 

        A                     B                      C

         

 

上の二枚貝の写真を見て、何か気が付きませんでしょうか?皆同じ種類のような貝に見えますが、良く注意深く見てみますと、殻頂付近の左右に飛び出た靱帯の部分が、微妙に違っております。

A・・重ねると同じように見えます。 

B・・左右が明らかに違います。左側の貝が<リュウキュウオウギ>「琉球扇」。右側の貝が<オオシマヒオウギ>のようです。

C・・Bの貝の表側です。磨耗がありますので貝の色がハッキリしませんが。貝の柄模様が同じに見えます。

 二枚貝は巻貝と比較すると地味ですが、中には鮮やかな貝もあるのです。

次回はそれからご紹介しましょう。今まで取り貯めていた同種の貝も一挙に!

 

 

 

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南西諸島貝殻学入門-030

2014年01月11日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門 

             -030

 

 

 

毎日寒い北風が沖の方から吹いてきます。遠く中国大陸の奥地から吹き出してきた北風が、東シナ海を旅して奄美群島まで来たのでしょう。奄美大島の同緯度には中国の「温州」があります。

今日も寒いのですが、傍の海辺を数分散策して拾った貝が上記の写真。中央の<ナデシコ>は片方だけです。その左は<イワカワハゴロモ>欠けもなく完品。この貝はそこそこ落ちてはいるのですが、殻が極端に薄くすぐ破損してしまうのが難です。枯葉の上に落ちていておりました。

イワカワハゴロモ

シロ系のもので最大100mm、黒は65mmです。

その他に珍しいものを一個拾うことが出来ました。 

タコブネ・40mm

 

冬の寒い季節の名物品<タコブネ>。冷たい北風が吹くと東シナ海を流れて、九州、奄美沿岸に辿り着くようです。殆ど偶然の産物で、加計呂麻島の特定の場所でしか取れません。海流の関係でしょうか。太平洋岸で発見したことはありません。

別名<フネダコ>、<カイダイコ>とも言うようですが、蛸のメスの第一腕から石灰分を抽出して、殻を作るそうです。ですから所謂、本来的な貝殻とは違うのですね。この殻の中で産卵、哺育するそうです。黒潮に乗って日本海を北上し、秋田県の男鹿半島、佐渡島まで遠征するそうです。

実際の姿

 

     内部                         40mm    65mm   

     

アオイガイ 

 

 <アオイガイ>はやはり大島海峡側でしか取れません。白い殻に黒い縁取りです。上は今まで見つけたもの。それでも殻が薄いので完品は珍しい。

先日も水中を烏賊がのんびり一匹泳いでおりました。生きている自然の烏賊の生態を見るのは初めて。でもカメラがなかった。残念!

こんな感じ!

 

淡水系の貝類 

マイマイの仲間達

左端上はクマドリヤマタカマイマイ

                   

海岸にはマイマイの仲間が数多く落ちております。砂浜には巨大な<アフリカマイマイ>も見つける事が出来ます。奄美では害虫並みの扱いですが。マイマイの仲間は種類が多くて、筆者も簡単に同定は無理ですね。

<クマドリヤマタカマイマイ>は殻は比較的見つかるのですが、実際に生きているものは見つけるのが難しい。先日、自宅の畑の「苦瓜」の葉の上で偶然に発見しました。

クマドリヤマタカマイマイ

 

上の写真は他の方のHPから拝借。下は現在自宅の納戸の暖かい場所で食事中で~す。春になったら遠い滋賀県大津市に行ってしまいます。今はとても寒いので奄美で待機中。今、水前寺菜(ハンダマ)を食べております。今日は10℃位。

 

 

下の写真は真水や汽水域に住む貝類です。

カワニナ

 

右は<アサガオガイ>です。

 

マイマイの仲間は殻が華奢なので、完品がなかなか落ちておりません。本日は殻の華奢なものばかりご紹介しました。もう少し暖かくなって海が荒れたら、近在の浜にまた採取に出かけたいと思います。海岸は意外と寒く手が凍えます。

水槽で静かに眠っております?<アンポンクロザメ>・・黒いオーバーを被ったように見えますが。ヤドカリが近づきませんので、生きていると思います。

 

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南西諸島貝殻学入門-029

2014年01月01日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門 

             -029

 

謹賀

明けましておめでとうございます

 

年賀状の裏面の図柄

 

今年は内外ともに午年に因んで跳ね回る年になりそうです。

昨年以上に今年も奄美群島の貝を採取、発掘していきましょう!

それでは、正月に因んで「お節料理」です。

 

名付けて「加計呂麻懐石

 

 これが全て食べられるのならもっと素晴らしいのですが、

懐石料理は見た目の美しさを愛でることも大切!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

如何でしたでしょうか。美味しかったですか?

材料は全て加計呂麻産で、味付けは加計呂麻塩でした。

本日はこれまでです