19blues

働くアラフォー別居婚女子の日常

モロコシ取物語

2006年08月13日 | オヨ日記

  

 

 

 

 いまはむかし、モロコシ取の翁といふものありけり。
 野山なるモロコシをとりてよろづの事につかひけり。
 名をば、さるきのみやつこといひける。

 そのモロコシ畑の中に、もとひかるモロコシ、一筋あり。
 あやしがりて、よりて見るに、皮の中ひかりたり。

 
 それをみれば、三寸ばかりなる人、

 いとうつくしうてゐたり。

 


 翁いふやう、
 「我あさごとゆふべに、見るたけの中におはするにて知りぬ。
 子になり給べき人なんめり」

 とて、手にいれて、家にもてきぬ。
 妻の女にあづけて、やしなはす。

 


 うつしきことかぎりなし。

 


 いと幼なければ、籠にいれてやしなう。

 もろこし取りの翁、なをモロコシをとるに、
 この子を見つけてのち、とるモロコシに、
 節をへだてて、ことにこかねあるモロコシ見つくる事かさなりぬ。