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不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Internet Banking

2006-10-05 22:44:37 | 日記・エッセイ・コラム

なんかイタリアの法律がまた色々改正されてよくわからないことに。

私のようなフリーランスの人間は
F24という様式を利用して色々支払うものがあるわけですが
これを今後すべてオンライン化するとかしないとか。

これまでオンラインという手段が非常に遅れていたイタリアでは
これはかなりの進歩と受け止めている私。

必要性を感じていなかったので
今までイタリアのメインバンクでの
インターネットバンキングの申し込みなどしていなかったのだけど
ここにきていよいよ私もその手続きをすることに。
もちろん日本の銀行については
ずいぶん昔からネットバンキングになっていて
イタリアでも使えれば便利かもとは思っていたので
今回の法改正はいい機会だったのね。

火曜日に銀行に相談に行き、その場で手続き。
サービス利用可能になったら携帯に連絡しますとのこと。
こういわれた場合
本能的に「時間がかかるな」と思うのが
イタリア生活が長くなった私の感覚。
まぁ、気長に待つかなぁと思ってそのまま銀行を後にした。

二日後の木曜日、見知らぬ電話番号から着信。
知らないイタリア人が受話器の向こうで私の名前を確認。
予想もしていなかった展開に驚いたけれど
銀行のオンラインシステムサポートからの電話で
「サービスご利用開始のお知らせです」とのこと。
あまりの驚きと本心から嬉しかったので
なんか元気いっぱい張り切って「ありがとう」といったら
受話器の向こうで「そんな反応されたのは初めてです」と笑われた。

まぁとにかくこれで
晴れてインターネットバンキングが利用できるようになったのです。

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以上のフィアスコを積み上げてあるよね(BlogPet)

2006-10-04 04:44:30 | インポート
JellyFishはエキシビションが行列した。

ここ数年フィレンツェ市は「伝統のお祭り」の復興に力を注いでおりこの「B a c c o A r t i g i a n o」もその一環。
昔はワインの守護聖人サン・ミケーレの日に合わせてR u f i n aからピラミッド状に2000以上のフィアスコを積み上げてあるよね。




*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「JellyFish」が書きました。



L'Atleta dalla Profondita del Mare

2006-10-03 08:23:47 | アート・文化

「海からやってきたアスリート」。
クロアチアの海域の海底で発見されたブロンズ像は
1999年に引き上げられ、
修復技術では世界的に有名なフィレンツェの
Opificio delle Pietre Dureの全面的な協力の下
クロアチアで長年の修復作業が続けられてきた作品。
本格的に修復が始まってから6年、ようやく一般公開となり
クロアチアでの展示を経て
フィレンツェのメディチ・リッカルディ宮殿にて展示。
今回の海外出展が最初で最後の展示となり
その後はクロアチアでしか見られないという一品。

Atleta_croazia_01
全面真っ白な部屋の真ん中にポツリと置かれるブロンズ像。
その展示方法も抜群にいかしています。
照明が一切見えないように白い幕に包まれた異空間。

使用されているマテリアルの緻密な検査と
ブロンズ像の中に残っていた植物の痕跡などから
この作品が紀元前40-50年のものであることが確定。
古代ローマがジュリオ・チェーザレ
(ユリウス・カエサル)の統治下だった時代。
紀元前4世紀頃のギリシャ彫刻のコピーであるということも判明。

海底に深く眠り続けたブロンズ像は、
発見されたとき仰向けの状態で
背面を砂に覆われていたため、背面部の腐食が激しく、
特に右太腿は上薬が薄かったために腐食の進みが激しく崩落。
それに対して前面はフジツボのような貝類によって
一面厚く覆われていたためかえってダメージが少なかったよう。
塩素の除去から始まり、念入りに貝類の除去作業が続けられ
腐食した部分を補強したものの、
ブロンズ像自体の重さがすべて右足にかかってしまうため
像は自力で直立の姿勢を保つことができず、
内部に20箇所の支えのある支柱を導入。
これによって各部位に重さを拡散した上で
支柱によって直立の姿勢を維持。

古代ギリシャ・古代ローマでは頻繁にアスリートの像が作られ
各競技の優勝者を称えたり、
日々の肉体鍛錬の精進を促したとされています。
この像もそんな流れで作製され、
ローマが領土を拡張し征服を続けていく段階で
戦利品としてローマに持ち帰る途中、
何らかの事故で海底に沈んだものと推測。
Apoxyomenosとよばれるこの像は、競技そのものではなく
競技もしくは練習を終えたばかりの選手を表現したもの。
当時選手たちは全裸で競技や練習に挑み、
その際太陽光線から身を守るために全身に油を塗り、
時にはその上に砂を塗ったのだそう。
そして競技が終わったあとに金属へらのようなもので
全身の油と汗などをこそぎ取ってから入浴したといわれています。
その「こそぎ落とし」の瞬間を捕らえたものがApoxyomenos。

Atleta_croazia_04
残念ながら右手に握っているであろうと思われる
その金属へらは紛失しているので
ブロンズ像の若者が
今まさにどのような動作を行っているのかを確定するのは
非常に難しいといわれています。
右手で左手の油をこそぎ落としているのか
もしくは左手でまさに金属へらの汚れを落としているのか。

紛失している部分は
他には左手の小指と両目に挿入されていたと思われる眼球。
くちびると乳首部分は銅製で残りはブロンズ製。
腕と肩の部分の発達が著しく、
鼻や耳に怪我のあとが表現されていないことから
ボクサー以外の闘士であったと推測されています。

海底に眠る姿からは想像もできないまでに
きれいにオリジナルの姿を取り戻した
「海からやってきたアスリート」のブロンズ像は
2007年1月30日まで展示中。

Apoxyomenos
Apoxyomenos L'Atleta della Croazia
展示会場: Palazzo Medici Riccardi
展示会会期: 2006年9月30日から2007年1月30日
開館時間: 9:00-19:00 水曜定休
入場料: 5,00ユーロ

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La fine di Un Ballerino

2006-10-01 23:47:32 | 日記・エッセイ・コラム

我が家の近くに数年来放浪を続けていたPabloクン。
私がローマから戻ってきたときには姿を見かけなくなり
最近ではどこ行ったんだろうと気になっていたんだけど。

まだ彼の脳みそのネジが正常だった頃
きれいな身なりをしていて、それなりに普通の人だった。
しかし、何かのきっかけでネジが外れてしまったか
日を重ねるごとに精神的に変化を続け
そしてとうとう家のない生活を始めた。
日々状況が悪化する様子を見ているのは
彼を知るこの近所の人にとっては結構辛いものだったに違いない。
彼のために何かしてあげたいと思う人もとてもたくさんいた。
でも彼はそうした援助を受け付けなかった。

道行く人にからむわけでもなく、いつも笑っていて
異臭を放つ以外に何の害もない人だった。
他人から恵んでもらうことを極端に嫌がり
彼に何かしてあげたいと思った人は
彼の寝床の近くに食べ物や飲み物、
寒さを防ぐ布団などをそっと置いていくのが
暗黙の規則となっていた。

ビリーの散歩道のどこかにいつも寝転がり
誰かとしきりに話をしているような雰囲気もあった彼。
一説ではとても愛していた女性を交通事故で失い
その悲しみと辛さを乗り越えられずに
だんだんと闇の世界に落ちて行ったとか。
その彼女とずっと無心に話し続けているのだとも。

5月にローマから戻ってきたとき
そんな彼の姿がビリーの散歩道から消えているのには
すぐに気づいたけれど、誰に聞くわけにもいかず。
どこかに収容されたのか、それとも悲しい最期になったのか。
色々想像してみたりもしたけれど。

先日たまたま読みかけた新聞に彼に関する記事が載っていた。
どうやらミラノに移住したらしい。
相変わらずの放浪生活らしい。
今でも誰からも直接の援助も受けずいつも微笑んで
虚空に向かって懸命に話しかけ
その日その日を暮らしているらしい。

彼はポルトガルからやってきて
フィレンツェではあのMaggioMusicaleで
バレリーノとして踊っていた経歴もあるんだと書いてあった。
しかし、ある日突然すべてを捨てて放浪生活を始めたのだと。
そこには彼にしかわからない、
そして今となっては彼にもわからないかもしれない理由がある。

フィレンツェからなぜミラノへ移ったのかはわからない。
ただ、彼がイタリアのどこかでまだ元気に暮らしていると知って
なんだか旧友の無事を知ったような安堵感があった。

彼はミラノのとあるバス停の近くで
「ボクはインフルエンザがひどくて動けない。
終着駅に連れて行ってくれるバスが来るのを待っているんだ」
と繰り返しているそうだ。
どんなにバスが来ても乗り込むことはなく、
もちろん終着駅にたどり着くこともないまま繰り返す。
「今夜ボクを終着駅に連れて行ってくれるバスがくるんだ」

彼が捜し求めている終着駅は果たしてどこなんだろう。

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Mercatino di Ceramica

2006-10-01 23:13:07 | まち歩き

9月30日の21時から始まるオープニングに行く予定だった展覧会。
世紀の展覧会のオープニングだったのですが
なんと私ったら、そんな大事な展覧会よりも
テレビ番組「Posta per te」にRino Gattusoが出演するというので
そちらにひどくひどく心惹かれてしまい、
展覧会のオープニングをキャンセルしました(笑)。
我ながら驚きだ。

家でガットゥーゾの出演するバラエティ番組を見ながら
ちょっと心が痛んだりもしましたが。

で、翌10月1日にちゃんとお金払って展覧会観に行きました。
その展覧会については後日詳報。
展覧会のあと、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会広場へ。
今日は「国際陶器見本市」を開催中。

特に陶器に興味がないけど、マーケットが大好きなので
目の保養に出かけたわけです。
出展している陶器もさまざま。
アーティストの個性がよく出る面白い素材なのですね。

一番気に入ったのはこんな置物。

Ceramica_omini
小粒なヌードの人形。かわいいよ。
最前列の男の子、ガットゥーゾに似ている気もする。
器はその価値がわからないし、
こうした置物もコレクションしているわけではないので
結局は家に持って帰っても置き場所に困るだけ。
だから買わずに写真に収めて満足。

陶器の屋台が2/3。
残りはいつも見かけるビオな物を扱う屋台。
最近よく見かけるのは
小柄な女性が一人で切り盛りしているパン屋さん。
彼女の手から生み出されるビスケットたち。
素朴でなんだか懐かしい。
Biscotti

そして秋だなぁと思わせるかぼちゃたち。
Zucche
今月末はハロウィンだ。
何か準備しようかなぁ…。

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