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不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Marbling

2005-12-08 15:36:59 | アート・文化
今回日本へ行ったのは イタリアンフェアに出展の職人さんに同行するため。 フィレンツェの伝統工芸でもあるマーブル紙は 有名どころは日本でも紹介されているので ご存知の方も多いでしょうけれど 本当に1から10まで手つくりでやっているところは 少なくなってきました。 私は自分が気に入ったもの以外は日本に紹介したくない。 なので、今回マーブル紙を紹介するにあたっても やっぱりこだわりのある、 質の高い工房でなければというのがあって。 友人の友人が働く工房を見に行って、 一回でその質の高さを実感。 家族経営でやっている小さな会社の メンバー一人ひとりが朗らかで温かい。 そんなところも私のお気に入りになった。 イタリア展開催中は 人だかりができるほどの人気だったマーブル紙の実演。 marbling 何もない糊材の上に色を落として 美しい孔雀模様ができるまでの過程は約20分。 このわずかな時間の間に凝縮された職人技と 形成される美しい模様に度々の歓声。 この人を日本に紹介してよかったなと思った。 職人気質で頭も固いけれど 今回の日本滞在中に色々学習した老舗の坊ちゃん。 彼なりに伝統を活かしつつ 新しいものへのチャレンジを始めようと思ったらしい。 これってモノつくり、特に伝統芸には とても大事なことなのだのだと思う。 トラディショナルな模様の上に 若干バリエーションを加えて 更に雪を降らせてみたマーブル紙。 carta_nevicata 同行していた帽子屋さんとの コラボレーションで生まれたシルクマーブル。 silk_marbling 同じく帽子屋さんに協力してもらって作った 「マーブル紙のコサージュ」。 fiori_marbling いずれもまだまだ改良は必要だけれど これからの発展に大いに期待ができるなぁと かなりの手応えがありました。 Ditta Alberto Cozzi Via Parione, 35r Firenze フェラガモ本店から程近い路地にある老舗。 フィレンツェに着たら是非立寄ってみて。 阪急梅田の会場まで足を運んでくれて マーブル紙の体験製作にチャレンジしてくれた 「イロンナ・オモイヲ・ツメコンデ-Far Le Valigie-」の luciaさん 東京ではしゃぎまくるイタリア人を相手に 美味しい食事をともにしてくれた 「くらぶアミーゴblog」のハヤトさん それぞれに ちょっと遅くなったけど ありがとうの気持ちをこめてトラックバック logo_albero4 banner_01

Il Colore del Cielo

2005-12-07 15:55:21 | 日記・エッセイ・コラム
しばらくゆっくりブログ徘徊できずにいましたが
久々にお邪魔したら
いつものように「J''s てんてんてまり」で素敵なことが書いてあった。
こういうのを逃したくないために、
ついついネット徘徊時間が長くなるのですが。

空の色って本当は何色なのかなぁ。


先日日本から戻ってくる飛行機の中から見えた
いつまでも暮れない夕暮れの空。
肉眼で見るとくっきり何層にも色が重なって
美しい虹のようだったのに、
画像ではなかなか再現できない。
cielo


機体の外は凍りつくような寒さだから
小さな窓ガラスは一部凍結。
でもその向こうに広がる大地の境目には
熱く燃える太陽がいる。

日本からヨーロッパに移動すると、
時差の関係で時間をちょっとだけ稼ぐことができる。
だから夕暮れ時間もいつもより欲張れる。
cielo02

そして
自分の後ろに置き去りにした時間には
ゆっくりと闇が訪れて。

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Via i lucchetti da Ponte Vecchio

2005-12-05 16:25:00 | うんちく・小ネタ
確かにちょっと気になってはいた。

ポンテ・ヴェッキオ(Ponte Vecchio)の中央下流サイドにある
Benvenuto Cellini(ベンヴェヌート・チェッリーニ)の
胸像を囲う柵に絡み付けられた様々な南京錠。

私がフィレンツェに来た頃にはそんな習慣はなかったけれど
思えばここ2・3年のブームなんだろうな。
愛しあう二人が南京錠に二人の名前を刻んで
永遠の愛を誓い合って南京錠をかけて
その鍵をアルノ川に投げ捨てる。
そんな風にしてくくりつけられた南京錠は柵に鈴なり。
なんとも異様な感じ。
愛を誓うのも勝手だけれど
南京錠くくりつけているのは一応文化財の柵なんです・・・。
しかし、一体誰がこんな不思議なことを始めたんだろう・・・。

2005年6月にはフィレンツェ市が一掃したのにもかかわらず
いつの間にかまた鈴なり。
どうも業を煮やしたフィレンツェ市は強硬手段に出ることにしたよう。
オルトラルノにあるBottega del Verrocchio
(ヴェッロッキオ工房)に依頼して
これから半年にわたって
定期的に南京錠取り外し作業が徹底されるらしいです。
取り外しだけでなく、4枚の立て札の設置も実施。

しかし、すごくナンセンス。
美しい橋の上の偉大なる胸像の周りに
注意書きなんてないほうがいいに決まっているのです。

誰かを愛する気持ちも大事だけれど、
長く受け継がれる文化財に理解を示すのも同じように重要なこと。
それもすべてはモラルの問題ですけどねぇ。

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