1400年代後半から1500年代初めにかけて
聖母子像などを中心に宗教絵画を描いたヴェネツィア派画家、
Giovanni Battista Cima(ジョヴァンニ・バッティスタ・チーマ)は
Conegliano(コネリアーノ)出身であったことから、
通称Cima da Coneglianoと呼ばれています。
彼の出生や画家となるまでの修行時期などについての詳細は
文書不足で不明な部分も多いのですが
1489年に初めて彼の作品が記録されています。
その頃にヴェネツィアに移住し、そこに自身の工房を構え
本格的に制作活動を開始していることから
コネリアーノなどで
すでに画家としての修行をしていた可能性もあります。
このヴェネツィア滞在期間中には
Giovanni Bellini（ジョヴァンニ・ベッリーニ）の
影響を強く受けたのは間違いなく
彼の作風はBelliniに非常によく似通っています。
確証できる文書などはないものの
一説ではBelliniを彼の師範とする専門家もいるほどです。
派手さのない画家ですが、
非常に洗練された古典主義のスタイルで
1500年代にはヴェネツィアだけでなく
パルマやボローニャなどでも制作を行っています。
彼が好んだ、もしくは依頼の多かったテーマは
聖母子像や聖母と幼子イエスと聖人の「聖会話」。
ヴェネツィア、エミリア地方の
数多くの教会の主祭壇画などを手がけています。
ウフィツィ美術館に収蔵されている
「聖母子像」もそんな作品のひとつですが
聖母マリアのうつむき加減のもの悲しげな視線に
Belliniの影響が見て取れます。
彼の作品約40点を世界各地から出生地コネリアーノに集め
アンソロジー展が開かれています。
一つ一つ背景まで丁寧に描き込まれたCimaの宗教絵画を
一堂に集めて鑑賞することのできる珍しい展覧会となっています。
Cima Da Conegliano
Poeta del Paesaggio
会場：Palazzo Sarcinelli(コネリアーノ)
会期：2010年2月26日から2010年6月2日まで
入場料：10,00ユーロ
詳細インフォメーション：http://www.cimaconegliano.it/