不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Non sa rispettare la fila

2007-09-29 16:29:00 | 日記・エッセイ・コラム

イタリア人のおばさんは結構無神経です。
もちろん上品この上ない女性もいっぱいいますが、
ガサツでぶっきらぼうで、
周りの空気の読めないおばちゃんも多い。

土曜日にちょっと仕事の用事で
10月7日のフィオレンティーナ対ユヴェントス戦の
チケットを購入に出かけたのですが
そこでも強烈なおばちゃんに遭遇。

既に長蛇の列というか団子状の塊ができていて
それでも日本人としては
最後尾であろうと思われるところに行き
一応そこにいたおじさまに確認。
「うん、おれが最後。」
待つこと5分。
プリンターが動かないとか、マウスが消えたとか
大騒ぎしている窓口の向こう。
全然団子状の列は消化されず更に5分経過。
プリンターが復活して再度販売開始して
ほっとしたのもつかの間、おばちゃん2人登場。
そして団子状になっている前のほうに無理矢理入り込み作戦。
さすがにその後ろのおじさんたちから罵声が飛び
2人組みのおばちゃんは
「どれが列なのよ、どこが最後かわからないもの」と
負けずに文句を言いながら私のほうに近づいてきました。
が、しかし、
私のことなんか見えてないような態度で
私とおじさんの間にできているわずかなスペースに
カバンを滑り込ませて待機。
そのときにカバンが私に当たり
おばさんはじろりと私をにらみつけたわけです。

まだ、自分たちの番まではかなりあるし、
さすがに既に一度前のほうで割り込み禁止って
怒られているのだからわかっているのだろうと楽観。

しかし、わかってなかったのだね。
黒尽くめの服に貴金属ちゃらちゃら派手系
でも化粧っ気なし2人組みの豪快おばさんは
私の順番を飛ばして窓口へ張り付きました。
さすがに私が最後尾確認をしたおじさんが
「あの子が先にいたと思うけど?」といってくれたし
私も「私のほうが先にいましたけど」と言ってみましたが、
おばさんは口を揃えて
「私たちが来たときにはあんたはいなかった」と。
「さっきここにやってきたとき、
無理矢理入り込んであなたのカバンが私に当たったじゃない。」
睨まれたしとまでは言わなかったけど、とりあえず主張。
するとなんと、
「私が来たときあんたはいなかったわ。
あんたが後から来て私のカバンに触ったから睨んだのよ。」
と事実を曲げられておりました(泣)。

おじさんも肩をすくめて「おかしいなぁ」っていっているけど
おばさんたちは止まりません。
「大体フィオレンティーナの試合は
フィレンツェ人が優先されるものなのよ、
外国人は余った席で買えばいいのよ。
私たちは息子のために買わなくちゃいけないんだから。
あんたなんかどうせお金も持ってないんでしょ。」

あぁぁ、もうだめですね。
フィレンツェは外国人も多くて
外国人慣れしている人も多いのですが
その一方でこういうめちゃくちゃな
人種差別・民族差別をする人も根強く残っています。

「順番を護ることができないのは人間として最低。
そんなふうにして買ってもらったチケットで
息子が喜ぶとでも思っているの?」
というだけ言ってみましたが、
そのあとはもちろん、罵詈雑言&民族差別発言の嵐でした。

無駄に時間を使いそうだったし、
私の前にいたおじさんにも「相手にするな」といわれたので
それ以上は突っ込みもせず、
少し離れて自分の番を待っていました。

結局おばさん2人組みは散々悩んだ結果
一番安い席を購入して帰りました。
もちろん帰り際には更に罵声を飛ばして。

発売直後にほぼ完売となったこの人気カードのチケット、
私の番になったときには20席ほどしか残ってませんでした。
お客さんの希望の席は発売時点で完売だったので
いずれにしてもどこか一番よさそうなカテゴリーで
探すしかなかったのですが。
おばさん2人に順番抜かされても影響はなかったのです。
だって一番下のカテゴリーを買うつもりはまったくなかったから。
空席さえあれば一番上のカテゴリーで全然問題なかったのに。

土曜日のすがすがしい朝からこんなのは
うんざりだなぁと思ったのでした。
あんなふうに年はとりたくない。

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