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元外務官僚原田武夫氏の分かりにくい論文と「留学」した公務員が退職する場合について

2005-04-02 00:57:40 | 外務省と原田武夫批判

人が書いた本や論文の類に関して否定的な感想を述べると、その人の仕事を全部

読んだのか訊いてくる人がいる。


たしかにある人の書いたものを全部読んでから批評するのは理想であろうが、そんな

ことをして結局全部自分には否定的な意見しかもてなかったりしたらものすごい時間

と労力の無駄である。


したがって、自分にたまたま目に触れた論文や著作物などでその著者について自分

なりの判断をする事もやむをえないと思う。


実はこんなことを書いているのも無駄なことなのかもしれないし、逆にこの人の宣伝

になってしまうのであろうが、以前から感じていたこのことを先日たまたま手にした

中央公論の2003年11月号に掲載された原田武夫の「『勝ち組』政治教育論―――

明日を託せる『精神的貴族』を創る方法」を目にしてあらためて強く感じた。


正直なところ中央公論にのっている文章を自分が理解できる知性があるかどうかは

自分でも自信がないが、いずれにせよ、それほど長い文章でもなければ、学術的な

論文でもないようなのでとりあえず読んでみたが、正直分からないことが多かった。


その一方で当たり前のことがさもたいしたことであるかのように書いてあるという

印象も受けた。


この論考ではいわゆる「勝ち組」に関する論考を俯瞰した上で、「こういった議論

にはすべて落とし穴がある」として、「現実に存在する『勝ち組』たちがどう生きる

べきか、何をなすべきかという論点がそこでは完全に欠落している」と主張している。


そして、わざわざ「この論文は筆者の個人的見解を述べたものである」と断っている

ものの、その「筆者の個人的見解」というべきものが具体的にどういうものであるの

か、自分には非常に分かりにくい。「精神的貴族」というものが一体どういうものを

指すのかすら定かではない。


「勝ち組」に対する政治教育に必要なこととして三つ条件をあげているのだが、第一

に精神的貴族になるべきだとし、「勝ち組」に「政治教育」が必要な理由は、「再分配

以外の、レスププリカ(=皆に共通する事柄)を落ち着いて議論できるのは、まずは自

らは『余裕のある』彼らだから」だとしている。


「勝ち組」という言葉の定義も大雑把にしかされていないが、これではまるで、貧乏

人は「皆に共通する事柄」はまともに議論できないと言っているかのように思える。


精神的貴族としての「勝ち組」は専門性という蛸壺から抜け出すことを主張すること

はよいとしても、精神的貴族の連携に関して、「もちろんこのようなことが可能とな

るのは、余裕のある精神的貴族たちだからこそではある」としているのもそのような

ことが言いたいのだろうか。


その理由として「議論の参加者の余裕に明らかな差異があるとき、そこでは再び『再

分配』が首をもたげ、議論は求めるべき精神性を失ってしまう」としているが、これ

は要するに金持ちと貧乏人とが対話しても見るべき成果はないだろうということなのだ

ろうか。


引用は部分的にしかしていないので分かりにくいのかもしれないが、ひどく勝ち組に

こだわっているようでもあるが、いずれにせよもしかしたらしごく当たり前のことを

縷々述べているだけなのかもしれない。


この論文の最後には「抽象論を超え、日々の出来事の中で「公なるもの」を考えてみ

たい方」は自分のメルマガを参照してほしいということが書いてある。


抽象論が不必要だとは思わないが、もしかしたら書いた本人が自分でもこの論文は自

分でもあまりに「抽象的過ぎる」と感じているのではないだろうか。


自分の著作物に触れて「何々を参照してください」という学者先生は多いけれど、こ

れではまるで論文というより自分のメルマガの宣伝のような感じがする。


新聞でも雑誌でも宣伝は多いが、宣伝でないふりをした宣伝というのは、自分には非

常に困る。


この人はすでに何冊か著作もあるようだが、一方で最近まで外務官僚で北朝鮮との

外交を担当していたそうだ。官僚でありながら、執筆活動をする人は多いのだから、

そのことは責められないとしてもメルマガの発行というのはどうだろう。


以前元外務官僚の人が外務省の役人はものすごく忙しくて大変だということをある本

で書いていたが、どうも全ての官僚がそうではないようだ。


またこの人は「在外研修」もしていて、それはいわゆる「留学」のようだが、その費

用は税金であろうか。また留学の期間は給料も出たのだろうか。もし留学の学費も税

金で支払われ、給料も出ていたのに、比較的若くでやめたとしたら、その費用などは

返さなくてよいのだろうか。


早期退職とでも言うべき官僚の人たちはもし国費で留学などをしていた場合、学費や

その間の給料などは全額返すべきではないだろうか。もちろん原田武夫に関しては分

からないが、政府はこういうことに関して基準を作ってその実態とともに公表すべき

であろう。


                   (文中敬称略)


あくまでも個人的な疑問や感想です。何度か修正しています。