熱血通信

日々の出来事を思いのままに…

揺れる現地

2009-10-16 20:16:16 | Weblog
新政権になり、まるで不要な公共事業とばかりにやり玉
となりクローズアップされている『八ッ場ダム』。

 八ッ場ダム建設事業は、国と関係1都5県が法律に基づいて実施
している共同事業であり、昭和27年、国が八ッ場ダム建設を提示
して以来、これまで57年の長きにわたり地元関係住民は激しい
反対闘争や議論を経て、苦渋の選択をしてダム事業を受け入れて
きました。
 そして、現在ようやく移転可能となった代替地での生活が具体的
な形となって、将来に向かって新たなスタートが切れるという矢先
の前原国土交通大臣の発言であり、建設中止は地域住民にとって
まさに寝耳に水であります。
 長年にわたって推進されてきたダム計画を根本から方針転換する
のであれば、十分な説明責任を果たす必要があると思います。
共同事業者である1都5県や地元住民に何の説明もなく、何の協議
もなく、ただ「マニフェスト」に書いてあるというだけで、一方的
に中止することは到底納得できません。
 自分の故郷を失い、先祖伝来の土地や墓地までも提供をすること
に、はじめから賛成する人など誰一人としていなかったことでしょう。
下流都県に暮らす人たちのために飲み水を確保し、洪水から守る、
という目的のために自らを犠牲にして、条件付きで賛成してきたのが
実態であると思います。
こうした精神的な犠牲を払い、ダム建設を受け入れた地元住民の方々
の気持ちを考えると、これまでの57年間は一体何だったのかという
思いに至ります。
 地元住民の「白紙での意見交換」にも一切応じない前原大臣の姿勢
については、友愛を掲げている内閣の一員とは到底思えません。
友愛とは、国民に対する親愛の情であると思います。
政治とは何のためにあるのでしょうか?自分で一生懸命頑張っても
どうすることも出来ない社会的弱者のためにあるのが、本来の政治
ではないでしょうか。
 そして、今回の一般質問で取り上げられた八ッ場ダム問題の質疑
の中で、「私たち地元住民は、前原大臣のダム建設中止という言葉
を聞いて、悔し涙でダムの水がいっぱいになるくらいの涙を流して
いるんですよ」という地元住民の言葉は、国に翻弄され続けた住民
の心の叫びとして特に心に残っております。
 私たち群馬県議会議員は、群馬県民から負託を受けて選出をされて
おります。県民の立場に立つこと、県民生活の安心を確保することが
県会議員に課せられた使命であると思います。