実際に自分がワークショップ実践をした後に読むと、参加者に対する配慮が、この本の中の各所に書かれているなと実感することができます。参加者にとって、何かが心に残り、参加してからも何か続けたくなるような余韻が感じられるような仕掛けつくりが大切だと感じました。
ワークショップという言葉を定義し、グループ分けを示している本。いろいろなワークショップに関する本を読みましたが、このワークショップのグループ分けを参照しています。
以下、抜粋■
○ワークショップの定義
・参加者が主体的に議論に参加したり、言葉だけでなくからだやこころを使って体験したり、相互に学び合う、グループによる学びと創造の方法
・講義など一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で学び合ったり、創り出したりする学びと創造のスタイル
・参加体験グループ学習
「参加」自らが参加し関わっていく主体性
「体験」アタマだけではなく身体と心をまるごと総動員して感じていくこと
「グループ」お互いの相互作用や多様性の中で分かち合いを刺激しあい学んでいく双方向性
○ワークショップの要点
・ワークショップに先生はいない
・「お客さん」でいることはできない
・初めから決まった答えなどない
・頭が働き、身体も動く
・交流と笑いがある
○学びのエッセンス
「サークル」で体験した輪になって座るということ
「深く聴く」というシンプルなこと
○ファシリテータの条件
・主体的にその場に存在している
・柔軟性と決断する勇気がある
・他者の枠組みで把握する努力ができる
・表現力の豊かさ、参加者への反応の明確さがある
・評価的な言動はつつしむべきとわきまえている
・プロセスへの介入を理解し、必要に際して実行できる
・相互理解のための自己開示を率先できる
・親密性/楽天性がある
・自己の間違いや知らないことを認めることに素直である
・参加者を信頼し、尊重する
○全体的な学び
ボディ=身体
マインド=知性
スピリット=霊性・直感
エモーション=感情
の人間にとって重要な4側面からのアプローチを大事にする
○ワークショップの可能性
・切り離され孤立しているという私たちの「自己」認識→お互いにつながりあい関係しあった大きな自己認識
・「あることBeing」より「することDoing」への強迫→今、ここにただ在ることを楽しむ
・自分自身をありのままに感じ、正直にあらわにできる場がない→お互いに真実を話し聴きあえる場を創る