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ちえづくり―新しいインクスの革新手法 ものづくり企業の変革力を高める

2012年06月27日 | 職業経験

ちえづくり―新しいインクスの革新手法 ものづくり企業の変革力を高める
http://book.akahoshitakuya.com/b/4822231356

ちえづくり―新しいインクスの革新手法 ものづくり企業の変革力を高める

ノウハウの形式知化について、自らの企業で取り組んだ内容が書かれている。具体的な手法が書かれているので、とても分かり易い。

以下、抜粋■
〇ノウハウの形式知化
:エキスパートの方との打合せを設けて、問いかけを行いながら、直観的に判断していることは何なのか?何に注意を向けているのか?どういった基準で判断しているのかなどについて、自分の頭を棚卸ししながら話して頂くこと
・形式知化の過程で起こる2つの利点
(1)エキスパートの中で検討方法が整理され、より洗練された考え方に気付く。エキスパートの方が論理的に話していくことで、自身の判断の仕方に改善点があることに気づき、より質の良い結果の導き方、より普遍的な考え方などが自身で見えてくる
(2)判断を可視化する場を通して若手が育つ。打合せの場に若手社員に同席して頂くことで標準書や手順書などのドキュメントで得られる以上の知恵をエキスパートから得ている。エキスパートが語るときに、なぜそうしたのか根拠を聞くことによって、過去のエピソードや考え方を共有できることが寄与している。特異な経験や信念、価値観が、判断が必要な場面設定と同時に語られることで、現場のさまざまな場面で若手が実際に使えるノウハウとなっている
ノウハウは、「〇〇のときに△△する」という形の実践的な知識として形式知化する

〇実践知識
どう状況を解釈するか、そう解釈する理由は何か、最終的にどういうやり方が良いのか、こうした状況の読み方までを明らかにしたノウハウ。
画一的な対応を生むための知識ではなくその場の状況に的確に対応するための知識


〇お客様からの注目
形式知化のプロセスで得られる「気づき」や「人材の成長」の効果、または形式知化したノウハウの「知識資産の価値」に注目するようになった

〇人の知恵
「知識」「経験」「意志」の3つととらえる

〇ウィズダム・エンジニアリング
「知識」「経験」「意志」の観点で組織を変革する方法論

〇「知恵」とは
知識は「知っていること」、知恵は「知っている知識を状況に合わせて使いこなせること」
知識は存在する「もの」であり、知恵は人の「能力」である。
知恵を人が醸成していくためには、人が成長するための要件である「知識」と「経験」が必要
自らの頭で実際に使える機会をどれだけ得たか、同じ問題の繰り返しではなくどれだけ多くの困難な問題に直面したか、という経験の質が重要
知識を使うだけではなく、その状況に適した知識を取捨選択したり、いくつかの知識を組み合わせたりといった創意工夫の能力、何がベストなのかを判断する能力が問われる。
問題解決に向けて筋の良いつながりを見出すことができること

〇行動を起こして結果を得るまでの認知過程
「状況を読む」→「決断する」→「行動する」

〇人の知恵が活きる組織
環境変化の激しい中にあっても、組織の人材一人一人が動的な目の前の状況を的確に読み、価値創造に向けて決断し行動する組織。

〇ナレッジワークにおける可視化の意味
(1)現状を理解し課題を抽出すること
(2)現場のノウハウの可視化

〇ナレッジワークにおける可視化の意義
・全体像を把握する
・定量化する
・内省する

〇ナレッジワークにおける可視化の原則
【範囲】PPRフレームワーク
Produtct
Process
Resource
【着眼点】1Process-1Decision
業務中の「判断」に着目し、その仕方をブレークダウンする
【構造】業務の構造化
【視点】複眼的視点
その業務に関わる人を巻き込んで複眼的な視点で見ていくこと
業務の実態を理解するだけではなく誰が何を考えているのか全体で認識を合わせていくことも重要
関係者の認識と思いを引き出し、適切に業務を可視化、分析していき、全体で課題の共通認識を醸成させていく

〇ナレッジワークの何を可視化するのか?
・他部署の業務内容と自分の業務との関係
 :業務の全体像と課題の所在を明らかにする
 :部署や担当者が変わるポイントを重点的に調べる
 :具体的なタスクやアクション、判断がなぜ必要なのかを調べる
・業務や商品の過去の実績や実態
・個々人のノウハウ
 :どういうケースで使えるのか、場面設定が明確であること
 :検討しなければいけない観点、検討の筋道、候補となる選択肢、結論として複数あり得る場合の優先順位などの、検討の中身が明確であること
 :参照の仕方に応じたノウハウの構成と参照しやすい環境

〇ナレッジワークにおける可視化の進め方
具体的な内容を設定する

〇ドレイファスの熟達の5段階モデル
「未経験」「部分的な能力」「十分な能力」「優秀な能力」「エキスパート」
認知的能力の違い、「状況の読み取り能力」と「状況の重要な特徴を識別する能力」の能力の差

〇実践知識を引き出す対話
(1)場の設計(何のために、誰に参加してもらうか、何を準備するか)
 :ノウハウに関する対話の場を学習の場と位置付ける
(2)話し手、聞き手の相互の認識を合わせる
 :ゴールイメージを共有する
 :エキスパートの方に「あなたが他の方より優れているのはどういうところですか」「若手の人ができないのはどういうところですか」などの質問をして、どのレベルでまとめるかを見出す。
(3)経験のロジック化
(4)検討項目間の整理
(5)検討内容の構造化
 :実際の複雑さをありのままに表現していくだけではなく、「何が重要なポイントか」「どの検討は省略しても問題ないか」を見定め、適切にモデル化する
(6)検討の中身の精緻化
 :違いを識別し、比較する。ある切り口で整理してみる。視点を変え、全体像を推測する。パターンに分けてみる。

〇対話のテクニック
・対象のフレームを切る
・的を絞った質問をする
・例え話を使って類推を促す
・別の可能性を提示する
・極端な方向に振ってみる
・苦労話や武勇伝から入る

〇経験のデザイン
・全体の基本構造を理解する
・経験の幅を広げる
・より良いやり方を考える
・全体をつなげる経験をする

〇状況の読み方を伝達する仕掛け
・共通言語の拡充
 :状況の微妙な違いを言葉にしていく
・情報の見せ方の工夫
 :情報の利用者が個別の状況を識別しやすいように、情報の色や形式を工夫すること
・検討の過程を残す仕掛け
 :各人がどんな状況に直面し、どう解釈し、どういう対応を行ったのかを記録することで、状況を読む行為を直鉄的に共有する



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