朝日新聞18年9月12日(朝刊二面 「時事刻刻」)は次のような記事である。(新聞記事の赤線囲み部分)
『引き金は、安倍首相の言葉だった。首相が質問を受け、北方四島での共同経済活動の協議を始めることで合意した16年12月の日ロ首脳会談に言及。領土問題について「今までのアプローチを変えるべきだと決意した」と話した。プーチン氏はこれを受け「シンゾーがアプローチを変えると提案した。そうしよう!」と言った。
誰も予想しなかった「平和条約年内締結」の提案に、会場のロシア政府関係者やビジネスマンからは大きな拍手がわき上がった。安倍首相の顔には困惑したような笑みが浮かんだ。』
別の報道では『(「今までのアプローチを変えるべきだ」という安倍晋三首相の発言を受けて)シンゾウは正しい。我々は問題を解決し、平和条約を締結したい。
安全保障は重要だ。あなた(司会)が言った(米軍が北方領土に進出する可能性についての)議論もしている。当然、米国のミサイル防衛システムを含む多くの軍事協力について懸念しないわけにはいかない。
シンゾウ・アベは今、アプローチを変えると言った。信じないだろうが、正直に言う。今、思いついた。単純なアイデアだが、まさに今、ここで頭に浮かんだ。
70年間、我々は問題解決に取り組んできた。1956年の日ソ共同宣言は、調印しただけでなく、日本とソ連の双方で批准された。その後、日本は宣言の履行を拒否し、問題は逆戻りした。
シンゾウがアプローチを変えようと提案した。そうしよう。平和条約を結ぼう。今ではないが、年末までに。あらゆる前提条件なしで。 (会場で拍手)
争いのある問題はその後で、条約をふまえて友人として解決しようじゃないか。我々が70年間にわたって解決できなかった課題の解決が、より簡単になるだろうことは明らかだ。』
菅官房長官は「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉する。」「大統領の発言に抗議せず」と記者会見で述べた。
しかし、米朝首脳会談の経緯を見ても首脳の意向が最優先することは、外交のみならず政治の世界の鉄則である。
「北方四島返還」という政府の方針に反する発言が目の前でおこなわれながら、なんの反論もしないばかりか「笑みを浮かべた」安倍首相の態度は重大であり、外交失格である。
背景には「北方四島」(国後、択捉、歯舞、色丹)での「共同経済活動」を「新しいアプローチ」と称して領土問題の解決を遠のかせてきた安倍政権の方針の破綻がある。
もともと、日口闇の領土問題は、第2次世界大戦の際に、「領土不拡大」という連合国の戦後処理の大原則(大西洋憲章・カイロ会談・ポツダム宣言)を踏みにじって、旧ソ連のスターリンが千島列島の引き渡しを要求。米英がこれに応じて、「ヤルタ秘密協定」に書き込まれ、旧ソ連が国内法で自国領土に編入したことが発端である。ごの不公正を是正することを中心にすえなければ、領土問題の解決がないことは今回の経過からもいっそう明瞭である。
参考ブログ記事
『軍事史から見る千島問題」管理人がお話をします』
『旅のがっこう「軍事史から見た千島問題」レジュメ』
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