朝鮮半島と中国と世界の動き

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北朝鮮を制裁しない中国に米国は「失望」

2017-08-11 11:15:41 | 政治

中国は北朝鮮問題に関して米国が求めるような動きを見せなかった。トランプ政権は中国への批判的な姿勢の表れとして、6月下旬に台湾への兵器売却を決定し、

7月初頭には南シナ海で中国の領土拡張に抗議する意を込めた「航行の自由作戦(FONOP)」を実行した。いずれも中国政府が嫌がる動きであり、同政府はその両方について米国政府に激しい抗議の意を表明した。
 
そして、「100日の猶予」が完全に終わる7月中旬ごろには、トランプ政権の中国への失望が鮮明となった。
 
とくに北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)と豪語する長距離ミサイルの実験発射を7月に2回実施すると、トランプ大統領は「中国には失望した。アメリカの政治指導者たちはこれまで中国の対米貿易黒字の巨額な膨張を許容して、中国側に利益を与えてきたのに、

中国はこちらの要請を受けても北朝鮮に圧力をかけもしない。この状態を続けることはできない」と激しい中国非難を打ち上げた。
 
トランプ大統領の対中非難に呼応するように、CIA(中央情報局)のマイク・ポンペオ長官も米国の一部メディアとのインタビューで、「米国にとって中期、長期の最も深刻な脅威は中国だ」と語った。

ポンぺオ長官はさらに「経済面でも軍事面でも米国に対して最もチャレンジをする能力を持つのは中国だ。南シナ海でも東シナ海でも、中国は米国やその同盟国の利益を盗むか、侵すかしている」とも述べた。

中国側は国営新華社通信がこのポンぺオ長官の発言を詳しく取り上げ、「米国は自分たちのせいで生まれた危機を中国のせいにしている」と反撃した。

トランプ大統領自身の中国批判に対しては中国外務省の報道官が「米国政府は北朝鮮の核危機を中国の責任だと非難するが、まったくの的外れだ」と反論した。

JBpressからの引用記事

米国、北朝鮮について国連安保理緊急会合の「価値なし」

2017-08-11 05:20:03 | 政治


朝鮮が28日深夜にミサイル発射実験を実施したことについて、米国は国連安全保障理事会の緊急会合では「何の結果も出ない」として、開催を求めない考えを示した。

ニッキー・ヘイリー米国連大使は、そのような会合は北朝鮮に対し、国際社会が真剣な対応を求めていないというメッセージを送ることになると述べた。
今回の発射実験で、北朝鮮政府は米国全体が射程範囲内だと証明されたと主張している。

これに対し米国は高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の発射実験を実施したほか、爆撃機2機を朝鮮半島に派遣した。

日本の安倍晋三首相は31日午前、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談を行った。安倍首相は、北朝鮮への圧力を高めるためさらなる行動を取る必要があるとの認識で一致したと述べた。電話会談では軍事行動について触れられなかったという。

ヘイリー大使は声明で、北朝鮮がすでに数多くの安保理決議の対象となっているものの、「違反しても罰せられずにいる」と述べた。

「追加の安保理決議は北朝鮮への国際的な圧力を目立って強められず、価値がない。むしろ、何もしないよりも悪い。北朝鮮の独裁者に対し、国際社会が真剣な対応を求めていないというメッセージを送ることになるからだ」

その上で、中国に対し北朝鮮を抑制するよう強く促した。ヘイリー大使は、「中国は最終的に重大な措置を取りたいのかどうか、決めなければならない。話し合いの時間は終わった」と述べた。

北朝鮮は2度目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施した先週28日は、初めての発射実験から3週間後にあたる。

これに対し、米軍はアラスカ州に配備した高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」が、米空軍が太平洋上で航空機から放ったミサイルの迎撃に成功したと発表した。

北朝鮮が韓国をミサイルで攻撃した際に迎撃できるよう、中国の激しい反対をよそに、米軍は韓国にTHAADの配備を進めている。30日には、米B1戦略爆撃機2機が韓国軍や日本の航空自衛隊とともに朝鮮半島で共同訓練を行った。

今回の発射実験を受け、ドナルド・トランプ米大統領は中国を批判。北朝鮮との貿易で「何十億ドル」もの利益を挙げているにもかかわらず、北朝鮮のミサイル開発を抑制する努力を怠っていると述べた。

トランプ氏はツイッターで中国に「非常に失望している」と述べ、北朝鮮に対し中国が「何もしない」のは許さないとした。

一方、元外交官で中国政府顧問のビクター・ガオ氏は、トランプ氏のコメントが何の助けにもならず、米国が「駄々をこねる子供」のように行動しているとした。

北朝鮮と陸続きの国境で繋がっており、最も密接な経済関係がある中国は、北朝鮮の今回の発射実験を批判した上で、関係各国に対し冷静な対応を強く求めた。

トランプ氏と習近平国家主席は今年、北朝鮮について話し合いをしており、その後、米政府関係者は両国が「様々な選択肢」について検討しているとしていた。

しかし今回のICBM発射実験は、「技術の重大な進歩」だとする北朝鮮の挑戦的な姿勢があらわになった。

BBCニュースからの引用記事