中国は北朝鮮問題に関して米国が求めるような動きを見せなかった。トランプ政権は中国への批判的な姿勢の表れとして、6月下旬に台湾への兵器売却を決定し、
7月初頭には南シナ海で中国の領土拡張に抗議する意を込めた「航行の自由作戦(FONOP)」を実行した。いずれも中国政府が嫌がる動きであり、同政府はその両方について米国政府に激しい抗議の意を表明した。
そして、「100日の猶予」が完全に終わる7月中旬ごろには、トランプ政権の中国への失望が鮮明となった。
とくに北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)と豪語する長距離ミサイルの実験発射を7月に2回実施すると、トランプ大統領は「中国には失望した。アメリカの政治指導者たちはこれまで中国の対米貿易黒字の巨額な膨張を許容して、中国側に利益を与えてきたのに、
中国はこちらの要請を受けても北朝鮮に圧力をかけもしない。この状態を続けることはできない」と激しい中国非難を打ち上げた。
トランプ大統領の対中非難に呼応するように、CIA(中央情報局)のマイク・ポンペオ長官も米国の一部メディアとのインタビューで、「米国にとって中期、長期の最も深刻な脅威は中国だ」と語った。
ポンぺオ長官はさらに「経済面でも軍事面でも米国に対して最もチャレンジをする能力を持つのは中国だ。南シナ海でも東シナ海でも、中国は米国やその同盟国の利益を盗むか、侵すかしている」とも述べた。
中国側は国営新華社通信がこのポンぺオ長官の発言を詳しく取り上げ、「米国は自分たちのせいで生まれた危機を中国のせいにしている」と反撃した。
トランプ大統領自身の中国批判に対しては中国外務省の報道官が「米国政府は北朝鮮の核危機を中国の責任だと非難するが、まったくの的外れだ」と反論した。
JBpressからの引用記事