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「加計問題」と「ロシアゲート」あまりに酷似したフェイク戦略

2017-08-12 15:20:39 | 政治


奇しくも日米両国で、国家権力のトップに疑いの目が向けられている。興味深いのは、両トップの「リアクション」までも奇妙なほど似通っていることだ。

異文化コミュニケーション論を専門とし、米国の選挙戦略に精通する明治大学教授・海野素央氏が読み解く。

いま、日本と米国で同時多発的に政権に対する「疑惑」が持ち上がっており、両国の国民はその行方を注視しています。いうまでもなく、日本では学校法人加計学園による獣医学部新設と、

安倍総理の関与についてのいわゆる「加計学園問題」。米国では、2016年米大統領選挙における、トランプ陣営とロシア政府の共謀を質す「ロシアゲート疑惑」です。

これら2つの疑惑には、驚くほど多くの類似点が存在します。そこで本稿では、加計学園問題とロシアゲート疑惑の共通点、またそれに対する安倍・トランプ両政権の対策手法の類似点を明確にしたうえで、両政権の狙いを分析したいと思います。

ドナルド・トランプ米大統領は、自分や政権にとって不都合な情報を発信する米CNN、及びニューヨーク・タイムズ紙等に対して「フェイクニュース」というレッテル貼りを行い、連日のように攻撃しています。

トランプ大統領は、ロシアゲート疑惑そのものがこれら反政権的なメディアによる「でっち上げ」であり、ひいては、前回の米大統領選挙で敗れたヒラリー・クリントン陣営並びに、野党の民主党による揚げ足取りや言い訳に過ぎないと主張しているのです。

一方で、加計学園問題においても、トランプ大統領がとったのと同様の「フェイク戦略」がまず用いられました。疑惑が持ち上がった当初、菅義偉官房長官は5月17日に行った記者会見で、

獣医学部新設計画に関して「総理のご意向」と記された文部科学省の内部文書を「まったく怪文書みたいな文書ではないでしょうか」と切り捨て、「この文書は偽物である」との認識を示しました(なお、菅官房長官はこの発言を6月16日に撤回しています)。

トランプ流の言い方をすれば、「この文書はフェイクであり、報じた報道機関はフェイクニュースメディアである」ということです。ロシアゲート疑惑及び加計学園問題には、まず「政権側が初動対応で、不都合な事実を『フェイク』と断言して葬ろうとした」という共通点があります。

もっとも、トランプ・菅両氏の「フェイク戦略」の狙いは異なります。トランプ大統領は、大手メディアに対する不信が強い低所得者層や、大卒でない人々、ならびに白人キリスト教右派といった自身のコア支持層を固めることを意識しています。一方、菅官房長官は文書そのものの重要性、および信憑性の低下を狙ったといえます。

現代ビジネス からの引用記事

習近平の頭の中は中国の次期党大会、「後継者潰し」の一環か

2017-08-12 06:52:15 | 政治


孫政才の失脚は、突然の事態であったにもかかわらず、香港筋その他の報道では「さもありなん」という受け止め方であった。もともと習近平政権の人脈とは対立する江沢民派によって引き上げられた人物だから解任された、という見立てである。
 
現在のところ、孫政才の「罪状」は、失脚した「薄煕来・王立軍の害毒除去が不十分」であったこと以外明らかになっていないが、即座に後任として陳敏爾が当てられたことから判断して、

「邪魔な孫政才を外し、陳敏爾を政治局入りさせる」のが本来の目的だったのだろうと推察できる。孫政才の「罪状」はいずれ明らかにされるだろうが、深刻な腐敗案件があったようにはみえない。
 
さらに言えば、孫政才は胡春華・広東省党委書記と並び称される「習近平の後継者候補」であったことから、いわゆる「後継者潰し」の一環でもあった。両者はともに、党大会開催が11月であるとして、その時には54歳で、5年後に後継指名されて10年の任期を全うできる年齢である。

ただし今回、孫政才が失脚したことによって、後継者が胡春華に一本化されたと見るのは見当違いだろう。習近平の前任者である胡錦濤の「クローン」とも評される胡春華は、紛れもない共青団系列の「エース」であり、それだけに周囲のガードが固く、習近平もこれまで「足を引っ張る」余地がなかった。

だからといって、自らの人脈に属さない胡春華を習近平が「後継者」として受け入れることはないだろう。習近平自身が、「あわよくば3期目の政権を目指す」とすればなおさらだ。

仮に胡春華が次期党大会で党中央政治局常務委員会入りするにせよ、「後継者」と位置づけられることはなく、その地位は安泰とはいえない。胡春華も「次に狙われるのは自分だ」という意識はあるだろう。

JBpressからの引用記事