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CB事業企画「プレゼン」。ひとつの考え方を紹介!その事例として「上勝町」

2010年09月30日 | 事例の紹介

CB事業企画、「プレゼン」。もうひとつの「考え方」を紹介!
■「プレゼン」までの流れ (おさらい)
次のようになります。
①雑多な「地域の課題」
②大まかに「絞り込んだ課題」
③選んだ課題 「テーマ」
④課題 「解決のためのアイデア」
⑤課題 「解決のための具体策]

 

③が、調査からでてきた「ニーズ」と、その人ごとの「思い入れ」という事でもあります。
CB事業案のプレゼンでは、①②が前提(背景)となります。
実際のプレゼンでは、③選んだ課題ということから始めます。具体的に、その課題というのは、なにが、どのように問題なのか!です。
④解決するための「アイデア出し」。これは、アイデアを現実のものにするための「手段・方法の特定化」です。
⑤-1、具体策とは、5W2Hです。きめ細かくみていくということ。
「What(仕事内容)-何をする、何から始める」
「When(期限・期日)-いつから、いつまでに」
「Where(場所)-どこで」
「Why (目的)-どうして」
「Who (担当者)-誰が、誰と誰が」
「How (進め方)-どのように」・・・転じて「どのように強みがある」「事業の可能性がどのくらいある」
「How much(費用)-いくらで、いくら会費や寄付金を集めて」

アイデアを実現させていくための、「要素」をすべて言葉にあらわしていく。これで、「何が足りない!」「どの部分が弱い!」などがみえてきます。また、実施した場合、「どんなリスクがある!」や「何年後に、どうなっている」など、「事業の可能性」という視点も大事なことです。

⑤-2、さらにポイントとなる要件は、「強み」
キーワードとしては、「新規性」「独自性」。CBは、「戦わないということ」を中心におきます。したがって、この要件は外せませんね。失敗事例をみていきますと、大体がこの部分の脆弱性にあります。ここが弱いと、競合・競争で負けてしまうということですね。
「独自性」というと難しいようですが、既存のものを「改良」や「応用」「複合」することでも得られます。二つの事柄をたしたり、引いたり、三つを重ねたりでもいいのです。

■事例で検証してみる!
おばあちゃんビジネスで、年商3億円の「上勝町」。「つま物」ビジネスが地域課題を克服した。

1、背景となる「雑多な地域課題」は、
・高齢老齢化、・過疎化、・町経済の停滞、・毎年収入が減少、・医療費の高騰、・林野比率85%、・ほとんどが傾斜地、・耕作地比率2%、・徳島市内から車で1時間、・点在する集落、・収入源は「お茶」「温州みかん」「地場野菜」。

2、課題を、おおまかに絞り込む
・お年寄りしかいない、・町の財産は森林のみ、・町の収入はこれからも減り続ける

3、選んだ「テーマ」
お年寄りでも可能な事業で、町の財政基盤を整える。

4、「アイデア出し」
町役場の営農指導員・横石知二さん。(現在、㈱いろどり・代表取締役)
その1、地場野菜を、徳島市まで車で運んで売る。
その2、町を救うことを、日々考えぬく。そして、
その3、出張中の大阪ではいった「すし屋」でみた光景。若い女性が、料理に添えられていた「木の葉」を話題にし、大事そうに持ち帰っていった。
料理に添えられる「葉っぱ」。これを「つま物」といい、それを商う商売が存在したということを初めて知る。そして、この「つま物」に、上勝の将来をかけた。

5、「5W2H」でみると、
その1、「つま物」が売れるなど、町のほとんどの人が信用しない。
その2、説得をかさね、ようやく4人の賛同者をえる。
その3、しかし、売れずに赤字。1986年売上、数百万円。
その4、「葉っぱ」でも、どんなものが売れるか。横石さんが自腹で料亭通い。マーケッティングを開始。
その5、4年後の1989年には、4800万円となる。2003年には2億円を突破。現在も、売上を伸ばしている。
その6、町に「イントラネット」をひいて、70代のおばあちゃんが、コンピューターで市況を睨みつつ、出荷を考えながら「葉っぱ」を採取。年収1000万円を越す、「おばあちゃん」もゴロゴロでてきた。

■事業性
その1、「つま物」は、町にある木々から取った「葉っぱ」。とくに栽培している訳ではない。したがって、コストはほとんどかからないということ。失敗を恐れる必要はなかった。
その2、売れ始めてから、より売れる仕組みをつくった。それが、イントラネット。日々、何が売れているのかを知り、自分がいくら売ったかがわかる。そんな仕組みで、やる気がでてきたわけだ。(防災無線をつかったFAXシステムもある)
その3、もちろん本部(株式会社いろどり)をおいて、さまざまな情報や販売網の確保にも力をそそいでいる。

■強み
その1、豊かな自然が残っていたこと。実は、山深いから自然があるといえば、それは間違いである。林野庁によって、ことごとく植林がほどこされ、ほとんどの山には自然がのこっていないのだ。
その2、お年寄りだから、きめ細かい対応が可能。
若い人であれば、いろいろと農作物をつくる。しかし、お年寄りには、葉っぱを摘むことしかできなかった。しかも高齢者は、手先が細やかだ。このため、良質な商品の出荷ができた。
その3、イントラネットなどで、完全な仕組化。
事業性と同じになるが、日々のネット情報で出てくる売上金額。これがやる気に火をつけると同時に、安定供給をうながしたのだ。

※アマゾンで、書籍「そうだ、葉っぱを売ろう!」著者・横石知二さんの動画がみれます。

 


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