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呉服町の「一店逸品運動」について

2011年07月02日 | 事例の紹介

JR静岡駅から徒歩10分の立地に、呉服町名店街はあります。戦後復興期の1950年代後半には地上4階建ての共同店舗をつくり、車道・舗道ともに5m幅つまり20m道路が完成。活況を呈していました。しかし、そんな商店街にも陰がさしこみます。90年初頭までつづいたバブル景気が、一気にひえこみ始めたのです。客足は、どんどんと減り始めるという有様。しかし、そんな中にあってもお客に支持されている一軒の店がありました。それは、商店街で鞄店をいとなむ池田浩之氏の店。策をかんがていた商店街長は、どうしてか訳をたづねました。

 

すると、お客様からの苦情や要望は、すべて商品に反映する!。そんな答えが返ってきたのです。「メーカーにはお客様の要望をだす。しかし受け入れられない場合には、自分が身銭をきって独自商品をつくる。もちろん買取条件に!これが広くお客様に受け入れられたんだ!」、、、と。 これだ!と直感。そう、すべての店がこのような発想にもとづいて商品を開発したのなら、各店舗の事業はゆるぎないものとなる。そして、商店街にも活況を取りもどすことができるはず。そんな考えが頭をよりぎます。

 

そこから、話しはとんとんと進み、他では真似できない優れた商品をつくりだし、世にだす!そんなコンセプトをもった商店主仲間をあつめたそうです。これが、1992年の夏のこと。はじめ数店舗ではじめた、この会合。1年半後には70店舗以上にふくらんでいました。そして、共同開発した、それぞれの商品を掲載した「逸品チラシ」をつくり、商圏内に30万部配布したといいます。この商店街のなかには、各店舗として伊勢丹があります。この伊勢丹とも連携した共同販促も同時に実施。いっきに世に注目をあびるようになったわけです。

これが、一店逸品運動のはじまりでした。

そう、物を売るという基本。これは、商品製造のイチから終わりまでを吟味する必要があるということです。自分で使ってみるのは当たり前。お客様や、第三者にも意見をもとめるということ。当然、厳しい批判はでるでしょう。しかし、だからこそお客様の目にかなうだけの商品が完成するというわけです。

囲碁の世界では、「岡(傍)目八目(オカメハチモク)」という言葉があります。これは、人の碁を横から見ていると、打っている人より八目も先まで手が読めてしまう。つまり、第三者は当事者よりも客観的に物事が判断できるということです。

 

これは商売にも当てはまること。なにも専門家にたよらずとも、自分の商売を何人かの商店主にみてもらう。そうすれば、良い助言がえられるはずです。これが、「逸品」開発の第一歩。さらに、商店主仲間であつまって皆でワイワイガヤガヤと、プロモーションを練ればいいんですね。できれば、一般市民も加わってもらう。奇想天外な面白い発想がでないとも限らない。そんな効果があります。

 

また、逸品をつくりだすといっても、それはモノだけに限らないということ。開発した物語や、そこに溢れだす店主の理念。こんなものの逸品には不可欠なんです。そう、店のコンセプトや、店主の人柄を売ることも考えなくてはいけない。そういった、諸々のことを、辛抱つよく、地道に、さらに泥臭く、つづけていく。これが、一店逸品運動の本質ともいえるでしょう。

 

■呉服町の逸品運動、その成功のカギとは

 (1) メンバーが頻繁にあつまって、商品開発をした!

 (2) 第三者の眼で、それが逸品であるかを見極めてもらったもの。

    そのハードルを越して初めて、逸品の認定をあたえる。

 (3) プロモーションは、継続的かつ辛抱つよくおこなう。

    すぐに結果はでない。

 (4) モノを売るまえに、ヒトを売れ!

    店主の人間性をアピールすることも大事!

 (5) お客様を、ファン(応援者)にすべし!

    その仕組みを考えろ!

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