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コミュニティを意識した、あたらしい英国のスーパーマーケット、『The People’s Supermarket』

2011年05月06日 | 気になった事

 

テレビで学ぶ!

BS1 5月5日放送 『英国ブランドパワー』の第3回より

レストランのシェフ、アーサー・ポッツ・ドーソンの発案により、

昨年(2010年5月)にちょっと変わった「食品スーパー」が

オープンした。

アーサーは、あのミック・ジャガーの甥。しかも両親は

ヒッピーだったという。


場所は、ロンドン・大英博物館に近いブルームスバリーに

ある。その名も、『The People’s Supermarket』。

開店して、およそ1年。店舗は1店舗のみ。

仕組みとしては、協同組合。

だが、他とちがっていることがある。

それは、有給のスタッフがいないこと。

驚くことに、客が荷だし・レジ打ち・仕入れまでもする。

いわば、消費者・参加型スーパーといえよう。

年会費25ポンドをおさめたうえで、月4時間働けば、

すべての商品を10%引きで手に入れることができる。

スタッフ、すなわち会員になると、すぐに働くことができる

ようだ。そして、店内のシフト表の空いているところに

自分の名前を書き入れていく。


有給のスタッフがいないということは、かなりのコストダウン

ができる。ということは、通常バイヤーは常に卸先や

メーカーに対して値引き圧力をかけるわけだが、

それも不要ということだ。

参加者・会員の職業もさまざま。

雑誌記者もいれば、弁護士もいるし、年金生活者も

いる。また、場所柄、国籍もまちまち。


経営会議の中心は、このボランティア・スタッフたち。

問題点を、徹底的に討論し

納得がいくまで話しをつづける。


ポイントは、英国が社会全体を考えるような人が

増えてきたということだろう。

これ、社会的な現象となっている、「Ethics and morality

(倫理と道徳)」という考え。

英国の食品価格、これはどうも日本よりも

安いようだ。英国には大型スーパーTESCOが

おおよそ2000店舗ある。

留学生のなかには、1週間1ポンドで生活したという強者

もいるようだ。


少々高くても、意味あるモノを買う。

それは、回りまわって自分たちのためになる。

そんな意識が、社会に根付いてきたということだろう。

日本では

まだまだ、そんな考えは生まれていない。

というよりも、

ほとんどの世帯が、急激な所得の落ち込みによって

そんな事をいっていられなくなったという本当のところ。


さて、このビジネスモデルだが、

ちょっとだけ経営を分析してみることにする。

まず、

週販で、350万円という。日販では、50万円。

スーパーの平均粗利率、日本では、25%前後である。

ひとり当りの1回の購入額、2千円。点数でいえば

10点となっている。

人件費率は、売り上げに対して、10から12%。

会員数は千人。

このスーパー、おおよそ月販で1500万円位だろう。


このスーパーにも、やはり価格競争はあるだろう。

最低でも、近隣他店の価格に

あわせなくてはいけないはず。

とすれば、

利益がとれるのは、非会員のみになってくる。

かなり、ザクッとした数字だが、

非会員は500人から1000人位だろうと思う。


たぶん、利益はでないとおもわれる。

たとえ、もし出たとしても、

それで、さらに価格をさげるはずだからだ。

また、最高意思決定も、会員のよっておこなわれるわけ

だから、これは間違いなく「社会起業」といえる。


徹底した高品質化、

つまり、エコで、オーガニックで、4R(フォーアール)を

地域住民に意識させることができれば、日本において

も永続可能なビジネス・モデルにはなるとみたが、

どうだろうか。


 


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