後書きに吉永小百合さんが、湊作品について「現在と過去とがこれほど交錯する構成の作品に出たことが無い」とあった。思わずはっとした。
鋭い指摘である。
人間心理の闇を描くなんていう、私の陳腐な指摘よりはるかに的を射ている。
「過去に囚われちゃダメ、すっぱり忘れて」なんてわけにはいかないのが人間の脳の仕組みである。
湊作品はそれを逆手にとって、過去から現在の境目を巧緻に隠して、人の心の深層に迫ってゆく。
私自身の脳裏に常に過去と決別したい明日がある。
それを迎えるためには、決別すべき過去を丁寧に推理していく必要があるとしみじみ思った。
読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️
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