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【アイヌの美】展示紹介(1)「まかなう」(十勝毎日新聞)

2009-09-22 16:15:00 | 催し物の記事
【アイヌの美】展示紹介(1)「まかなう」
2009年09月22日 16時15分
 道立帯広美術館(帯広市緑ケ丘2)で開催中のアイヌ工芸品展「アイヌの美〜カムイと創造する世界〜」(アイヌ文化振興・研究推進機構、十勝毎日新聞社など主催)。ロシア・サンクトペテルブルク市のロシア民族学博物館が所蔵する着物や民具などを、「まかなう」「まとう」「いのる」の3つのテーマに分けて展示している。また、帯広百年記念館(同)では連動企画として、アイヌ絵展「描かれたアイヌの世界」が開かれている。両館での展示概要をテーマごとに紹介する。
(丹羽恭太)
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柄一面に彫刻が施されたしゃくし
繊細な彫刻にアイヌの世界観
 ロシア民族学博物館が所蔵する約2600点のアイヌ民族資料の中から、厳選した215点を展示している。展示品は、およそ100年前にサハリンと日高管内平取町で採集された物がメーン。




 「まかなう」では食器やかばん、小刀、キセルなどの日用品71点を展示。中でもわんや皿、はし、さじなど食に関係する道具が充実している。多くは木製品で、大半は繊細な彫刻が施されている。日々の暮らしの中で使用する道具を美しく装飾したところに、すべてのものに神(カムイ)が宿ると考えるアイヌの世界観や、アイヌ民族の美意識の高さが見て取れる。

 採集地ごとに道具の形状、彫刻の文様などに傾向があるところにも注目したい。例えばサハリンアイヌが3次元的な文様を多く使うのに対し、北海道アイヌの彫刻には平面上での細やかさに特徴がある。いずれにしても丁寧なひと彫りひと彫りが、大量生産・大量消費時代には希薄になりがちな精神的豊かさを感じさせる。




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