アイヌ民族関連報道クリップ

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旭川龍谷高校(旭川市) 郷土部(朝日新聞)

2014-11-11 00:00:00 | 催し物の記事
火曜「学ぶ」【うちら文化部】
旭川龍谷高校(旭川市) 郷土部
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写真:9月に開かれた「こたんまつり」のアイヌの儀式に、4人の部員も民族衣装を着て参加した=旭川市神居町
拡大9月に開かれた「こたんまつり」のアイヌの儀式に、4人の部員も民族衣装を着て参加した=旭川市神居町
写真:長年、郷土部に協力してきた杉村フサさん(手前)の話を聞く部員たち=旭川市
拡大長年、郷土部に協力してきた杉村フサさん(手前)の話を聞く部員たち=旭川市
■アイヌ文化、体験通し学ぶ

 学校創立と同じ1958年に創部。最初は考古学ブームを背景に発掘調査などをしたが、67年、北海道開拓100年を前に「開拓者の歴史が注目される一方で、アイヌの歴史が置き去りにされるのでは」と、アイヌの歴史と文化を記憶に残す取り組みを始め、以後「上川アイヌの研究」を続けてきた。道内の同様の部の中でも異色の存在だ。

 他校にも郷土と名の付く部はあるが、和太鼓など郷土芸能が多い。郷土史研究を柱に据えているのは道内で他に3、4校で、アイヌ文化を研究しているのは龍谷だけだという。

 部員は2年生の4人だけ。昨年度は3人だったが、4月に聖歌隊かけもちで塩田唯人君が加わった。部OBでもある顧問の本間愛之教諭は「常に存続の危機です」と笑う。

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 体験学習に力を置き、アイヌの衣装を着て儀式に参加したり、伝統的な住居チセの修復作業を手伝ったりする。毎年、古式舞踊、子供の遊び、丸木舟作りなどテーマを決めて活動してきた。今年は「アイヌの有用植物・薬効」がテーマだ。

 アイヌ文化には地域ごとに独自色があるが、「上川アイヌの毒矢は道内一と言われている」と本間教諭。これに注目し、アイヌの人々が毒や薬に使ってきた植物の研究を始めた。

 例えば、コウライテンナンショウ(別名マムシ草、アイヌ語でラウラウ)の根は、毒のある中心部を除けば食べられるという。

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 8日、本間教諭と若井あすか部長、森田亮太君、藤井嘉一君が旭川市の川村カ子(ネ)トアイヌ記念館を訪れ、近くに住む杉村フサさん(85)と川村兼一館長に話を聞いた。取ってきた根を見せ、若井部長が「ラウラウを食べたことは?」と聞くと、杉村さんは「ない」と即答。「親の言いつけで危ないものは口にしなかった」。川村館長も「山の中に426種も食べるものがあるのに、わざわざ危険なものは食べないよ」と笑った。

 オオウバユリ(アイヌ語でトゥレプ)をたくさん取ってきて干し、団子などにして冬の間も食べたこと、下痢止めにキハダ(同シコロ)の皮をかじったこと、クマのたんのうが最高の胃薬で、クマが捕れなくなり豚で代用したこと……。アイヌ民族の2人の話を、部員は熱心にメモした。

 こうして集めた研究成果は、冊子やパソコンのプレゼンテーション資料にまとめ、今月末の北海道高校文化連盟の全道郷土研究発表大会で披露する。

 若井さんは「他ではできない貴重な体験ができるのが魅力。一つ一つのものに神が宿るというアイヌの考え方から、周りの全てに感謝することを教えてもらった」と話した。

 (渕沢貴子)

 《がっこうじまん》

■旭川龍谷高校

 道内初の私立の普通科共学校。創設者は浄土真宗本願寺派の僧侶で、全国に27ある龍谷総合学園グループの一つ。校訓は「慈光照曜(じこうしょうよう)」。仏様の教えを仰ぎ、清く正しく明るく美しくあれ、という意味だ。カリキュラムの中にも「宗教」の時間がある。

 修学旅行は創設者の出身地である米国のハワイなど海外2カ所、国内1カ所から生徒が自由に選べる。

 部活動が盛んで、特に野球部は、甲子園大会に春2回、夏6回出場している。柔道部、陸上部、書道部など、ほかにも全国大会で活躍している部が多い。

http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20141111010490002.html


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