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アイヌ文化伝承へ資格者急増(十勝毎日新聞社)

2012-05-26 14:10:00 | アイヌ民族関連
アイヌ文化伝承へ資格者急増
2012年05月26日 14時10分
 アイヌ古式舞踊の伝承グループ「帯広カムイトウウポポ保存会」(酒井奈々子会長)の20〜30代の若手会員10人が今年度、アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)のアイヌ文化活動アドバイザーの資格を新たに取得した。同保存会には、既に酒井会長のほか4人のアドバイザーがおり、一気に15人に増えた。同会はアイヌ文化の次世代の担い手に期待するとともに、地元で伝承活動の依頼が増えることを願っている。

新たにアドバイザーの資格を取得したメンバー(前列)とともに並ぶ、帯広カムイトウウポポ保存会の会員
 アドバイザーは、アイヌ文化の専門的な知識や技術、経験を持つ人に同機構が委嘱、地域の行事や教育現場などの要請に応じて派遣され、踊りや刺しゅうなどのアイヌ文化を教えたり、講演の講師を務める。

 新規の10人は、いずれも舞踊やムックリ(口琴)など器楽演奏の分野で取得した。弓の舞など男性の踊りを堂々とした動作で披露する、酒井会長の長男学さん(34)は、「ゆくゆくはアイヌ界の『学』といわれるぐらいの踊りを目指す」と発奮する。妻の真理さん(30)は、「私たちが子供の頃にあった嫌がらせや差別を気にせず、息子たちが踊れるような環境をつくりたい」と、双子の心君、礼君を思いやる。

 斉藤幸生さん(34)は「当初は、職場に踊りをやっていると言えなかった。まだまだアイヌ文化への社会の理解は浅いと思うので、広げていきたい」と話す。長岡小百合さん(30)は「アイヌ語も踊りもまだまだ覚えることはいっぱいある」と意欲を見せる。

 同保存会は昨年、小学生以下の子供部会が発足。祖父母や親に連れられ、子供も真剣に踊りを学んでいる。家族ぐるみで、入会した竹山順一さん(29)は「自分の子供も好きでやり続けるようになってほしい」、姉の美奈さんも「歌と踊りを取ったら生きがいがなくなる。アイヌ民族伝統の歌と踊りを引き継いでいきたい」という。

 酒井会長は「私たちが代々、偉大なフチ(女性の尊称)たちから文化を引き継いだように、若者たちにも引き継ぎ、十勝にアイヌ文化を根付かせていきたい」と話している。

 この他の新規アドバイザーは次の通り。(敬称略)
荒田文恵、吉根とみ子、酒井真由美、荒田裕樹

帯広カムイトウウポポ保存会
 伏古コタン(現在の帯広市西15〜17北1以北の地域)出身のアイヌ女性が中心となって1964年に設立。道内で最も活動の歴史が古い。84年、国の重要無形民俗文化財指定。2009年、ユネスコ無形文化遺産にアイヌ古式舞踊が登録された。現在、33人の大人と11人の子供で活動する。

http://www.tokachi.co.jp/news/201205/20120526-0012655.php


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