愛知HAPPY★あいちハッピー/榊せんせの君子生活

化学を修めた君子。電池、下水浄化、うがいと手洗い、石鹸やコスメの手作り、ハーブ、香りの化学。金欠病の克服、貧乏ライフ。

連載小説6

2005年07月02日 | 詩人
「どこかできいた未来」最終話
星新一を読んで

⑦最終章
ある、役所で働くエリートの会話。
「今日も異常なし。危険思想者の発生防止は単調な仕事ですね」
「そうだな。しかし社会の安定恒常化のために一番大切な仕事だ」
「わかってます。このシステムが完成する時代には危険思想者の発生割合は1
%もあったそうですよ。」
「そうだな。現在の100倍の危険さだ。信じられない無防備な時代だったわけだな。」
「そうですね。」
「先日の危険思想調査で社会安定化基盤整備研究所に寄せられたアンケートの件はどうなった?」
「はい、あのケースは、『新規社会投資への効率算定計算技術による社会安定化サービスワーカーの減員』という思想がアンケートの回答にありました。」
「そうか。一番危険な思想の一つだな」
「同感です。その後、連絡しておいた、防犯課から、矯正処理が終わったと報告がありました。」
「それは、よかった。さあ、仕事はこのぐらいで、あとは街へ女でも相手にしにいくか?」
「よろこんで」




連載小説5

2005年07月01日 | 詩人
「どこかできいた未来」第五話
星新一を読んで

⑥リハビリ
医師の指示により、記憶喪失薬と催眠療法を受け、エヌ氏は元の平凡な一般市民にもどった。ただ、保護観察期間なので、新しい日課にクリニックへ定期的に通う必要があった。医師は
「食事宅配センターには私が連絡しておきました。他には浄水器も新型のものに取り替えておきました。」
「エヌさん、あなたにとって一番、幸せな生き方は
何も考えないことです。これを忘れないでください。」