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化学を修めた君子。電池、下水浄化、うがいと手洗い、石鹸やコスメの手作り、ハーブ、香りの化学。金欠病の克服、貧乏ライフ。

観察が出発点 大隅良典ノーベル賞研究

2016年10月04日 | 2016-03
観察が出発点、ってことを仰っているらしい。

不肖わたしも観察をしていたのだが出発できなかった。
結晶内部が壊れずに表面だけが伝導性をもつ現象を掴めなかった。
弱い部分があるという認識はしていたが、結晶表面の部分の観察や考察に欠けていたんだろう。
観察が出発点なのは同意できるが、見えるものからなにを「見る」か、
そこから正しい考察をするには、それなりにセンスが必要になる。

http://www.titech.ac.jp/research/stories/ohsumi.html


ノーベル賞、日本の研究ってすごいねえ。
スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル医学生理学賞を東京工業大栄誉教授の大隅良典氏(71)に授与すると発表した。大隅氏は生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる現象を分子レベルで解明。この働きに不可欠な遺伝子を酵母で特定し、生命活動を支える最も基本的な仕組みを明らかにした。近年、オートファジーがヒトのがんや老化の抑制にも関係していることが判明しており、疾患の原因解明や治療などの医学的な研究につなげた功績が高く評価された。


強誘電体メモリ向けの強誘電体SBTの結晶を観察していたい学生時代。

SBTの結晶とフルオライトという微結晶部分と三重点の粒子界面析出物を観察していた。


絶縁性の高いSBTだが、焼成温度や条件によっては膜としての絶縁性が崩れることがあった。
それを
微結晶部や粒子界面の析出物による伝導性ととらえていた。

しかしその後の研究の流れでは
絶縁性のSBTが結晶はほぼ変わっていないこと。
SBT自体の絶縁性は保たれていること。
に注目して、

SBTの結晶表面が伝導性になった状態として
2007年にトポロジカル絶縁体として確認されている。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E7%B5%B6%E7%B8%81%E4%BD%93


http://www.tel.co.jp/museum/magazine/material/150327_crosstalk01/02.html

トポロジカル絶縁体は、
電気を通さない結晶と電気を通す結晶表面という特性を使って
スピン制御型デバイスに応用が期待されている。

たまたま絶縁性と強誘電性しか利用しない私の学生研究だったので、

トポロジカルな視点などまったくなかった。
新しい物理現象に対する評価が適切でなかった。

結晶表面の観察だけでもしっかりしておけば、よかったと今だに悔やんでしまう。


観察が研究の出発点というノーベル賞大隅先生の言葉から思い出したことです。



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