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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

映画 マイ・ダディ

2021年09月30日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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金井純一監督&ムロ・ツヨシさんが初主演したヒューマンドラマ「マイ・ダディ」を鑑賞

僕の好きな俳優の一人、ムロ・ツヨシさんが初主演した今回の作品、テレビの初耳学でのインタビューを観て知り楽しみに鑑賞しました。

物語の主人公は牧師の御堂一男、8年前に妻を亡くし中学生の娘ひかりと二人暮らし。ガソリンスタンドのアルバイトをしながらの貧しい暮らしですが、教会を訪れる人々や最愛の娘と幸せな生活を送ってます。そんな生活の中突然娘が白血病を発症します。さらに適合手術のために受けた検査で二人の間に親子関係がないことを知らされます。最愛の亡き妻への不信感を持ちながらも、一男は娘のドナーを見つけるために本当の父親を探します。

前半は二つのストーリーが同時進行で進む感じですが、実は過去と現在がリンクする形となっていることにやがて気づきます。その過去が出生の秘密となっているのですが、少し時間のズレが生じていることに突っ込みを入れたい方もいるかと思いますが、今回のムロ演じる主人公が牧師であり、それぞれの愛がテーマとなっているので、そこは差し引いてください。

娘の病によって、男女の愛、家族愛、隣人の愛と愛がいっぱい詰まっていてとても温かい気持ちになります。そしてムロ演じる一男の愛が涙を誘います。体罰、イジメ、虐待など愛を感じない事件が多発している昨今、この映画を通じて愛の大切さを感じてほしいです。


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映画 空白

2021年09月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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古田新太主演、松坂桃李共演でヒメアノ〜ルの作品が印象に残る吉田恵輔監督のヒューマンサスペンス映画「空白」を鑑賞

物語は、古田新太演じる気性が荒く中学生の一人娘と暮らすシングルファーザーの漁師が、スーパーで万引きをし逃げ出した娘を松坂桃李演じる店長が追いかけたことで車で轢かれ事故死に。娘の無実を信じて疑わない父は、事故の発端となった店長の執拗に追い込みます。さらにマスコミも彼の行動を追いかけることで事件は町全体に広がることとなり、被害者と加害者双方への嫌がらせが広がっていきます。

コミカル演技や舞台役者として活躍する古田にとって、シリアスな役柄は初めてで当初はあまり乗り気ではなかったそうですが、吉田監督や新聞記者や宮本から君への企画で知られる河村光庸の強いオファーで実現、悔悟の念を持ちながら怒りの矛先を他人に向ける父の迫真の演技が秀逸です。また近年、様々な役柄を演じている松坂桃李も、人間の持つ二面性をうまく演じていて古田と動と松坂の静がうまく絡んでいました。また、事故の関係者や二人と関わる人々の心理描写も作品のアクセントしてうまく生かされています。

事故に関係した人々は被害者の父の行動に翻弄され追い込まれて絶望的な状況が続いていきますが、後半で、ある事を境にかすかな光が見いだされます。

今回の作品は吉田恵輔監督のオリジナル作品として代表作となることは間違いない、とても印象に残る映画でした。


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映画 レミニセンス

2021年09月26日 | 【映画・ドラマ・演劇】

今回はヒュー・ジャックマン主演のSFサスペンス映画「レミニセンス」を観てきましたのでご紹介します。

舞台は温暖化の影響で多くの都市が水に覆われた近未来都市。ヒュージャックマン扮するニックは記憶潜入=レミ二センス装置でクライアントの幸せな記憶を蘇らせる仕事をアシスタントのエミリーと共に行ってます。

ある日、検察から瀕死の重傷を負った新興の麻薬組織の一員の記憶に潜入し組織の実態を暴いてほしいと依頼を受けます。彼の記憶を辿るうちにクライアントでニックと恋仲になり突然行方不明となったメイが組織と関わっていることを知ります。

事件の真相を自らが装置の中に入り、メイの過去を辿りながら組織との関係を突き止めようとするニック。仕事そっちのけでメイの行方を追う恋患いにも似たニックの心理描写を利用しながら組織の解明と陰謀を暴いていく内容ですが、前評判では、過去と現在、そして未来がレミニセンスによる観る人が騙される超大作の触れ込みでしたが、筋道をちゃんと辿っていくと事件の真相が明確になるシンプルな内容に思いました。

ラストでは女性監督らしいラブロマンスな結末となっていますが、視点を変えると内容的にはもっと濃い内容に収まるのかと思います。今回の作品は恋に溺れた男が装置を使って執拗に女を探し求める執着心あってのドラマ展開です。大抵の男は恋は成就せずですが果たしてニックの結末はいかに。


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ジブリの大博覧会 愛知県美術館

2021年09月22日 | 【美術鑑賞・イベント】
いよいよ9月23日に会期終了となる「ジブリの大博覧会」にコロナ禍でのイベント開催の状況を観察しつつ愛知県美術館に行ってきました。

愛知には長久手の万博記念公園内にジブリの人気スポット「さつきとメイの家」があります。予約制のスポットはアニメの世界観を忠実に再現されていて連日に子供連れの家族やジブリファンで賑わっています。

2015年に愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で開催され大きな反響を呼んだ「ジブリの大博覧会」は、魅力的な展示を加えバージョンアップしながら、5年間で国内全11ヵ所の巡回を好評のうちに終えました。今回の博覧会は、すべての展示物が勢ぞろいし完結となります。

その展示は大博覧会の名にふさわしい内容で来年開園予定の「ジブリパーク」に向け、スタジオジブリ誕生から約35年の歩みを映画公開当時のポスターやグッズ、広告宣伝物、未公開とされた原画など豊富な資料で振り返っています。さほど、スタジオジブリ作品を観てない僕でしたが、原画や立体造形物には美術ファンの一人として目に見張るものがあり、大人も子供も楽しめる内容でした。

最後に、愛知県美術館所蔵の美術工芸作品をスタジオジブリのキャラクターに関連付けた展示や「ジブリパーク」の全貌も紹介されており、ファンならずとも「ジブリパーク」の開園が楽しみなりました。

今回の展示もそうですが、コロナ禍において検温、マスクの着用などが徹底され、入場時の混雑緩和に会場でのチケット購入をせず、密にならないよう予約制にするなど徹底した感染対策を施していました。サイト上では運営スタッフ1名の感染者が出たそうですが、別紙報告にある通り更に感染対策を施して運営されていることが伺えます。

メディアでは、自粛状況における外出する方が悪のような報道がなされていますが果たしてそうでしょうか。感染対策の対策の意識が高い方たちがルールを守りコロナ禍でも文化を楽しむ。殺伐した世の中になりつつある現在、主催者側の意識と参加する側の意識の高いイベントは実施いくことは大切なことではないかと思います。

コロナに怯えることよりもコロナと共存しながら日常生活をどのように進めていくか、次の段階に進む時期に来ているのではないでしょうか。


映画 野球少女

2021年09月09日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はプロ野球を夢見る高校生女子野球選手の軌跡を描いた韓国映画「野球少女」です。今回Netflixで視聴できるようになったので鑑賞しました。

 

梨泰院クラスでマイノリティの居酒屋スタッフを演じたイ・ジュヨン主演の本作、今回はプロ野球を夢見る女子高生野球選手役で登場し、チームメートには、「サイコだけど大丈夫」や「ヴィンチェンツォ」にも出演したイ・ジョンホ、彼女を支えるコーチ役にチェ・ジンテなど、選りすぐりのバイプレイヤーが出演しています。

物語は、天才少女と言われた高校野球女子のチュ・スイン、130キロ台の速球を武器に特例で高校野球チームの一員として活躍、幼なじみでチームメートのドンヨンと共にドラフト指名を待っていたのですが、ドンヨンは指名され彼女は指名から漏れます。

プロ野球選手を目指し野球を続けてきたスインは納得できずトライアウトを受けようとしますが、女性であることを理由に門前払い、150キロ台の速球を投げれないならプロでは通用しないと宣告されます。留年覚悟で野球部に残り投球練習に励む彼女にプロになれなかったジュニョクがコーチとして赴任してきます。スインにプロを目指すことを諦めさせようとしますが、彼女の熱意に打たれたジュニョクは、彼女に秘策としてあるボールを教えます。コーチとドンヨンの助けを受けスヨンは再びトライアウトに挑みます。

日本では女子野球チームが誕生し、高校女子野球の甲子園決勝戦が開催されるなど女子野球の存在がクローズアップされつつありますが、男子と交じり野球をすることはリトルリーグまで。水島新司原作の水原勇気が漫画で登場するくらいで、女子が男子と一緒にプレーすることは夢のまた夢でしょう。

しかし、この映画はひょっとして女子プロ野球選手誕生を野球通なら可能にさせるリアルな手法が描かれています。また、チームスポーツにおける男女共存の難しさと韓国社会を背景にした男女平等に与えられていないチャンスを呈示しています。このことは日本社会でも通じることですが、ふと思ったのは唯一パラリンピックでの車イスラグビーでの女子選手の出場で不可能ではないと思いました。

ラストでスヨンは、自らの主張を通してそのことを訴えています。果たして彼女の夢は叶うのか、その結果は皆さんの目で確かめてください。


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映画 オールド

2021年09月08日 | 【映画・ドラマ・演劇】

今回はM・ナイト・シャマラン監督の最新作「オールド」を観てきましたのでご紹介します。

ブルース・ウイルス主演のシックスセンス、アンブレイカブル、近作ではスプリットなどの作品で知られるスリラー界の巨匠でハルキストならぬ自称シャマラニストを名乗るほどファンも多いシャマラン監督ですが、一時は低迷期もあり時に裏切り、絶望させることも多いのですが、今回はかなりの秀作です。

インターネットで格安で手に入れた旅行で訪れた姉弟の4人家族。リゾートホテルで紹介された未開のビーチを訪れた家族には不幸に見舞われます。そのビーチは何と一日で一生の時間を終えてしまう恐怖のビーチだったです。急激に年老いていく謎のビーチに取り残された人々は、他に妻と娘を持つ医師にその母に一足先にビーチに訪れていたミューシャンの男と看護師と精神科医のカップルで人々は、時間の経過が早いビーチから脱出しようと策を講じます。

ビーチでは時間経過の速さの原因がシャマラン監督得意の超常現象で語られるのですが、人々の年老いていく様が未来の設定をもとに逆算して作られていて僕はおもしろいと思いました。また、後にわかる脱出方法やリゾートホテルでのウエルカムドリンクなど、様々な要因が加味されて結末へと進んでいきます。

シャマラン作品は、評価が極端に分かれたりします。今回の作品も評価が分かれる作品だったようです。ただ、シャマラン作品は超常現象にスポットを当てた作品が多いので理論上で語るのには無理があります。ただし、作品に散りばめられた点を紡ぐように線で結んでいくとけっこう辻褄が合います。

今回の作品は、時間の経過が早いビーチでの出来事にこだわることよりも、ラストに視点をおくと全てが結末と結びつき、そこに集約されていきます。僕は、シャマラン監督結末へのトリックの巧みで上位にランクするかなと思っています。


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モンドリアン展 豊田市美術館

2021年09月02日 | 【美術鑑賞・イベント】
 
豊田市美術館で開催中の「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」を鑑賞してきました。今回の展覧会は、デン・ハーグ美術館所蔵の作品50点と国内外の所蔵品20点から構成され、初期の風景画作品からキュビスムに影響を受けた作品、そして幾何学的な文様と色彩で構成された独自の抽象画などモンドリアンの画業の変遷を垣間見ることができる、まさにモンドリアンの全貌を知ることができる展覧会となっています。
 
モンドリアンはピート・モンドリアンまたはピエト・モンドリアンで1872年オランダで生まれ、写実的な描いたバルビゾン派の影響を受けたオランダ・ハーグの画家であった叔父の影響を受けて育ち美術アカデミー終了後には印象派や象徴主義、、抽象画へと移行する転換期となったキュビスムへと変化し1944年72歳でその生涯を終えています。一般的には没後20年後にイブ・サンロ―ランがモンドリアンの抽象作品をドレスに取り入れたモンドリアンルックで広くその名が知られるようになりました。
 
初期の風景作品にはやはりハーグ派の影響を受けた自然主義的な作品が多く、バルビゾン派の写実的な作風とは異なり具象的な作品が目立ちます。その作風はピカソが意図的に変化させてきたのとは違い、当時の流行を敏感に察知し取り入れながらモンドリアンの代表的な作品となった幾何学的な抽象画であるコンポジションシリーズを確立していったことが理解できます。
 
今回の純粋な絵画をもとめてのテーマは、自然を愛し感動しモンドリアンが美術史における絵画技法を変遷の中で辿り着いた自然を抽象化することで新しい絵画技法にたどり着いたことを意味します。今回の展覧会はそのことを強く物語る展覧会となっています。会期は9月20日までモンドリアンの絵画への純粋な姿勢を感じて観てください。