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棟方志功の世界 東別院会館

先日、東海地方のニュースで知った「棟方志功の世界ー志功の倭絵と板画の菩薩ー」を観に東別院会館に出かけてきました。

棟方志功は、日本人なら知らない人はいない芸術家の一人でしょう。牛乳瓶の底のような分厚い眼鏡から板を摺りつくように彫刻刀をふるい削る。その姿は一度は目にしたことと思います。また、江戸時代の浮世絵版画と共に木版画と言えば棟方志功を想像する人も多いと思います。

俺は日本のゴッホになるとの言葉通り、異能の画家として生きた棟方。今回の展覧会は、彼を世に導き出した民藝運動の先達により、影響を受けた浄土真宗の他力本願の思想により開花した芸術の一端を所縁の寺に所蔵された、肉筆画や書を中心に特別公開されています。

今回の展覧の中心となるのは、尾張真宗寺院の西方寺所蔵の作品で構成され、志功自らが絵画作品を倭絵と称した襖絵を中心に、自らが板画と称した木版画作品作品が展示されています。どの作品も棟方の作品の特徴が際立つ見事な作品で、保存状態も極めて良好な作品でした。

特筆すべき作品は仏教思想を独自の解釈で10枚の襖絵に書と絵を組み合わせた「五智菩薩図」や海中に静かに佇む貝の様々な姿を描いた「御貝図」や画面を突き抜けるようにダイナミックに青松を描いた「御松図」など、志功の個性豊かで力強い作品が並びます。また、志功を世界的に脚光を浴びるきっかけとなった、二菩薩釈迦十大弟子も展示されています。

他にも個性的な書作品、掛軸などの倭画作品なども展示され、6月30日までの限定公開となる「灼天妙微笑韻歎異領尊図」朱に染まる菩薩の姿が印象的な掛軸作品です。

本展は、7月12日まで東別院会館1階楓にて、無料で公開されています。ぜひ、この機会に東海所縁の棟方志功の名品の数々を観賞してみてはどうでしょうか。


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