
先日、岐阜県美術館で開催中の小さな藤田嗣治展を観賞しました。
小さなと言う言葉通り、今回の展覧会はミニアチュール(小品)を中心に女性や子供、猫などを100点を超える作品が並ぶ会場となっています。
乳白色の画面に細い線描の裸婦像で人気を博した藤田嗣治。今回11月14日から小栗康平監督、オダギリ・ジョー主演で彼の半生を描いた映画が公開されます。藤田の人生は映画の主題になるように波乱に満ちた半生をおくっています。
戦前はパリに渡り、エコール・ド・パリの画家として活躍。その活躍は日本でも広く知られ日本洋画壇の中心的な存在となり、戦後は、戦争中に描いた戦争記録画により、追われるように国外へ再びフランスに戻り、クリスチャンの洗礼を受けフランスに帰化しました。
今回の展覧会は、彼がレオナール・フジタとして彼が愛した妻や猫。こどもなどを主題にしたプライベートな作品ながら、藤田の生き生きとした画風が感じられる作品が並んでいます。
展覧会というと大作が並ぶイメージの多い中で、今回の展覧会は、小さな世界に藤田の情熱と愛情を十人分に堪能できました。あなたも藤田のあふれるような愛情を小さな世界に感じてみてはどうでしょう。