映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、クリスチャン・ディオールの全面協力で実現したドキュメンタリ―作品「ディオールと私」です。
近年ファッションをテーマにしたドキュメンタリー作品が数多く上映されています。21世紀に入り20世紀をひとつの区切りにしてファッションに時代の変化が訪れているのか、その象徴としてのブランドやファッションアイコンを取り上げた作品が生まれています。
今回の作品は、20世紀のファッションブランドの象徴とも言うべきクリスチャン・ディオールの全面協力を得て、サロンの内側に潜入。新しいデザイナーを迎えオートクチュール発表までの8週間を追った初のドキュメンタリーです。
ジル・サンダーのメンズ部門のデザイナーだったラフ・シモンズを迎えた2012年。オートクチュール未経験のメンズデザイナーを抜擢したことでファッション業界が驚愕する中で、従来の手法とは異なるラフ・シモンズのデザインは、ディオールの御針子たちはにとってもすべてが初挑戦。再考を重ね、試作を繰り返していく過程とショーを通じての結実は、ファッションに興味がない人でも深い感動を覚えることと思います。
クリスチャン・ディオールを敬愛しながら、ディオールに新しい血を注ごうとするラフ・シモンズと誇り高きファクトリーの御針子たちの熱情がスクリーンに美しくにじみ出るブランドの魂があふれ出る作品でした。