錦戸亮主演、豪華な名俳優陣による吉田大八監督作品の「羊の木」を観賞
公開前からかなり話題となっていた本作。僕たち世代にはギャグマンガ「ガキでか」の山上たつひこの原作ながら、この作品は、ほぼオリジナル作品といって良いと思います。
ずいぶん前から漫画離れしている僕にとって、原作を知らぬまま観賞しましたが、原作の内容を調べてみて、社会派ミステリー漫画として、原作の方に興味が湧きました。
物語は、過疎の町、魚深町の市役所職員の錦戸演じる月末は、上司から新しく入居する6人のお迎えを指示されます。実は彼らは、政府の政策により受け入れた元殺人犯の受刑者。6人の受刑者の過去が少しずつ明らかになりラストで衝撃的な事件が起こるというう内容です。
6人の受刑者の中心人物が、松田龍平演じる宮越。月末の元恋人を巻き込んで展開されますが、個人的にはもっとも印象的だった受刑者役の優香と北村一輝をのぞけば、事件の部外者的な存在で、この作品の必然性をあまり感じません。飽きない内容ではあるけれど、どこか曖昧さが残る内容でした。唯一この作品の持ち味は、原作とは違う人間ドラマに重きを置いている点では思います。
アンバランスなパッチワーク作品って感じです。異なる布裂を継ぎ合せて一つの作品として完成するパッチワーク作品も、俳優陣の異なる個性が解け溶け込むことなく不完全なまま終わった、そんな違和感を持ちました。
加えれば、ぜひ原作に忠実な連続ドラマが出来たら、ぜひ見てみたいです。