映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、モードの帝王の真実に迫る作品「サンローラン」です。
イヴ・サンローランは、誰もが認める20世紀最大のデザイナー。僕のブログでも、彼を取り上げたドキュメント作品と前作のイヴ・サンローランを紹介してますのが、彼の生涯を映像化した作品が三本あるだけでも、彼が、いかにモードの世界に影響を与えたかが理解できると思います。
僕もファッションの世界で、一番衝撃的な存在だったのがイヴ・サンローランです。彼の存在は、ファッションのみならず、様々世界で影響力を持ってました。
今回の映画は、サンローランの栄光と挫折の10年間を描いてます。口コミでは、サンローランの衝撃の秘密が明らかにとの触れ込みでしたが、内容は、モードの帝王として君臨しながらも、酒と恋人ジャックにおぼれ、スランプに陥るサンローランの姿を退廃的な美として描いてます。
ゲイだったサンローランには、二人の愛人がいて、彼の財産を生涯管理していたベルジェの存在がないがしろに描かれているので、ベルジェ自身がこの映画を認めないのもわかります。
個人的には前作のイヴ・サンローランが、彼の実像を詳細に描き、天才デザイナーの苦悩が痛いほど感じました。今回の作品は、フランスを代表する人気俳優が顔を揃え、華やかさはあるものの、サンローランが陥ったスランプの原因が監督の主観のように思えて、ラストも曖昧な仕上がりに感じました。
イヴ・サンローランの実像を知るには、前作の伝記映画「イヴ・サンローラン」がオススメです。