昨日は、映画「一命」を3Dで観てきました。
日曜日のレイトショーで、鑑賞者は、茶々丸オヤジだけです。この状況に贅沢と一抹の不安を抱きつつ観賞。以前は、苦手の3Dメガネも、今は購入でメガネにつけるクリップ式300円を購入して付け応えはいいです。
先ずは、息子夫婦とその子どもを失った父・市川海老蔵演じる津雲半四郎が大名屋敷に切腹を申し出に来るところから始まります。家老は、半年前に切腹を申し出た、若い浪人の話をはじめます。
瑛太演じる若い浪人・求女の切腹シーンにいたる場面が続きます。しかも、手にもった刀は竹光でした。狂言切腹の見せしめとして、竹光で切腹を迫られ、子どもの命を助けるための3両のお金と引き換えに、覚悟を決めた男の壮絶な切腹シーンは、地の底から湧き上がる気迫がにじみ出て、息を呑むシーンでした。
その後、美しい日本の四季と半四郎と求女の貧しい浪人の生活が続き、結末は、半四郎のあだ討ちへと続きます。
瑛太と海老蔵、そして、求女の妻であり、半四郎の娘・満島ひかり演じる・美穂の年の差が近いせいか、海老蔵の節回しと、その若さが気になり、どうも違和感を持ちました。
最後に至る、意味合いは原作と脚本のすばらしさを感じ、作品としては見ごたえ十分です。
家老役の役所広司にも、悪役としての違和感があり、むしろ、半四郎役が彼なら、もっと濃密な出来になっていたのではと思います。僕も好きな三池監督なので、今回のキャスティングは、どうしてと聞いてみたいです。
竹光で、自らの命をもって愛する命を守ろうとする武士、竹光で一人の命も奪わず戦い、愛する者の無念を晴らそうとする武士。二人の武士がとった行動は、たんなる武士道の世界だけでは語れない、一つの命の尊さを静かに語っていました。