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映画 少年の君

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アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作品の中国・香港合作映画「少年の君」を観てきました。

はじめに断っておきますが、中国に対する風当たりが厳しい社会状況ですので、この作品を歪曲して捉える方もいるかと思います。しかしながら、この作品はかなりの高評価をもって受け止めている映画ファンも多く、偏見なく見てほしいです。

舞台は、受験戦争真っ只中のエリート校。高校3生の少女がいじめを苦に校内で飛び降り自殺します。クラスメートのチェン・ニェンは、好奇の目が注がれる彼女に遺体に自分の上着をかけたことをきっかけに、いじめのターゲットになってしまいます。執拗ないじめは、学校外にも及ぶ中、偶然出会ったストリートで生きる不良少年シャオベイを助けたことで、シャオペイは彼女のボディーガードとなり、親しくなり彼の家で受験勉強に励むようになります。そんな中で、ある事件が起こりシャオペイに容疑がかかります。

エリート校に通うチェン・ニェンは、いかがわしい化粧品を出稼ぎで販売し借金をしながら生計をたてる母親と二人暮らし。シャオペイは幼い頃に母親と生き別れストリートチルドレンとして生きる不良少年、生活環境も違う二人が心を通わせながら過ごす純愛の世界が淡々と描かれていて哀しく切ないシーンが心を打ちます。また、いじめのターゲットにされながらも、自殺したクラスメートを救えなかったことで立ち向かう少女の姿と自らの立場を考えて陰のように寄り添う少年の行動に涙が止まりません。後半にサスペンス仕立ての結末にも、本作が事実に基づいた作品であることに驚き、作品の質の高さを感じました。

主役の女子高生を演じたチョウ・ドンユイは当時20代後半、あどけなさが残る彼女の容姿に加え純粋無垢な少女の演技には驚きを隠せません。また中国のアイドルグループのメンバーでもある少年役のイー・ヤンチェンシーも子役からの俳優歴も長く難しい役柄を見事に演じています。「君は世界を守れ、僕は君を守る」のセリフが今も胸に残り続けています。

少女と少年の孤独な魂が深い愛で結ばれた瞬間を感じ取ってください。きっとあなたも涙なしでは観れないと思います。


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