映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、園子温監督によるベストセラー漫画の実写化作品「新宿スワン」です。
近年、意欲的に作品を増産している園子温監督。その行動には賛否両論がありますが、監督自身が嫌う固定化した監督像によるもので、僕自身も、監督の行動と表現の幅広さには共感します。中でも、娯楽映画での取り組みは顕著で、日本映画の興行にも一役買っており、作品ごとの手法が多彩で面白いと感じています。
今回の新宿スワンも、若手俳優の監督に対する人気も強く、そうした背景で完成した作品です。主演の新米スカウト龍彦には、綾野剛が、先輩ホストで龍彦が慕う真虎に伊勢谷友介、龍彦に敵対する秀吉には山田孝之とこの三人が揃っただけでも魅力的ですが、さらに沢尻エリカ、金子ノブアキ、吉田鋼太郎と豪華な顔ぶれが、新宿と言う特別な場を舞台に生々しく、エネルギッシュに子温ワールドを楽しんでいます。
TOKYO TRIBEでラップミュージカルの新手法で人気コミック作品を展開した監督、今回は正当派のバイオレンス作品でスリルとスピード、主人公の強いキャラが熱情となって伝わってくる作品でした。
