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蜘蛛の糸・豊田市美術館



豊田市美術館で開催中の蜘蛛の糸・クモがつむぐ美の系譜―江戸から現代までは、蜘蛛というミステリアスな生き物を、蜘蛛が紡ぎだす糸にスポットをあてて、美術工芸品から、江戸、近代絵画、現代美術と幅広いジャンルで展開された魅力的な展覧会です。

閉幕が12月25日と迫った今日、訪れましたが学芸員のギャラリートークと今回の中核となる作品、塩田千春の夢のあとが、日没迫る時間より特別な展示となり、美術ファンにとっては、残り2日間で有意義な時間を過ごせるのではないかと思います。

現代美術家の塩田千春は、毛糸を用いたインスタレーションで国際的に評価の高い作家ですが、今回の作品は、塩田の象徴的な赤い糸ではなく、黒い糸を蜘蛛がはう糸のごとく縦横無尽に張り巡らし、その空間に吊るされた浮遊するドレスの白と黒のコントラストが、天井から差し込む採光とオレンジ色のスポットライトにより、寒暖の色による空気までも表現された幻想的な空間で、必見の価値がある作品です。

また、古今東西にわたる蜘蛛の美術史をめぐる展示は、蜘蛛という存在が人類史に深くかかわっていたことが理解できました。

また、この展示の最重要なテーマとして、小説や寓話、神話にまつわる美術作品のすばらしさに感動し、中でも芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」を主題とした鴨井玲や籔内佐斗司などの作品に精神性を感じました。

2016年12月25日で終了する蜘蛛による展示をぜひ鑑賞してほしいと思います。


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