素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダー555 第48話

2017-08-23 20:15:00 | 仮面ライダー555
オルフェノクを滅ぼすために、オルフェノクの王を倒す。それが花形の目的だった。その遺志を託されたはずの勇治だが、彼はオルフェノクを救うため、王を守る事を選択した。一方、勇治に騙されていたことを知った直也は、巧たちとともにライオトルーパー部隊と激突する。


やばい。やばいですよ。
ネット界隈でネタ画像にされている「首の骨が折れる音」の回だったんですけれど、
ネタどころじゃない。なにこれやるせなさすぎる。

死の直前、草加は自分を探して走り回る真理に手を伸ばすんですが、
無情にも、彼女は草加に気づかず通り過ぎてしまう。
幼い頃、いつも自分を守ってくれた真理の手を、
あの日、掴むことができなかった最愛の母の手を、
最後の瞬間、掴むことができれば、彼の魂は救われたというのに。

そして、命の灯が消えた彼の体は、
オルフェノクと同じように、砂塵と消え去ってしまう。
亡骸すら残らない死が、こんなにも切ないものだったなんて。
まるで、草加の存在そのものが、なかったことにされてしまったような。

切ない。
やっぱりファイズの主役は草加だったのではないか。

その他感想。

花形パパ。

「私はオルフェノクの王を探すために、お前たちを集め、流星塾を作った。
 だがあの日、お前たちの命を奪ったのは、私の意志ではない!
 スマートブレインの一部のオルフェノクが勝手にやったことだ!」


いきなりの!言い訳!
そこはパパの指示じゃなくとも、下心ありきでこどもを集めてる時点でアウトじゃねーの?と。
しかし。

「お前たちにベルトを送ることで、過酷な運命を背負わせてしまった。
 私は賭けてみたかった。幼い頃から辛い境遇に耐えてきたお前たちの、
 強さと、優しさに」


というパパの言葉に、この人は自分のこども同然に、彼らを育ててきたんだなぁと。
非道いパパではあるんだが、うーん、非道いとも言い切れないじゃないか。
倒れて意識のない草加の手を握るとことか、悪党じゃないんだよな本当に。
やっぱさ、自分を「父親」と呼ばせるのは、それなりの責任と覚悟を持ってる証拠なんだよなって。

木場さん。まずはvs海堂。

「お前は人間を守るんじゃなかったのかよ。それがお前の理想だったんじゃねーのかよ!」
「そんな俺の理想を! ・・・君はバカにしてたんじゃなかったのか」
「っきゃろお、・・・違うだろ、俺はな、・・・心の底でずっとお前をソンケーしてました。
 本当はな、本当は、お前みたいに生きてみたかったなよ!」
「・・・くだらない」
「っきゃろう!! お前とは絶交だ。これからは、俺がお前の代わりになる」


海堂は、ここぞという場面で半端ない存在感を出してくるよな。
次のシーンで、三原に土下座して協力を請うとことか、
プライド高そうに見えるのに、必要に応じてあっさりそういうことできちゃうのが、すごく良い。

vs花形さん。

「オルフェノクとは人間の進化形だ。だがあまりにも急激な進化は、肉体を滅ぼす。
 いわばオルフェノクとは、死に至る病と同じだ。放っておけば我々は滅びる」
「まさか・・・そんな」
「私が君を選んだのは、君が心の底で深く人間を愛しているからだ。
 『オルフェノクは人間とは共存できない』
 君は、滅びの道を選ぶ勇気を持っているはずだ。人間のために」


オルフェノクは早すぎた進化だったのか。
アギトもまた、人間の進化形態と言われていたのですが、
オルフェノクは人間への加害欲求が高く、寿命が短いということで、
進化の過程でふわっと現れた、はかないシャボン玉のような存在だったのか。

そんな、先行きのないオルフェノクという種族に
自分の未来を託す木場さん。vs草加。

「すべて聞かせてもらった。オルフェノクの王を倒せば、オルフェノクはすべて自然消滅というわけだ。
 ならば俺が王を倒す。お前も満足だろ。それが人間のためなんだからな!」


「花形さんは何も知らない。俺の、人間に対する絶望の深さを。
 滅ぶべきなのは人間の方だ。俺は死なない」


かっけぇマジかっけぇ二人ともかっけぇ。

そして、冒頭シーンでは逃げる照夫にライオトルーパー部隊を差し向けていた木場さんですが、
花形の告白を聞いて心を決めたのか、後半は照夫を追う草加を止めるために
真理を拉致するという卑怯な手を使います。木場さんが!卑怯な手を!
そんなこんなで今回で草加は退場となるわけですが。

井上御大が草加役の村上幸平さんに「誰に殺されるのが一番嫌か?」という質問をし、
「木場には殺されたくない」と答えたらこんな脚本があがってきた、というのは有名な話ですが、
なんで木場さんだったんだろうな。折り合いが悪かったのはたっくんの方だと思うんだが。

ところで。

「それにしても皮肉なものだ。私が以前贈った三本のベルトは、オルフェノクの王を守るために作られた。
 そしていま、雅人たちは何も知らぬまま、あの少年を守っている」


という花形さんのセリフが、すごく印象深かったです。
本当に皮肉なもんだな。

その他小ネタ。

ベンチに腰掛けるたっくんの姿を見た瞬間、「うわぁ!」ってなって、
会話の内容が入ってこなかった。
ブレイドの、あの有名なラストシーンのロケ地ですよね!
季節も同じ銀杏の輝く頃。そりゃそうだどちらも終盤だしな!


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