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~我々は皆少しおかしい(イタリアの慣用句)~

普段色々考えていることの日記です。

新・ルパンの冒険 感想

2008年02月22日 | その他(感想)
もう一度再放送してくれ~、と切に望む番組その一です。
ちなみにその二はテレビ版「エラリー・クイーン」。

新・ルパンの冒険
制作:1989年・フランス

 ご存じ、世紀の大怪盗アルセーヌ・ルパンの物語です。
 が、モーリス・ルブラン著のルパン・シリーズの映像化ではなく、番組完全オリジナル作品です。
 またルブラン著のルパンは、第1次世界大戦前後を活躍の舞台にしているのに対し、この作品は大恐慌後ナチスの足音がひたひたと迫ってくる時代を舞台にしています。
 しかし、完全オリジナル番組と言いながらルブランのルパンをよく研究されており、原作に遜色ないできあがりです。ぶっちゃけ、バスティーシュとすれば最高の出来ではないでしょうか。
 毎回、ルパンが様々な変装をしてガルマーニ警視を煙に巻くのですが、その煙に巻き方が爆笑ものです。
 また、毎話様々な個性的な美女が登場するのですが、この美女へのルパンの口説きっぷりが見事です。
 清楚な美少女には騎士に徹し、悪女には悪党として手を結ぶ。パリの踊り子とはユーモア満載の馬鹿騒ぎ、伯爵夫人とはエレガントな会話。女詐欺師とはだましだまされの駆け引きを楽しみ、お堅い新聞記者は優雅にエスコート。
 もう、これでもかと言うほどの女たらしぶりです。
 そして、これまた毎回登場の真犯人。この真犯人に対するルパンの出し抜きっぷりが痛快です。
 うぉぉぉ~、こういう作品、こういう作品をプリーズ・ギブ・ミー!
 ちなみに1回90分の作品で、ちょっとした映画並みのボリュームがあります。
 
5話:ダイヤモンドのドレス
 総額2億のダイヤのドレスを盗み出す予告状を出したルパン。しかし当日、偽ルパンが現れ、ダイヤのドレスを奪い取ります。ルパンは偽ルパンとダイヤのドレスの行方を追います。 

 3つの話が同時並行で進み、最後にがちっとかみ合う様は痛快です。そして偽ルパンへのルパンの逆襲も爆笑もの。まぁ、どうやって逆襲するかは想像済みだと思いますが、ちょっとどんでん返しもあったりして、マンネリ化を防いでいます。文句なしに楽しい一品です。
 で、作品とは関係無しに私が注目したポイント。
 ルパンの共犯者の女の子の服装がものすごくおしゃれなのです。
 青いワンピースなのに、帽子とベルトと手袋だけ真紅なんてかなり上級者向けののファッションセンスです。

6話:皇帝の嗅ぎタバコ入れ
 ポーランドの退役軍人であるルパンの親友が、銃の掃除中に謝って事故死します。親友の死を不審に思ったルパンはポーランドへ乗り込みますが、そのルパンの目の前で親友の息子も何者かに殺されます。

 二人の対照的な美女が登場します。一人は身元不明の伯爵夫人。殺された親友の息子をたらし込み、ルパンすら罠にかけます。もう一人は、親友の名付け子。写真の中のルパンに恋する清楚な美女で、命を狙われています。ルパンはその二人をがっつりと頂いちゃいます。
 このヒロイン二人のコントラストがものすごく面白いです。
 ただし前回の爆笑コメディムードはなく、全体的に悲劇的な匂いがします。

7話:翡翠の仮面
 映画スター・グロリアはベルリンで不思議な首飾りをファンから預かります。しかし、その首飾りをコンサートに着けて出たところ、不可解な殺人が彼女の周りで起こり始めます。一方ルパンは、「ルパンの息子」と名乗る少年に出会います。

 自称「ルパンの息子」が可愛いです。こういう子供が事態を複雑化させてしまうのはお約束ですね。ルパンが、ルパンに憧れるこの少年のために変装してベッドへ忍び寄る様はまるでサンタクロースのようでした。まぁ、サンタクロースって一歩間違えれば泥棒ですよね。
 全体的にはコメディムードなのですが、殺人が次々に起こるので悲劇的な雰囲気もあります。不満があるとすれば、このアンバランスさ具合ですか。殺人が行われているのに、登場人物があっけらかんとしすぎです。


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