クノーの『地下鉄のザジ』(「けつ喰らえ!」)を読んでたら,カフェでミュスカデ(白ワイン)を頼んだ男が「砂糖は二つにして」と言う場面があって驚く.50年くらい前の小説だけど,白ワインに砂糖?紹興酒じゃないんだから.
もうひとつ驚いたのはこの本の値段で,230ページ少々の薄い文庫本が740円もするんだよね.以前僕が持っていた古い版は,確か280円だったと思うんだけど・・・.長くデフレに近い状態が続いているっていうのに,文庫はずいぶん高くなったなあ.
まあ,さして売れない本を絶版にしないためには仕方がないんでしょう.問題は出版環境全体なんだろうね.そもそも『ザジ』は,クノーが6年かけて書いた本で,このくらいの価値は十分にあるといえばある.
で,僕はこういう,よくわからない冒険譚(?)って大好きです.映画でいうと『アフター・アワーズ』とかスコリモフスキの『バリエラ』みたいなやつ.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます