米国の金融危機から始まった大不況、あのトヨタも北米市場総崩れで
1500億円の減益と発表された。非正規社員がリストラされ、社宅も追い
出されホームレスになっている人もいて、「雇い止め」が連日報道される。
そして、
いつもの歳末の風景に加えて、今年はATMの傍に警備が張り付いて
いる光景が目に付く。
「振り込め詐欺」が止まらない、減るどころか増加の勢いだ。
06年、07年の被害額が各250億円、今年は7月までに200億円近く
被害額が膨らんだ。とすればざっと一日1億円の被害にあっている
勘定だ。立派な?犯罪ビジネスの隆盛である。
狙われているのは主に高齢者(国連の定義で65歳以上)だ。
日本の個人金融資産は1500兆円ある。その1%、15兆円でも消費
に回れば不況など吹っ飛ぶと思うのだけど、個人金融資産の6割は
高齢者が所有すると言われる。しかも貯蓄率が高い。
高齢者資産を移転して次世代に?などと高級な考えがあってのこと
では勿論ないだろうが、振り込め詐欺は高齢者資産の非合法の移転、
強奪だ。しかも消費市場に回らず胴元の闇の勢力に流れて溜め込ま
れる。まだほんの1割ぐらいしか摘発されていない。
振り込め詐欺はあらゆるシュチエーションが騙しの手口として使われる
そうだ。悪徳金融業者から大金を借り直ぐに返さないと酷い目に遭わ
される、「債権者」役も電話口に出て酷い目に遭わせる」と脅迫。
交通事故を起こして直ぐに示談金を払わないと収監される、
教員が教え子に淫らな行為や暴力行為をはたらいて示談金や治療費
が必要、医師が医療ミスを起こして示談金や慰謝料が必要、
危害を受けた被害者やその関係者、警察官、弁護士の役割分担で
騙す手口もある。 その他、「痴漢」、「横領」、「傷害事件」、
まだ国会に通ってもいない「給付金」詐欺まで出てきたとか?
最近では、ATMを避けて現金を私書箱に送付させたり、宅配便や
バイク便で届けさせる手口もあり、家に直接訪問してきた警察官や
弁護士を騙る犯人に多額の現金を渡してしまうケースもあるそうだ。
なんで日本の高齢者はこんなに簡単にカネを渡してしまうのだろうか?
事件や事故を司法手続きでなく、示談で済ませようとするムラ社会、
過保護の親子関係、相手の言うことを鵜呑みにしてしまう情報に弱い
体質、何よりも資産があるから対応できる。
戦後の貧しい時代にこんな犯罪が横行したことはない。当時は食糧を
奪いあう熾烈なサバイバル。今は銀行は人に貸さないが、高齢者に
資産はある。雇い止めホームレスが増えて、困っている人がいるのに、
他方で、高齢者の貯めこんだカネがアンダーグラウンドに流れる。
なんという不条理さだ。
外国で振り込め詐欺はあるのだろうか?
アメリカの学生に聞くと「孫だと騙って高齢者を狙う詐欺」があるかと
いうとまず聞かない。まず「高齢者」のイメージに違いがある。
アメリカでは「シニア・シチズン(市民)」という言い方に見られるように、
高齢者を優遇するのは当然。乗りもので席を譲ったり公私にわたって
高齢者に配慮をする。そして、高齢者自身もそれを「当然のこと」と
して胸を張って受け取る姿が普通。そんな高齢者を狙うというのは、
日本以上に卑劣なイメージを与える。
その一方で、平均的な高齢者がそれほど資産を持っていない。
詐欺のターゲットとして高齢者相手では余り効率は良くない。財産も収入
も限られている以上、アメリカの高齢者はカネに関しては極めて慎重。
アメリカは
・高齢者は道義的に優遇される
・高齢者は資産が無い
・小規模な民事係争を解決するリーガルシステムがある
・取引は小切手で行なうのが一般的
イギリスは
・世間に迷惑を掛けず身内で何とかするという感覚が無い
・セキュリティーの感覚を小さい頃から持っている
・人の言うままに個人情報を相手に伝えない
・YesとNoがはっきりしている
日本人は人を信用しすぎる。世間に迷惑をかける前に身内でなんとか
しようという風潮がある。YesとNoがはっきり言える民族には、あまり
起らない。
大阪府は、殺人のような凶悪犯罪発生率は都道府県でワースト。しかし、
振り込め詐欺被害は全国の約1%と驚異的に少なく、金銭に厳しい大阪
人気質の反映だといわれる。
大阪のおばちゃんは、おかしいなと思ったら、アンタ誰や?反論されても
質問攻め、そして言い返して見事に撃退している。強いのだ?
商人の町として発達した大阪はむしろ外国人に気質が近い社会だ。
大阪は
・凶悪犯罪はワースト
・お金に厳しい感覚がある
・相手を確認するなど簡単に騙されない
2030年には30%が、2050年には40%が高齢者になるという予測が
ある。地域の人間関係の希薄さが無防備な高齢者に襲い掛かる。
高齢者の資産の非合法の移転、強奪は近未来の暗~い社会を先取り
しているのだろうか!?
*年の瀬に暗い話題でしたが、みなさまよいお年を。
1500億円の減益と発表された。非正規社員がリストラされ、社宅も追い
出されホームレスになっている人もいて、「雇い止め」が連日報道される。
そして、
いつもの歳末の風景に加えて、今年はATMの傍に警備が張り付いて
いる光景が目に付く。
「振り込め詐欺」が止まらない、減るどころか増加の勢いだ。
06年、07年の被害額が各250億円、今年は7月までに200億円近く
被害額が膨らんだ。とすればざっと一日1億円の被害にあっている
勘定だ。立派な?犯罪ビジネスの隆盛である。
狙われているのは主に高齢者(国連の定義で65歳以上)だ。
日本の個人金融資産は1500兆円ある。その1%、15兆円でも消費
に回れば不況など吹っ飛ぶと思うのだけど、個人金融資産の6割は
高齢者が所有すると言われる。しかも貯蓄率が高い。
高齢者資産を移転して次世代に?などと高級な考えがあってのこと
では勿論ないだろうが、振り込め詐欺は高齢者資産の非合法の移転、
強奪だ。しかも消費市場に回らず胴元の闇の勢力に流れて溜め込ま
れる。まだほんの1割ぐらいしか摘発されていない。
振り込め詐欺はあらゆるシュチエーションが騙しの手口として使われる
そうだ。悪徳金融業者から大金を借り直ぐに返さないと酷い目に遭わ
される、「債権者」役も電話口に出て酷い目に遭わせる」と脅迫。
交通事故を起こして直ぐに示談金を払わないと収監される、
教員が教え子に淫らな行為や暴力行為をはたらいて示談金や治療費
が必要、医師が医療ミスを起こして示談金や慰謝料が必要、
危害を受けた被害者やその関係者、警察官、弁護士の役割分担で
騙す手口もある。 その他、「痴漢」、「横領」、「傷害事件」、
まだ国会に通ってもいない「給付金」詐欺まで出てきたとか?
最近では、ATMを避けて現金を私書箱に送付させたり、宅配便や
バイク便で届けさせる手口もあり、家に直接訪問してきた警察官や
弁護士を騙る犯人に多額の現金を渡してしまうケースもあるそうだ。
なんで日本の高齢者はこんなに簡単にカネを渡してしまうのだろうか?
事件や事故を司法手続きでなく、示談で済ませようとするムラ社会、
過保護の親子関係、相手の言うことを鵜呑みにしてしまう情報に弱い
体質、何よりも資産があるから対応できる。
戦後の貧しい時代にこんな犯罪が横行したことはない。当時は食糧を
奪いあう熾烈なサバイバル。今は銀行は人に貸さないが、高齢者に
資産はある。雇い止めホームレスが増えて、困っている人がいるのに、
他方で、高齢者の貯めこんだカネがアンダーグラウンドに流れる。
なんという不条理さだ。
外国で振り込め詐欺はあるのだろうか?
アメリカの学生に聞くと「孫だと騙って高齢者を狙う詐欺」があるかと
いうとまず聞かない。まず「高齢者」のイメージに違いがある。
アメリカでは「シニア・シチズン(市民)」という言い方に見られるように、
高齢者を優遇するのは当然。乗りもので席を譲ったり公私にわたって
高齢者に配慮をする。そして、高齢者自身もそれを「当然のこと」と
して胸を張って受け取る姿が普通。そんな高齢者を狙うというのは、
日本以上に卑劣なイメージを与える。
その一方で、平均的な高齢者がそれほど資産を持っていない。
詐欺のターゲットとして高齢者相手では余り効率は良くない。財産も収入
も限られている以上、アメリカの高齢者はカネに関しては極めて慎重。
アメリカは
・高齢者は道義的に優遇される
・高齢者は資産が無い
・小規模な民事係争を解決するリーガルシステムがある
・取引は小切手で行なうのが一般的
イギリスは
・世間に迷惑を掛けず身内で何とかするという感覚が無い
・セキュリティーの感覚を小さい頃から持っている
・人の言うままに個人情報を相手に伝えない
・YesとNoがはっきりしている
日本人は人を信用しすぎる。世間に迷惑をかける前に身内でなんとか
しようという風潮がある。YesとNoがはっきり言える民族には、あまり
起らない。
大阪府は、殺人のような凶悪犯罪発生率は都道府県でワースト。しかし、
振り込め詐欺被害は全国の約1%と驚異的に少なく、金銭に厳しい大阪
人気質の反映だといわれる。
大阪のおばちゃんは、おかしいなと思ったら、アンタ誰や?反論されても
質問攻め、そして言い返して見事に撃退している。強いのだ?
商人の町として発達した大阪はむしろ外国人に気質が近い社会だ。
大阪は
・凶悪犯罪はワースト
・お金に厳しい感覚がある
・相手を確認するなど簡単に騙されない
2030年には30%が、2050年には40%が高齢者になるという予測が
ある。地域の人間関係の希薄さが無防備な高齢者に襲い掛かる。
高齢者の資産の非合法の移転、強奪は近未来の暗~い社会を先取り
しているのだろうか!?
*年の瀬に暗い話題でしたが、みなさまよいお年を。