
読了日:05月05日 著者:伊坂 幸太郎
読書メーター
短編集なんだけど
一つの短編の主人公である本業=泥棒/副業=探偵という男が
次の話では脇役として登場する
というようにそれぞれの話がリンクしてる
同じ本の中に限らず
以前出版された作品に登場した人物や言葉が
ふと別の作品に登場したりする
そういう巧妙で計算された書き方が伊坂幸太郎作品の魅力だと思う
この本で私が特に好きなのは
最後の『ポテチ』という作品
想像してみて
あなたは友達に
「コンソメ味のポテチ買ってきて」
と頼みます
友達はポテチを二つ買ってきました
一つはあなたに
もう一つは自分に
あなたは袋をあけてポテチを口に放り込みます
「あっ、塩味」
友達が持っている方がコンソメ
あなたはこんなときどう思う?
「やっぱりコンソメがいいわ」
「食べてみたら塩味もおいしいじゃん」
「どっちでもいいや」
何気ないことなんだけど
主人公(この逸話ではポテチを買ってきた方)にとっては
すごく大切な想いにつながります
世の中のことはつながってるようでつながってない
つながってないようでつながってる
そういうもんなのね
きっと