負け豚の遠吠え

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原子炉/核燃料の現在状況まとめ 3/21

2011年03月21日 12時39分16秒 | 日本の底力

■原子炉/核燃料の現在状況まとめ

原子力に詳しい知人からの最新情報です。

危機脱出の兆しは見えて来たかな。
命を顧みないで作業している関係者の尽力には本当に頭が下がります。

過去の関連記事はこちらにいくつかあります。

福島第一・第二原発について追加情報:福島第一原発3号機について原子炉状況のデマに注意

ここ数日原子炉の状況に急激な展開がありました。報道では大分落ち着いた感はありますが、情報が断片化されているようなのでここいらで現況をもう一度まとめておきます。

なお、経緯については産経新聞の報道を時系列でまとめたページ
http://sankei.jp.msn.com/etc/news/110312/etc11031217510001-n1.htm
が比較的わかりやすいと思います。

福島第一原発
福島第一原発の原子炉(1~6号機)は全て停止(未臨界)状態を維持しております。
なお、構内の火災についても全て鎮火済みであり、施設からの水蒸気の噴出等も現在確認されておりません。
以下の原子炉および使用済燃料プールの状況は概ね20日18時の時点でのものです。

東北電力変電所からの送電線敷設工事が構内にて進行中であり、各施設への受電へ向けての作業中です。

∇ソース
福島第一原発プレスリリース
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1367-j.pdf
原子力安全保安院緊急情報
http://kinkyu.nisa.go.jp/kinkyu/2011/03/36201630.html
その他各社報道状況など。

一号機
圧力容器・格納容器共に損壊の兆候はありません。
なお、内部圧力も安定しており、注水状況も続報ありません。
原子炉水位は恐らく低位であっても溶融を食い止めるのに十分なレベル以上で安定しているものと推測されます。
しかしながらECCSその他の給水系は未だ復旧しておりません。
また、使用済燃料プール温度についての異常報告はありません。

二号機
圧力抑制プール付近において格納容器の一部が損壊しており、一時放射性ガスが漏出しておりましたが、現在では格納容器内部圧力は低下し、一応の安定状態と見られます。
圧力容器については原子炉隔離時冷却系停止の際に大きく水位が低下、水素が発生し15日の水素爆発につながりましたが、爆発したガスは格納容器外側にて爆発したのみで、この爆発による格納容器および圧力容器の損壊はありませんでした。
現在外部動力による圧力容器注水は続いており、原子炉水位も安定していると考えられています。
なお、20日15時46分より外部電源の受電を開始、電源喪失による停止に陥っていた冷却系の再起動が試みられるものと思われます。

3号機
格納容器に破損がある可能性が指摘されていますが、その後内部圧力の上昇が確認されたため致命的な破損が発生している可能性は低いものと思われます。
現在では格納容器内部圧力は低下しており、減圧措置は停止されています。
圧力容器は健在で、現在も外部動力による注水継続中です。
原子炉水位・圧力は安定していると思われます。
外部電源受電へ向けて作業中です。

4号機
15、16日にかけての火災および爆発の後、原子炉建屋5F部分に損傷が確認されていますが、圧力容器・格納容器共に健在であり、冷却材漏洩はないと考えられています。
原子炉水位の低下の兆候も確認されていません。

5号機
11日の停止以降、停止状態で冷却が続いておりましたが、20日14時30分に原子炉が冷温停止状態に達しました
外部電源復旧作業中です

6号機
原子炉水位は安全水位で安定であり、冷却系も健在です。
外部電源復旧作業中です。なお、非常用ディーゼル発電機(A)の修理が完了しました。
現在格納容器内部において冷却材の漏洩はないと思われます。

使用済燃料プールについて
2号機の使用済燃料プール
に仮設電源により海水を40t注入、3号機プールにはハイパーレスキューによる放水、4号機は自衛隊による放水等の冷却作業が続行中です。
また、5号機の残留熱除去系(B)6号機の残留熱除去系(C)の復旧が完了し、起動後、本格稼動状態に入り冷却機能を回復しました
以後5,6号機については使用済燃料プールを優先的に冷却中。

※残留熱除去系の説明:http://www.weblio.jp/content/%E6%AE%8B%E7%95%99%E7%86%B1%E9%99%A4%E5%8E%BB%E7%B3%BB
使用済核燃料共用プールについては18日の時点で満水、19日の時点で水温57℃であり安全な状態を維持しています。

20日23時30分現在、全ての使用済燃料プール温度が100℃未満であることが確認されました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110320/plc11032023300032-n1.htm

その他の原子炉
現在、福島第二原発については全原子炉が冷温停止状態にあり、安定です。
東海第二原発については緊急停止後、原子炉が冷温停止状態にあり、非常用電源で所内に電源を供給していましたが、外部電源が復旧し、通常の電源系統に復帰しました。
女川原発は全原子炉が停止中ですが、現在水位、圧力に異常の兆候は確認されていません。
柏崎刈羽原発は1,5.6,7号機が通常運転中(残りは定期検査により停止中)
浜岡原発は3,4号機が通常運転中です。

周辺地域の放射線レベルについて
現在、文部科学省が周辺地域の放射線レベル測定値を一覧表にして提供しています。
しかし見づらいのでMAPにプロットするなどしないと使いにくいです。
空間線量だけでなく、水道データモニタリング、降下物などについても資料があります。
http://www.mext.go.jp/


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