風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

この庭いいなぁ…。

2005年05月15日 | 自然(花 虫 樹etc)
「この庭いいなぁ…。やっぱり、我が家の庭はいいよねぇ!」―正午過ぎ、起きてきた二女が、キッチンから裏庭を見て、顔をほっこりさせて言った。長女は、もう仕事に出かけていなかった。という訳で二人でブランチにすることに…。裏庭で。

「お母さん、裏庭じゃないよ。箱庭って感じだよ」「ん?」「裏庭っていうと、広い感じがするよ」「そりゃーそうだけど…。バックヤードじゃなきゃ、パティオ?中庭って感じ?」「パティオって柄じゃないよ」「お隣りにすっぽり囲まれているから、中庭っぽいけどね。でもいいよ、裏庭で!」「まぁいいけどさ…」

「お父さんが好きだった都忘れ、いっぱい咲いたでしょう!」「うん、ノースポールもきれいだね…。マーガレットのように花が大きいよ」「ディジーやマーガレットも好きだったよ、お父さん…」「そうなんだ…」「名前は嫌だけど、ヘビイチゴは黄色い花がかわいいでしょ!」「咲いてる場所がいいねぇ」「そうでしょ」「バラのアーチができたね!」「二重のアーチいいでしょ!エゴの木も蕾がいっぱいついたよ」「うん!新緑がきれいだねぇ…。とっても気持ちいいなぁ」

ベーコン、ウインナソーセージ、目玉焼き、野菜サラダ、コーヒー、スープ、彼女が働いている店のパンをテーブルに並べ、ブランチの始まり!このパンは美味しい!東京まで行かないと手に入らないのだ。「この間さぁ、上京した時買ったパン、バスに忘れちゃってねぇ~」「そうなんだってね」「バスの発着所まで、探しに行ったけどなかったんだ。金額じゃなくて、この辺に売っていない貴重なパンなんです、って運転手さんに言ったら、同情して一緒に探してくれたんだ。でもがっかり!お母さんドジでしょう」「でもいいじゃん、今食べれるから」「うん。ありがとね!」――<持っていって食べた人へ…美味しかったでしょ!もう時効です、許してあげます>   


今年の三月、「ブーランジェール(女性のパン職人)」の修業に旅立った二女が、母の日に帰郷。仕事が終わってから電車で帰ってきたので、夜の九時半を過ぎていた。私も仕事が遅くまでかかってしまい、夕食の準備が出来なかった。長女は昼どこかへ出かけていたようで、ご飯の用意はしていないという。「それじゃー、どこかで美味しいものを食べよう」ということになり、その夜は三人で外食。帰宅後、長女が焼いた「かぼちゃパウンドケーキ」のデザートが待っていた!長女は次の日仕事があるので早く寝たが、二女と二人で午前二時頃まで起きていたのだった。

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母の日に…

2005年05月15日 | 食(食材 料理の効能etc)
8日の夜、今春社会に巣立っていった二女が帰郷した。長女と一緒に駅(JR)まで迎えに行き、三人でキューバ料理の店で遅い夕食を摂った。久し振りに家族が揃い、近況報告などの話に花が咲いた。

家のドアを開けるなり、「いい匂いだねぇ!我が家はやっぱりいいよ…」と二女は感動の面持ち。こころなしか目が潤んでいるようだった。「友達がウチに来るたび、“いい匂いがするね”って言ってたけど、これだったんだ…。そうなんだよ、うん」。ひとり納得している。

リビングに落ち着くと、「お母さん…」―長女が昼に焼いた「かぼちゃのパウンドケーキ」を持ってきた。「はい、これ!」と手作りカードと手紙も…。「私、何も用意できなかった…」とすまなそうに言う二女。「連休のためにあなたは、二週間休み無しで働いたんだから、来てくれただけで嬉しいよ!」と慰めた。彼女は修業とはいえ、頑張って働いている…。

さっそく、長女の手紙を読んだ。感謝の気持ちが綴られていたものだから、胸がキューンとして目頭が…。キリンの親子のカードもかわいいし…「お父さんもよく作ってくれたよね」と言うと、「作っていて、お父さんのこと思い出しちゃった」と一言。二女が「私にも見せて!」と言って手紙を読んだ。

そのあと、紅茶を入れてパウンドケーキを食べた。「あまり甘くなくて美味しい!素朴な味がいいね」「かぼちゃの皮はむかなかったんだね」「そうなの。皮の色がアクセントになっているでしょ」「うん、きれいだね!」―レシピはインターネットで見たと長女。

今年は、祝う親がいなくなり、寂しさはあったものの…。祝われる身になったことを痛感した一日だった。
娘たちの優しい心に触れることができ、最高に幸せな「母の日」を過ごした。“ありがとう!”
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裏庭は癒しの空間

2005年05月13日 | 自然(花 虫 樹etc)
いつの頃からか、我が家では小さな裏庭が憩いの場所になった。休日にはブランチのひととき、美味しいケーキを焼いた時にはティータイム、満月の夜には夕餉のひとときなどというように、裏庭で過ごすことが多くなったのだった。

「お母さん、庭で魚が食べたいなぁ~」との二女の一言がきっかけ。「七輪があったわね。それで焼けるんじゃない?」と私。近くのスーパーには、あゆがなかったので、サンマを買って来た。七輪に火を起こし、サンマを焼いて食べたら、これが美味いのなんのって…。言葉で表現しようがないほどの感動を味わった。夜だったので、小さなランプとロウソクだけの灯かりにして、風の音や夜気に耳をすませながら…。やみつきになったのは言うまでもない。


寒い冬には小休止していたのだが…。新緑の季節になり、都忘れやノースポールが咲き出し、雀など小鳥が訪れるようになると、また裏庭が活気づいてきた。癒しの空間が復活。母の日に、ブーランジェール(女性のパン職人)の修業中の二女が帰省し、非常勤講師の長女と二人で祝ってくれたのだった。(続きを書くと、長くなりそうなので次の機会に…)

写真(昨年の夏の我が家の裏庭)
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フイッシュ&チップス

2005年05月08日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
典型的なイギリス料理のひとつに「フイッシュ・アンド・チップス」がある。ローストビーフと並んで愛されている食べ物。日本のホッケに相当するハドックや、タラなどイギリスの近海魚を油で揚げたものに、ジャガイモを拍子切りにしてフライにしたポテトフライを添えた料理なのだ。

スノースヒルのパブで食べたが、その美味しさはやみつきになりそう…。注文してから、しばらくして出てきたのが、大皿からはみ出しそうな白身魚のフライとポテトフライ、付け合わせのグリーンピースもたっぷり!揚げたてのアツアツを口に入れると、衣がサクッとして中身は適度にしっとりして…。

「フイッシュ・アンド・チップス」のテイクアウトの店もあるほど人気があり、紙袋にフライフイッシュとポテトを入れて、塩と酢を振り掛けて販売しているという。そちらは食べたことがない。簡単な料理なので、食材の鮮度の良さが美味しさの秘訣のようだ。イギリスで美味しい料理は、良い食材を使っているということになるのだろう。

米国もそうだったが、この国で料理を注文する時は控えめにした方が身のためだ。そうでないと、つい食べ過ぎたり、食べきれずに残す事になってしまう。並の量ではないのだから…。私たちは、同じものは一人分にしてほかの料理を注文し、様子を見たものだった。

フランス料理の繊細さはないと思うが、とにかく美味しかった!また、食べに行きたい…。
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清らかな水に癒され…

2005年05月08日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
ブルック渓谷下流の谷あいにできたカッスル・クーム。歩いてまわっても10分とかからない小さな村だ。コッツウォルズに点在する村はほとんどが、そうだと言うが…。17世紀から18世紀に建てられた家には、どんな歴史が刻み込められているのだろうか…。はちみつ色の石の家並みが当時と変わらず現存している姿に感動してしまった。伝統を重んじる精神が親から子へと確実に引き継がれていることに…。

カッスル・クームの村を流れるバイ・ザ・ブルック川。清らかな水がすぐ側にあることの幸せ。鉄道が発達しなかったおかげで、この美しい景観が残されたという。交通の便は少々悪くとも、21世紀にこんなにも美しい村に出会えるとは…。

人間にとって何が一番大事なのだろうか…。命、こころ、食、水、自然、教育などなど。現代人は利便性を追及するあまり、どれだけ貴重な財産を捨ててしまったことだろう。美しい村の清流に癒されて、いろいろなことを考えさせられた。食、住、自然などさまざまな環境が心を疲弊させ、方向を間違えなければよいのだが…。環境が人を作るといっても過言ではないだろう。これから私たちはどこに向かおうとしているのだろうか…。
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全英一最古の街並み保存

2005年05月07日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
カッスル・クームはコッツウォルズ南部に位置し、ブルック渓谷の下流に出来た谷あいの村。クームは谷あいを意味するらしい。この渓谷から流れるバイ・ザ・ブルック川に沿って黄金色の石の家々が並ぶ。

17、8世紀に建てられた家並みや、村の中心のマーケット・センターなど素朴な建物が、手を加えられることなく保存されている。小さな愛らしい家々には、木が生い茂り、季節の花が彩りをそえて、旅人の心を癒してくれるのだった。

「全英一、最も古い街並みが保存されている村コンテスト」で、何度も表彰されているというのも、うなずけるというもの。愛犬を連れて散歩を楽しむ老夫婦とあいさつをかわす。ワンちゃんにもハロー!

ゆったりと時間が流れて…。
「こんな美しい村で過ごせる人たちがうらやましい!」
―母と娘はただただ、ためいきをつくばかり!
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郵便局もおしゃれ

2005年05月04日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
カッスルクームからチッペナムまで、半日ほどかけて歩きました。途中の村で素敵な郵便局を見つけたのですが、休日で開いていなかったのです。

どんな人たちが働いているのか、切手やはがきはどんなものを扱っているのか、局内はどんな様子なのか、興味があったのですが…。残念に思いました。
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ハロー&グッバイ

2005年05月03日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
イギリスの田舎でスローライフを体験?チッペナムに2泊。国鉄の近くのB&Bを拠点にして、カッスルクームへ出かけた時のことだった。その日は日曜日でバスが無く、タクシーを使うしかなかった。歩くとどのぐらいかかるのか、B&Bのオーナーに聞くと、
「歩いたことないけれど、だいたい1時間ぐらいじゃないかしら」
―それを素直に信じたのが間違いだったと、気付くのはずっとあとになってからだった。

「往復タクシーではあまりに味気ないね」
「私、歩きたいなあ…」
「1時間ぐらいならちょうどいいから、帰りの道だけ歩こうか」
―行きはタクシーを使うことにした。運転手さんは、牧場をやっていて野菜も作っているがそれだけでは食べていけないので、タクシードライバーをしていると話してくれた。どこの国も農業事情は同じらしい。ティムさんも同じこといってたなあ…。

カッスルクームはコッツウォルズ南部の小さな村だった。散策したり、おみやげを買ったり、のんびりテラスで昼食を楽しんだ。昼を少しまわったころ、そろそろ帰ろうと、チッペナムまで歩き出した。車の中からでは見えないたくさんのものに出会う事が出来た。素晴らしい風景を堪能し、フットパスの畑地も歩いた。

ところが、なのである。
「1時間ぐらいって言ってたけど…。なかなか着かないね」
「まだ歩くのかしらねえ」「もう1時間以上あるいているよね」
―そうなのだ。実際に歩いたことのある人に聞いた訳ではなかったからだ。B&Bのオーナーも私たちが本当に歩くとは思わなかったのだろう。ただ聞いただけだと…。

結局のところ、夕方近くまで歩く事になってしまった。それも最短距離ではなく…。まだ日暮れではなかったが、歩き疲れていた時、出会ったのがこの写真の馬だったのだ。3頭の馬が草を食んでいたが、
「おいで!」
と呼んだところ、1頭が近づいてきたのだ。その目の優しかったこと…。どうして、あんな目をしているのだろう。

「ハロー!」
そして
「グッバイ!」
元気をもらって、私たちはまた歩き出したのだった。
一期一会、人生もそう…。
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ふたりのJ

2005年05月02日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
旅の楽しみのひとつに地元の人たちとの交流がある。コッツウォルズの村の中でも観光客に高い人気なのが、ボートン・オン・ザ・ウォーター。そこからチッペナムまでバスで移動する時、乗換駅で小さな紳士に出会った。彼の名はジェイク、10歳。ボートン・オン・ザ・ウォーターでバスに乗り込み、長い旅が始まった。

乗り換えを間違えると大変なことになると考え、慎重になった。乗換駅でバスの運転手さんに、チッペナム行きのバス停を聞いたのだが、「教会の前から」となんだかあやふやな返事。バス停で待っている主婦に尋ねたところ、彼女も分からないらしく、別の人に聞いてくれた。その間、息子のジェイクとおしゃべりを楽しむ。

「ここのバス停でいいようですよ。私たちは途中で降りますが、同じバスです」
と彼女が教えてくれた。その親切が嬉しかった。バスに乗り込んだ時、日本から持参した大粒の方の小梅ちゃん(最後の1つになってしまった)をジェイクにあげたのだった。2人が降りる時に挨拶をしたら、
「I enjoyed sweets!」
と少しはにかみながらジェイク言った。その姿がなんともいえず素敵で、清々しい気持ちになった。

もうひとりは、スノースヒルのパブで会った。若い母親とその友人と一緒に来ていた十カ月の男の赤ちゃん、ジェームス。母親とちょっと話をしている時、ジェイムスの可愛い笑顔が心を和ませてくれた!
コメント (3)
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花もよう(1)

2005年05月01日 | 自然(花 虫 樹etc)
庭のノースポールが元気です!都わすれも咲き始めました。長女が焼いた小さな陶器が使っているうちに少し欠けてしまい、愛着があって捨てられずにいたのですが…。花生けに使う事にしました。庭に咲いているノースポールを中心に、ミヤコワスレ、ハナニラなどを生けてみました。欠けている部分が見えないようにして…。
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