風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

ブレハッチさんの演奏に涙

2006年02月15日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
2005年ワルシャワで行われた第15回ショパン国際ピアノコンクールで、ポーランドの新星ブレハッチさんが優勝。その入賞者ガラ・コンサート ジョイント・リサイタルを聴きに行きました。サントリーホールで1月30日開催。1位ラファウ・ブレハッチさん、2位は該当者がなく、3位はイム・ドンへ イム・ドンミン兄弟(韓国)、4位が関本昌平さん(大阪)、山本貴志さん(長野)でした。日本の2人とブレハッチさんを招いてのリサイタルでした。もちろん2人の日本人も良かったのですが…。

1部は関本さんのあと、山本さんが個性的な演奏を披露。休憩のあと、2部はブレハッチさんでした。彼の演奏に、演奏会では生まれて初めて涙しました…。自然に涙があふれてきたのです。これまで、著名な演奏会のコンサートに出かけ、生演奏を聞き感動したことは何度かありましたが…。映画やドラマ、歌ではよく涙することはありますが…。自分でも驚いています。会場のあちこちで、涙をぬぐう姿が見られました。娘と私はS席の1階5列でしたから、表情もよく見えました。横顔がとてもいいんですね~。彼が弾くショパンは、詩情にあふれ、ロマンがあるのです。最もショパンに近い感じがしました。ショパンの再来と言われているのもうなずけます。

ブレハッチさんは、20歳の音大生。あの若さで、あれほどの音楽性を表現できるなんて、驚嘆に値します。演奏後、拍手の嵐が鳴り止みませんでした。アンコールでは4曲披露しました。それでもなお、割れんばかりの拍手が…。立ち上がる人もいました。何度もステージに出てきては、深いお辞儀をするブレハッチさん。誠実な人柄が伝わってきました。

終演後、私は予定にない行動を起こしていました。出口でパンフレットを購入したのです。娘は娘で、CDを求めていました。「同じものを買わなくてよかったね!」「買うつもりはなかったけど、演奏聴いてファンになってしまったよ~」二人が同じ気持ちでした。「ブレハッチさんのリサイタルが実現したら、絶対聴きに来ようね!」

ブレハッチさんは、ご両親、妹さんの4人家族。敬虔なクリスチャンで、教会でもよく演奏したそうです。謙虚な好青年です。小さな田舎町の普通の家庭に育ち、普通のピアノで練習をしていたため、コンクールに出場する彼のために、町(だったと思います)が、彼のためにグランドピアノをを貸してくれたというのです。家族の支えがありました。今回の優勝で、グランドピアノを購入したそうです。

ショパン国際ピアノコンクールは、5年に一度ポーランドのワルシャワで開催され、世界の精鋭が集まることでも有名。
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プルーフ・オブ・マイ・ライフ

2006年02月09日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
感動しました!!「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督、主演女優グウィネス・パルトロウ、「羊たちの沈黙」のアンソニー・ポプキンス、若手演技派俳優ジェイク・ギレンホールの競演による「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」。舞台で絶賛されたグウィネスらによる初映画化だそうです。

人生につまずいたけれども、深い愛によって一歩を踏み出す、そんな再生物語が心に響きました。2006年アカデミー賞最有力と言われるのもうなずけます。

名優アンソニー演じる天才数学者の父の死で、悲嘆にくれるキャサリン(グウィネス)。精神に異常をきたした父の介護のため、大学を中退したキャサリンだったが…。残された膨大なノートの中から、世紀の数学の証明(プルーフ)が見つかり、父でなく自分が書いたと言うキャサリンを誰も信じてくれない。そんな中、彼女に想いを寄せる父の弟子、ハル(ジェイク)が、一度は疑問をもったものの彼女を信じ始め、それを証明しようと大学の仲間たちと奔走…。

どのような困難にもめげず、真理を求め、立ち向かう。人を愛すること、信頼することの素晴らしさ。そこから湧き出るエネルギー、その先には希望が…。まさに「生きることの証明」が展開されるのです。父の遺伝子(精神の病い)を受け継いでいるかもしれないと
の不安や、闇から抜け出せない苦悩など、心の襞をも感じさせる繊細なグウィネスの演技に打たれました。また、アンソニーの真に迫る表現力には驚嘆させられ、恋人役のジェイクも素敵でした。心地よい余韻が…残る映画です。

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