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あなたの人生の伴走者、古都金沢のふるほん・古道具・骨董商「ふくもも文庫」。買い出しいたします。

★文化や教養力があれば毎日は楽しく過ごせます。ふくもも文庫はあなたへ癒しと笑い・懐かしさを届けます。

日本人独特の美のセンサーとは?…経年変化を味わう人種

2013-09-26 09:35:40 | 骨董
日本人には昔から、焼物の鑑賞において

次の5つのポイントがあるって、知っていますか?

1「景色(けしき)」
2「土味(つちあじ)」
3「手ざわり」
4「映り(うつり)」
5「古色(こしょく)」


1「景色」

なんでも鑑定団で、中島誠之助先生が
緑色の自然釉が流れ落ちる中世のツボを見て、「いいけしきだね~♪」
のきめ台詞知りませんか?!

陶磁器において「景色」という言葉を用いるのは日本だけ。

「景色」とは、偶然起きた様々な変化を、自然な美しさと捉えること。灰がかぶって緑色が滴る壺とか。

 われわれは偶然の作為のない美を愛せるセンサーを持っている。



2「土味」
 土味とは、焼き物の原料である土そのものの個性、その味わいを吟味する美意識で、
土味に該当する外国語はありません。おもに土ものといわれる陶器を見て使います。古い唐津、いいなあ。
鉄製品や銅器の場合は、鉄味などと言います。土地味とは異なり、経年変化の美をさします。例:古渡の銅器

3「手ざわり」

「手ざわり」は指先に感じる表面状態の荒さや滑らかさ、掌に感じる全体の形、また重さなどの感覚です。
 五感の世界ですね。茶の湯にも通じる…高度や

4「映り」

「映り」というのは、器がそれ1個で完結するのではなく、
より大きく他のものとの関わりの中に美を見いだすという、日本人独特の感性。

器が関わるものに
「花」
「料理」
「酒」
「他の器もの」があります。
 ☆強い主張が無く、「他」を引き立てて、しかも自らをその相手によってより美しく、より味わいよく見せる。
 組み合わせの美、相互関連の美だね。奥ゆかしい。適材適所の日本人組織論みたいだね。例:茶映り

5「古色(こしょく)」

古色とは、長年の使用により、地色が深みのある色に「育っていく」ことを言います。


よく古唐津の酒器の魅力を語るときに、使うことで「育てる」って言います

これは経年変化を楽しむことです。

これは木製品、たとえば根付にも同じようなことを言われますね。とろとろになってきたとか…?!


★実はこれ、現代のニッポンの若者にも引き継がれて、日本人ならだれでも持っているDNA≒「美のセンサー」なんだよね。

よく革製品、たとえば革ジャンやブーツや長財布など

長年使うことで、飴色になる変化を あなたも楽しんだりしていませんか?
男子はヌメ革の財布やブーツを、「エイジング」とか、「育てる」とか言って楽しんでいませんか?

中には新製品にもかかわらず、茶芯モデルと言って
黒色が薄れると中から茶色が出てくるようにした靴や
最初から使い込んだものの風合いを、加工により
最初から経年変化させて売っていたりします

またジーンズも新品はダサイ?使い込んだ慣れ感を出したいと感じる人向けに、

ダメージ加工したり、
洗いを何度もかけて

新品を売っていますね!
一見無駄ですが、面白いと感じるのは文化的背景があってのことなんです
つながっているね、感性!
数寄者・文人・墨客の末裔は、あなたでした。

いまや圧倒的にこのぶんやでは、世界のファッションを日本がリードしています。
そういえば古着屋さんとこの間話していたら
古着をおしゃれにファッションに取り入れた先駆者も日本人で、全米のウエアハウスやガレージセールを
レンタカーで何マイルも走ってきたけど
いまでは本場アメリカ人も1930~1960年代のアメカジのプロダクツとしての品質デザインの良さや
経年劣化も味になるって目覚めてしまい、
日本人が行っても手に入らなくなってきたとか。世界もようやく感づいたのか?



★日本人は、伝統的に繊細な「美のセンサー」を持っていて、世界の最先端のライン上にいます。

経年変化まで楽しむ、遊び心の持ち主でした。。。えっへん

だから骨董って面白いんだ。骨董は知の源泉です。

ダメージ加工は、着こなしによっては汚らしく映る。
かっこよさか?ダメージか?
その狭間を着るあなたは、名人だね。
「名人は危うきに遊ぶ」と、白洲正子さんはよく言ってましたね…


一度ふるさとに帰ったら
お爺さんや親父さんと、ニッポンのモノについて話してみてね。
年が違っても、時代を超えた共通項が見つかるかもしれませんよ。


ブリキのおもちゃの残りカス、でもかわいい

2013-09-03 19:22:41 | 骨董
今日北陸の片田舎の

古いおもちゃやさんで

ブリキのリスのぜんまい仕掛けの

小さいおもちゃを見つけました

MADE IN JAPANが誇らしげに刻印されており

100円のシールが張られていた!

「ブリキのおもちゃはもうありませんか?」

おばあちゃんが眼鏡を直し、ぎろりとにらみながら
僕がいろんなところで聞く、いつもの言葉を口にしました

「あんた遅いわ」

「いままでいっぱい買いに来てるよ。
いまは残りかすしかない。

30年前に北原さんも来ていったぞ」


先人の壁は、恐ろしく高い。









梅雨が明ける直前の、露店

2013-07-09 08:43:01 | 骨董
いやあ、日曜日の神社の露店はひどい雨だった

朝、テント設営時は妖しい雲ではあったけどなんとか
空が持ちこたえてくれた

となりの相棒がずる休みをしたので、僕一人で露店の準備をはじめた。

いよいよ雨雲が迫りぽつりぽつり

知り合いのお客さんを捕まえて

テントを建てるのを手伝ってもらった

「そこのボタンを押すと立ち上がります」

日頃の人間関係がものを言い、猫の手ならぬ客の手を借りて

雨宿り場所確保。

最近露店に店を出し始めた若い子に
「テント持ってきたの?」
「持ってません」

そのやり取りを聞いていたとなりのベテラン古美術商がひとこと。

「シロウトやな」

案の定、ずぶぬれで撤収していた。

テントの隅に溜まった水をあけようとしたら

僕の背中にドシャ…

パンツまでずぶぬれで奮闘

となりの古美術商はバンバン売れて

僕は2万円も売れず…トホホ

雨もしかし、濡れて見ると気分がいいね!

新発見だ。。。。。。

雨は友達だ。そうしよう。

そういえば長野の有名なFDというアメカジのメーカーの代表は
僕は雨が降っても傘をさしませんって雑誌に言ってたな



雨はそれに

冬の雪や強風よりましだ

イソップ物語みたいな感想に聞こえるけど

でも本当にそう思いました


梅雨が明けると

強い日差しの

夏が

くる

夏よ

来い

生命の躍動する

大好きな夏よ

おまえのその強い日差しで

俺の臓器を射抜け…


360度の感性…僕が考える未来の骨董商

2013-06-27 08:24:49 | 骨董
最近、市場にも個人で雑貨屋・古道具屋を始めたという若い感性が押し寄せてきた

その一方で、おじいちゃんたちは何が売れるのかわからないという

ひと時の勢いのあった、ネッタ―と呼ばれる若いネット業者は、なかなかヤフオクも売れないとぼやく
一回買えばお客さんもお腹いっぱいになるからだろうか

若い人は、今まで見向きもしなかった戦後のコップや人形やボタン、見せ方として額縁だけを飾るとかインダストリーファーニチャー(工場の鉄の椅子机)などに新境地を切り開く

自分の守備範囲を絞り込むことも重要だが、長い目で見るとマストでは無い

なぜなら時代が追いつき飲み込まれて、モノが枯渇し、時代遅れになるから


未来型の骨董・古道具商は…?


縦軸に時間。

あつかえるものは縄文土器から始まって、桃山の皿や仏像、中国、江戸、明治…
反対サイドはリサイクルショップの知識(実用)・昭和レトロ・各年代別のヒーローもの、紙もの、機械類。時間で言うと、2000年間すべてを扱える。


横軸はその時々の流行を作り、流行りを集め、直しもする。あえて時代に合わせて生き残る、銀瓶や金製品がはやれば値段は張っても勝負する。
反対サイドはじぶんの数寄(好き)なものにこだわる。


この縦軸と横軸をクロスさせてできる4面を
自在に、360度の好奇心をもっていれば
360度のアンテナが建つ
その感性を駆使し、広い歴史とジャンルを自由自在に
移動できるものこそが、
次世代のスターだ。
空間がでかい方が楽しいよ。勉強のフィールドが人類の歴史や文化にまで広がる感じがたまらない…

そんなお店を訪ねるお客さんはきっと言うだろうね

「あそこには日常を愉しくワクワク過ごせるためのツール(道具)がいっぱい。」
そして
「あの店主なら人生を楽しくさせてくれる」という期待が満ちていく。。。




レトロ自転車のレストアを始める

2013-05-21 17:09:16 | 骨董
ボロい昭和30年代?の自転車※を手に入れました!

いまからレストアします

ビフォーの写真をUPします

アフターの写真はいつの日か…

僕は「昭和自転車」という在日アメリカ人が書いているブログの一文が大好きです。

『約半世紀前にアメリカのボストン郊外で生まれ育った私は、古いものを購入して直すのが当たり前でした。
当時は現代のように、使い捨てやすぐに買い替えることはあまりなかったような気がします。
壊れたものはとにかく直してみるか直してもらう。

お金は親からではなく、自分で稼ぐ。
新聞配達や草刈り、雪かきや洗車、家のペンキ塗りやベービシッター等など、近所の便利屋のような仕事。
14~15歳ころ少しずつお金を貯めて、16歳(運転免許)を目指して中古オートバイかスクラップのような中古車を購入して直して行くのが普通でした。』

どうですか

レストア…やってみたくなりませんか?



※…昭和自転車とは

 昭和20年代後半~30年代前半ごろの国産自転車。シンプルで頑丈、現代との物作りがちがう。鉄フレーム、3層黒エナメル塗装、ゴールド線引き、ロッドブレーキ、前後泥除け、風切り付き、荷台、サスペンション付革製サドル、メッキリム、チェインケース、ゴムブロックペダル、引っかけタイヤ、エナメルスポーク、回転式ベル、七宝焼きバッジ…まさに工芸品です。まだまださがせば近所の納屋や金属無料回収の山に眠っているかも。。。