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あなたの人生の伴走者、古都金沢のふるほん・古道具・骨董商「ふくもも文庫」。買い出しいたします。

★文化や教養力があれば毎日は楽しく過ごせます。ふくもも文庫はあなたへ癒しと笑い・懐かしさを届けます。

縄文文化は今も残っているのでしょうか?

2018-08-25 17:11:36 | 骨董
●骨董商として
縄文のものを扱うときがある。
たとえば、

勾玉…極端に高い。美しいから。ただし、ニセモノが多い。グラインダーで穴をあけているかチェックしてほしい。


矢じり…綺麗だ。コレクションに値する。矢じりも、刀状のものとかいろんな形がありますよ。


縄文土器のかけら…網目模様がカッコイイ。なのに、全く売れない。
カケラでも、皿立てにそっと立てかけると、存在感だけで雰囲気を変えてしまう力があるんだよ。
部屋のなかが一気に1万年前までタイムスリップする感じで、最高にシュールなのにね。


●さて縄文文化は現代のわれわれに影響を与え続けているのか?を考えてみます。

クジラの歯やわからない動物の頭蓋骨が市場に出ると
われ先に買ってしまうのって、
僕のDNAの中の、縄文人の血が騒ぐからなのか?
縄文人が、ヒスイ、サメの歯のペンダント、イノシシの牙のアクセサリーを創っていたことの名残りなのか?

冗談はさておき、
日本列島の文化は多様です。
北海道にはアイヌ文化がありますね。
本土には大陸からの渡来した文化がありますし、
沖縄には南国独特の琉球文化がありますね。
それぞれ地域色の強いこの3つの文化も、
もとをたどれば、いずれも「縄文文化」に行き着く。
つまり、現代日本列島の文化の基盤は
縄文文化にあると思われます。

●それは梅原猛の本を読むとわかります。

宗教、言語、風習など、多くの点で日本の文化は圧倒的な縄文文化の影響のもとにある。
縄文文化こそ、日本文化の基底にある文化であり、
この文化の理解なくして日本文化を、ひいては日本人の美意識を理解することはできないと。


●岡本太郎は吠える
岡本太郎が日本においてただ一つの優れた芸術と称賛したのが縄文土器、
なかでも中期縄文土器の『火焔土器』であったことは有名ですね。
奔放極まる抽象の土器であり、まさに爆発する芸術。
 岡本太郎は縄文土器の背後に
 隠れた「巨大な霊の世界」を直感したに違いない。


●真脇遺跡(まわきいせき、石川県鳳珠郡能登町字真脇)の「環状木柱列」を知っていますか?


遺跡最晩期の土層からは円状に並べられたクリ材の半円柱が発掘された。
10本の柱で囲んだと思われる直径7.4メートルの環状木柱列で、各々の柱を半分に割り、
丸い方を円の内側に向けている。その太さは直径80 - 96センチもある。小さな環状木柱列もあり、
これらは何度も立て替えられたと考えられています。

これは、イギリスで4000年以上前にケルト人によって造られた
ストーンヘンジ(ストーンサークル、環状列石)に似ているのではないか。

これらは「太陽信仰」と関係しているのか、日時計や暦なのか?

でも天皇制の無いころの、宗教行事だとしたら…?
奥能登に天皇のような時を告げる仕事をしていた支配者がいたのか?

真脇遺跡から掘り出された土器の量は、パンケースで約1,500箱だったらしい。
捕まえたイルカの肉屋油で交易をし、豊かだったらしい。
同遺跡からは舟のかいが出土しており、イルカの加工品をかめに詰め、丸木舟で一気に七尾辺りまでは持って行ったという学者の弁。

大量の土器
石器、
土製仮面や土偶などの土製品、
玉類(ヒスイの小玉など)、
石棒石刀類、
装身具(人形形ペンダント、耳栓形耳飾り、楕円形ペンダントなど)などが出土しています。


●いまも縄文文化が残っているのか? 

僕にはわからない。

だが、奥能登の手つかずの自然に、
波の穏やかなエメラルドグリーンの能登町小木の入江に
車を止めて
佇むだけで
圧倒的に癒される。
これって
縄文の何かがコールして、僕の血が騒ぐのかな

みなさん、一度
奥能登に来てくみてださいね
そこには縄文の何かがきっとあるのをかんじまっせ。

TIMELESS

2017-05-30 09:08:16 | 骨董
●NHK「あの人に会いたい」で石岡瑛子を見た。

作品は衣装であれ、なんであれ、「TIMELESS」でないとだめなんだと言っていた。


「TIMELESS」ってなんだろう?


永遠の、時代を超越した…という意味です。



●彼女の経歴がすごい

1970年、石岡瑛子デザイン室として独立し、パルコや角川書店などの広告で1970年代の日本で活躍。

1980年代からは活動拠点をニューヨークに移し、メディアに限定されない分野で国際的に活動した。

映画や演劇においては、セットデザインと衣装デザインの両方を手がけるが、衣装担当のみの作品も少なくない。

主な受賞歴に、アカデミー衣裳デザイン賞、

マイルス・デイヴィスのアルバム『TUTU』のジャケットのデザインでグラミー賞[3]、

ニューヨーク映画批評家協会賞、

カンヌ国際映画祭芸術貢献賞など多数。

2002年には、紫綬褒章を受章。

ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラらとは交流が深い。

2008年の北京オリンピックの開会式では 衣装デザインを担当した。


蜘蛛女の異様な衣装のデザインはすごかった!衣装をはみ出している。オリジナルな世界感。


●ふと、

「骨董の本質は、TOMELESS」ではないかと気づいた。


骨董が、なぜ今も多くの人を惑わせ、中国やサザビーズ・クリスティーズで

小さな陶磁器が何十億円もするのか?



永遠の、時代を超越した…TIMELESSな美が


そこにあるからだろう



そういう意味では、中島誠之助先生が4つ目の発見といって、世を騒がせた天目茶碗は

僕には腹に落ちない。


TIMELESSな美が、そこにあるだろうか?








●追伸


TIMELESSな美は

古美術にだけ宿るものではない。


機械式カメラや

武具や

日本の懐かしいタイルや

革のアンティークバッグにも

見つかるかもしれませんよ



骨董市へ


GO



●(余白)ふふっ


故人が残すモノから、その人の世界観が見える…

2016-12-26 19:10:16 | 骨董
●あるばあちゃんの残した古いものを買わせていただいた。

革や着物や俳句や洋服

洋服は近所の洋品店で仕立てたものだ。

革細工や裁縫をして、人生を楽しいんでいたんだろうな。

その人には会ったことはないけど

そのひとはきっと物を作って楽しんでいたんだろうな

小宇宙、世界感が残されたものからうかがえるのだ


●2,3年前に旧市街地で買い取りをした。

亡くなったお爺さんの遺品の買い取りだ。


自分で掛け軸を仕立てたりしていたそうだ。

そのお爺さんはすごい趣味人で、残されたものは面白いものばかり。

ふるほんの山。戦前の雑誌やチラシの山。古い紙モノ。

篆刻をやっていたので、ハンコや

篆刻の道具。

ガラスを切る道具、革を切る道具。銀のキセル。

それらが引き出しにぎっしり。

ああ、このひとは人生を楽しんでいたんだな。

世間体とは無縁に、自分の小宇宙を完成していたんだね。



●旧市街地のカメラマンのお家も

おもしろいものがあった。

森山大道の写真集、

若いころの篠山キシンの写真集、

古いアメリカの雑誌、

学生紛争の写真集など写真集や

さまざまなアートに関する本があった。

このひとも、一貫した趣味の世界に生きたんだね

●家人に聴くと、故人は楽しく人生を過ごしたとのこと。



幸せな人は

楽観的に、

世間体とは無縁に、

自分の世界感を築いた、

そんな

趣味人が多いようだ…









フランス人骨董商、西洋アンティークと和物アンティークを比べる

2016-09-05 20:18:11 | 骨董
市場も国際色豊かになってきた。

先日の競り市に、フランス人がいた。

ちょっと話たら、面白いことが分かった。

「なぜあなたは、フランス人なのに、西洋アンティークをやらないで、和物をやってるの?」


すかさず彼は切り返す。

「なぜあなたは和物をやっているの?」このへんはフランス人らしいな…

彼は続ける。

「西洋アンティークはほとんど疵があったり、使用した状態で出てくる。

ナイフとかフォークとか器も…。日本の骨董はきれいです。

いろんな種類もあるしね?」

「フランスには蔵はないの?」

「蔵があるのは世界でも日本だけ。

蔵文化・箱の文化は日本だけだよ」


そういえば、名家の蔵じゃなくても、古い日本の蔵には

桐箱にナンバリングがしてあったり、きちっと保管してある…




西欧のアンティークジュエリーは例外だと思うが

あれも日本の中世の仏教美術や書画・壺から見ると新しい。

アンティークジュエリーの中でも現在市場に流通するアンティークジュエリーの多くは、

19世紀後期以降のもの。フランス革命によって王政が滅びた反動で庶民が買うために量産された。

18世紀のジュエリーというのは、現地のアンティークショップに行っても、ほとんどのお店にも一点もないのが普通だ。


アジアでは韓国は何度も戦禍に遭い、中国は毛沢東が骨董をぶち壊したので古いものはほとんど発掘品だ。

蔵文化・箱の文化は日本だけ…

山田 宗美…鉄のマジシャン  没後100年展、加賀市美術館でやってます

2016-07-13 23:14:46 | 骨董
山田 宗美をご存知か?


鉄打出しの名工であり、

一枚の薄い板から

兎やタヌキ

布袋などを

生み出すのだ。



現在は再現不可能な「幻の技法」。





一枚の極薄い鉄板を、均一の厚さを保ちながら、金槌を使って打ちのばし、

裏と表を打ち絞ることによって置物や花瓶を造形していく鉄打出工芸。


たった一枚の鉄板から形成されているとは到底思えない躍動感あふれる精緻な写実表現は

他の追従を許さない。

しかし、この技法を生み出された過程や技法の詳細などを特定できる資料は残されておらず、

現在は再現不可能である。


市場で鉄瓶が出て、1000万円を超えた瞬間を見た。


明治工芸の秀作ばかりを集める

京都の

清水三年坂美術館にもおさめられている。


古い蔵出しをしていて、一度、山田 宗美と書かれた桐箱を見つけたことがある。


ドキドキしてあけると、

空だった。


箱はたまった他の空箱とまとめて


競り市場に放り出した。


安値だったことを覚えている…