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あなたの人生の伴走者、古都金沢のふるほん・古道具・骨董商「ふくもも文庫」。買い出しいたします。

★文化や教養力があれば毎日は楽しく過ごせます。ふくもも文庫はあなたへ癒しと笑い・懐かしさを届けます。

古い箪笥を新しい部屋に置こう。古い革袋に、新しい酒が似合う…

2014-03-06 18:06:58 | 骨董
自宅を建て替えるそうで、加賀水屋箪笥を知り合いから頂いた。

でかいものは邪魔だし売れないので

断ろうと思って行ったのだが、小ぶりでかわいいし、引き戸が欅なのでもらうことにした。

「げっ、虫くっとるやないか?」

数か所穴があいてぼろり…

しょうがない。タダだし文句は言えないな

洗剤で洗う

虫食い箇所は、ウッドパテで埋める。

汚いシミは特殊な洗剤で洗う。

板の隙間は和紙を張らねば…

ふき漆は高いしカシューは塗るのが面倒なので、糠油で磨こう

粉雪の舞う中、一時的な洗剤での洗いは終了した。


本来、水屋は、水を扱う台所など指してます。

後になって、そこに置いて食器などを入れる戸棚のことを水屋、あるいは水屋箪笥と呼ぶようになりました。

今で言う食器棚のことです。

モダンな建築物×レトロ箪笥≒?

その人の人生が垣間見れる瞬間

2014-02-03 06:52:21 | 骨董
その人の人生が垣間見れる瞬間というものがある

たとえば露天商をしていると
顔なじみの客が長話をしたりするが
その中の一人に、骨董業界では名の知れた
古美術商の若い2世がいた

彼は自分を道具商と名乗ったり、言われるのが本当は
嫌だという
茶道具商は古道具屋や露天商をあからさまに見下す傾向があるそうで
「奴らとは違う」と一線を引くのは上の世代の特徴だと言っていた

また、いま茶道具が売れないので、売りたいものから→売れるものにと
ためらいもなくシフトしており、そこにも抵抗を感じるらしい

「こうやって売りたいものをマニアに楽しく売る。そこがうらやましいなあ」
とのこと。

とはいえ、審美眼が試される数百万数千万円の茶道具の世界がわからないので
こうしているのだが…

拝啓 白洲正子さま、あなたは「危うきに遊ぶ名人」の心境を僕らに教えてくれましたね

2013-11-05 18:38:23 | 骨董
○ 白洲正子が評論家の小林秀雄について書かれた文章(遊鬼―わが師わが友 ・新潮文庫)が面白かったので、例のごとくうる覚えだが書いてみるね

A茶碗の美しさ


B美しい茶碗

これは決定的に違うと小林が言っている

Aは抽象的で観念的。美術館からモノを眺める感覚に過ぎない

Bは所有して、使ってみて初めて到達する感覚


そうして小林は骨董の所有にはまりまくる。


◎白洲正子さんが、骨董屋で珍品堂・秦氏について書いたところはさらにおもしろく、いつまでも頭に残り
僕は眠れなくなった。

こちらも、本質をとらえていると思う。

秦氏はニセモノを客に「つかませる」ことでマスコミ的に当時、有名な骨董商であった。しかし、実際は知識や感性や掘り出す情熱がすさまじくすごい人だったそうだ。

よく骨董はニセモノか本物か、問われるものだが、「真贋の鑑定」ができる知識を持った人は、世の中に多い。

しかし真贋を超えて、面白いものを買ってみる勇気を持った人は案外と少ない。
秦氏はそんな人の一人だ。

白洲正子さんはその点を評価し、共感し、一つの言葉を残す…つまり、「名人は危うきに遊ぶ」

たとえば、白洲さんが秦氏から買った古伊万里の壺を見て、ある骨董批評家が「ニセモノだ、理由は線が弱く切れ切れだから」といったとのこと。

白洲正子さんはそれに対してこう述べている

決して直線の赤い線だったらこの古伊万里を買わなかっただろう
とぎれときれで曲がった線だから秦さんも私も面白がって買ったんだと…

ああ、最初から真贋かどうかにとらわれると大切なものを見失うのではないか?

グレーなものであっても、自分らしい面白さをそこに見出し、掘り出すこと。

骨董の本質的な価値はそこにあるのだ!≒自分を掘り出すんだ

たとえば、正札のついた価値の決まったものを買う人は、生涯間違いのない人生を送るだろう…

しかし、青山二郎も、小林秀雄も、珍品堂秦氏も、白洲正子も、そこにはいない

本当の面白さがそこにはないことを知っているからだ。

自由でとてつもなく勇気のいる脱線街道へと舵を切る人生はすこぶる発見が多く、
本当の面白さはそこにあるんだとわかる。

☆ゆえに、名人は「危うきに遊ぶ」のであろう…


失敗の確率が多少増えたとしても、人生を面白おかしく過ごしたいなら、自分の眼を信じて、勇気をもって行動しようぜ

カネ遣いという教養…藤原敬之/著(新潮選書)を読んで、「茶道の本質」を考える

2013-10-21 18:39:42 | 骨董


ファンド・マネージャーとして億単位の収入を得ていた著者は、ありとあらゆることにカネを使い続けてきた。
いまや高給を得られる職を辞し、二度の離婚でカネはすべて失ったが、後悔はいっさいない。
「教養」はこのカネ遣いによって手に入れられたのだから。
ルーシーリー、骨董、魯山人、読書、音楽、オーディオ、家具…
モノを買うことにっよって、物の背景にある知識・教養・歴史などの
モノの奥に潜む本質にインターフェース(接続)できるそうだ。


★感心したのは「茶道」に言及した箇所について。うるおぼえだが書いてみるよ。

①戦前は、経済人はすべて茶道をやっており、小さい庵は「教養」というセンスと知識を武器に戦う
男の舞台だったそうだ。
掛物・器・会話・料理…戦前の大物経済人は教養がないと話にならなかった。
教養を磨くために、総合芸術である茶道を極めた。日本人の美のセンサーが経済人の本質に宿負ったために
不況からの復活も底堅かった。が…

②戦後は、経済人は茶道の文化が消滅、「ゴルフ」がやってきて、それにとってかわった。
しかしゴルフは教養を、美意識を磨けない。

残念である…

③戦国時代はどうか?、

武士たちは、死を意識して日常を生きる時代だ。
戦場では死にざまを競い、卑怯な戦いを嫌う。
生きているうちは、小さな茶室で大名たちが茶で、戦いを繰り広げた。
ここでも教養・センスの戦い。
茶入れ一個と、城が交換されるなんて、どうおもう?
彼らの茶道での戦いの美学を知らないとばかばかしく思えるよ。。。

だが彼らの美学を知ると、サムライの教養の高さが現代人の到達しえない領域だと理解できる。

だって僕は家一軒ですら、道具一個と交換なんてする勇気など無いもん…

目利き・男気の度を越えている。超人の世界感だな

④著者は現代の茶道を、おけいこという形式に堕してしまったと切る。

⑤茶道とは本来、己のセンス・教養を賭けて、
向い合うライバルとの「戦い」、美学、生き様である。

だがそんな概念は戦後、溶けてしまった

実に残念だ…





今の時代、骨董品は投資たりうるか?

2013-10-05 10:49:21 | 骨董
1953年に、三宅久之助という人が著した、『美術骨董品投資の秘訣』という本があるそうだ。

ポイントは

①美術骨董品が、投資対象として
一点一点が異なっていて一般的・客観的価格の標準がないこと

②「子(利息、配当、地代、賃貸料等)を生まない点」

③子を産まない以上、価格の値上がり益が投資収益になる。

④ではどんな骨董品が値上がりしやすいか?

第一に、「金持ちが欲しがるもの」という基準。
 価値と価格(相場)とは、常に一致はしない」

次に、「一般の認識」という基準。

「必需性のあるもの」という基準。

例えば茶道具。古道具が好んで使われる。現在の茶道において使われる古道具は、現在も確実な需要があるというのである。

「近代性のあるもの」という基準。
 古美術においても、人気が高いものは、「永久に近代性を包含する不易性を備えている」。


うーん…、

定期預金なら→利息
株なら→配当
土地なら→地代
建物なら→家賃

骨董は?なんも生まない・安らぎという不確かなものがうまれるけど…

要するに骨董は、毎月のインカムゲインは得られない投資対象であり

買った時の値段より、売った時の値段が高いという差額を狙う、いわばキャピタルゲインの投資対象です

僕の商品を買ってくれるコレクターたちは、年寄になると
「自分が死んだら子供にごみとして捨てられてしまう」と
嘆くときがあります(どんなものうりつけとんねん?)


反対にある中国人は子々孫々まで伝えて、キャピタルゲインを狙うといっています

昔は日本人も、財産三分法で、株・不動産・骨董に分けてインフレにそなえ、蔵を建てて骨董を
貯蔵したんだよ

いまは…

蔵出ししても、すでに業者が入ったとか、現代のマンション暮らしに合わない「輪島塗」の漆器の山々…



コレクターはどうでしょう?

確かに好き(数寄)だけでは自己満足。

正直になりましょう。

買っといたら値が上がったってのが、趣味と実益を両方狙えるからおもしろい!

でも将来の値上がりなんて予測できる?生活様式も変わっていくのに?

そこでさっきの本に書かれている、値上がりの4パターンを検証してみる。実践、古美術美術投資クラブSTART!

第一に、「金持ちが欲しがるもの」という基準。
そのなかでも価値と価格のずれという点で3パターンある。ABC
 
A 日本と海外の、価値≒価格が一致

一時に比べて骨董は1/10の価格になったといわれるが、いいもので量の少ないものは全く価値が落ちていない

たとえば、下落著しい焼き物であっても、古九谷など時代があって美しい大名品、
明治の超絶技巧の工芸品などはちっとも価格は落ちていない。

世界的なコレクター、たとえばサザビーズ・クリスティーズは、日本美術を世界中に売る。
海外の富裕層は自家用ヘリで屏風一枚を見に来て10分足らずで帰ってゆくという話だ。
2008年3月の日本・韓国美術オークションにて、伝運慶作大日如来像(現真如苑蔵)を1430万ドルにて売却、日本古美術品としてのオークション史上世界最高額を記録し、当該作品は2009年春に重要文化財に指定されたよううに。

世界的なコレクターがいるという視点でいうと、根付や武具、仏像など小さいものなら100年後の孫の喜ぶ顔がそこにある…
かも。

B 海外のほうが日本より価値が高いもの


金持ちといえば、いわずとしれたチャイナマネー。
優れた中国美術品が大量に所有されている日本では、
回流美術品を求める中国の業者が活発に買いあさっており、
日本からは膨大な量の美術品が中国に運ばれているよ。
南宋貿易の品々・黒檀・絵画、
はては茶卓や象眼の鉄瓶から赤珊瑚やらなにから…
いつまで続くか、中国の少子高齢化が始まる20年後までは売れ続けるようだ。

 日本人から見ると価値は低くても、海外では価格が高い典型やね。

C 日本では価格が高いが、海外では価値は低い。

 日本人だけに人気の画家・作家。


 換金可能性≒A≧B≧Cかな

次に、「一般の認識」という基準。銀製品・金製品・プラチナ・宝石類ならば普遍的。

「必需性のあるもの」という基準。

これはようわからん。数寄者・文人墨客が絶滅危惧種な今、茶道具は茶道人口の動向次第なので、将来性はわからない。何かするときに必ず使うもの?家の建て替えで、人気のあるビンテージ建具・家具とかかなあ…

「近代性のあるもの」という基準。
 永久に新しい…

 デザインが優れたもの。
 今もおしゃれで新しい驚くものってものは、骨董には縄文から江戸から昭和まで無限にある。
 驚くものなら何でも買いってことだね。
 僕が好きなのは、昭和のプラスチックのトランジスターラジオ・置時計や4号電話機などかわいいデザイン。
 しかも今が底値、チャンス





◎ 一方、投資とは無縁の、お金ないひとは?

 自己満足を貫こう
このあいだ瓶のジュースの自動販売機の栓抜きを300円で売ったが、そんなものを嬉しそうに買うのは若い人だけ
投資もへちまもない

かわいいから
面白いから

高いものは買えなくても、コレクター魂を持つ人は幸せだね



 物がほしいほしくて死にそうだという20代30代前半は、ブリキのおもちゃにはもはや関心が少なくて、
安くて買える範囲のモノを集めているし、そうなれば
AKBやガンダムやフィギュアがやがて骨董となるのだろうね。マジンガーZや仮面ライダーウルトラマンは
40・50のひと。手塚治虫世代の購入額がフェイドアウトしつつあるような…

 ブリキのおもちゃや茶道具をよろこぶ世代は、お金持ちが多いけど、年を取り購買意欲が落ちてゆく。
あちら立てれば こちら立たず…が、あっちこっち

◎そして1000年後、何が残るのかな?

個人では予測不能でしょうね

僕の集めた漫画弁当箱や気泡の入った薄い色の昔のビンは確実に捨てられるだろう

栄枯盛衰の中、子孫は持ちこたえられずに、他人の手にわたる。大名品も海をわたるかも。

明治の大茶人など古美術を集めた人のものも、子孫に残っているケースは少なく

前田家の横山家の売り立ての本をもっているけど、廃藩置県で売り立てで、財宝はちりじり。

美術館にわたればいいほう。

清朝の蔵出しで、多くの中国美術が欧米と日本に。


1000年財宝を守れるのは個人じゃない。

天皇家≒日本国



この国はイランや中国などシルクロードの国々、製造元が一個も持っていないペルシャガラスや弦楽器を
、数千年間、「正倉院」という蔵に大切に保管できたキセキの民族だから

人類遺産保存国≒にほん

びじゅつかんごしにながめるものもあっていい。国が投資し成功したものは骨董といえるね