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あなたの人生の伴走者、古都金沢のふるほん・古道具・骨董商「ふくもも文庫」。買い出しいたします。

★文化や教養力があれば毎日は楽しく過ごせます。ふくもも文庫はあなたへ癒しと笑い・懐かしさを届けます。

よにもふしぎなもの…

2015-06-09 18:45:34 | 骨董
時代がたちすぎて、何のために存在するのか


わけのわからない古道具が たまに出てくるんだ。



握るとちょうど良い、黒石。多くの人に握られて黒光りしている(男性の形ではない!)



革袋を押すと、筒型の銅器から空気が漏れてくる機械



象牙を掘って作られた 顔の無い仙人



妖怪のような抜け感のある架空の動物を 職人が適当に一気呵成に描いた伊万里の江戸小皿



丸いボールのような年輪が何重にもなってできた木の根



「あなたの抱えてる不安や恋愛相談に この道具がとっても効くよ」





金沢の裏通りの夕暮れにたたずみ、水晶を手につぶやく古道具商の影。




角を曲がって、声のあたりを あなたが振り向くと、そこにいるはずの骨董商は消えていた…







ってのはどうですか?

古美術として価値のないものを、コレクションしよう! 自分だけの男の世界はコレ。その名はknickknack

2015-06-08 18:33:20 | 骨董
男の子は小さい時から、おもちゃで遊ぶ。

大人になって、女性から「あなたはいつまでたっても少年の瞳を持っているわ」と言われれば、それはほめ言葉だ。

その流れで言うと、大人になっても、「おもちゃ」は必要だ。

しかし、「わしが死んだら、わしのコレクションは、捨てられるやろうなあ」

と寂しそうにつぶやく中高年のお客様が実に多い。

僕はこういうことにしている。

「もし捨てられることが怖くて、コレクションやめてしまったら

その時間は、豊かな自分の世界も捨ててしまうことになりませんか?

そんなことを恐れるよりも、コレクターとしての楽しい時間を最後まで味わい尽くしましょう」

そういって、いろんなニックナックknickknack(ガラクタ骨董品)を売りつけるのだ。

間違ってませんよね?

だって、大人の男子にも、「おもちゃが必要」で、それは子供のころ親から与えられたときから時は止まらず永遠に続くのだ。

死ぬまで。コレクションが仕事や家庭のストレスを和らげてくれて、「生きててよかった」って思えるのだ。

さて、ぼくも集めています。古美術的価値の無い、ニックナックを。あえて。

なぜなら、

●アンティークantiqueは評価が定まったもの、つまり金のあるやつが勝つ世界。

それに対して、

◎ニックナックは自分だけしか集めていない。
だから金が無くても、
靴底を減らす覚悟で蚤の市を歩けば世界一のコレクターになれるよ。
競争相手少ないし。
自己満足の世界、これぞ大人の男だよ。幸せの泉だ。
換金なぞ、くそくらえだ。
価値の定まっていないところは、人に例えるなら伸び白ありまくりなひとって考えると、とってもポジティブ。

ちなみに僕のニックナックは、

1 古い木箱…たとえばカブトビールとか桜ビールとか麒麟ビールとか戦前戦後の刻印が入った木の箱。美術品的価値はないので
      昔の木の箱は結構集まるよ。古い紙箱もデザインが買いなら買う。ホーローは高いし。

2 水滴…四角い昔の水滴はたとえ印判でもカッコイイ

3 端切れ…藍染の古い端切れは、ジーンズや小物の補修用に。いろんなデザインはかっこいい、一枚1000円の世界だけれど
     世界に誇れるよ


4 昔のピンバッチ

5 ソビエト連邦関連の本…シュールなデザインが多い

6 絵の入った和本

7 化石…ノコギリエイののこぎり部分や、1m以上のツノガイ

8 船の古い部品…冒険者のハートにしてくれる。古い測量の機械も。

9 石人形とか

10 駄菓子屋関連

11 旧日本軍の革のカバン(星がついている)




knickknackは大人の男のサバイバル用具だ。

世の旦那さんの家族たちよ、そこんとこわかってあげてくださいね


ある骨董商のつぶやき…実はプロは本当は知らない、そこそこでよい

2015-04-06 17:37:44 | 骨董
ある露店でのこと。


隣の古美術を専門に扱う骨董商がつぶやいた。


「俺は何十年とこの商売やってるけど、お客さんの方がよく知ってるよ。

コレクターはよく勉強してるよ。その分野の専門家だ。

彼らコレクターから教えてもらうことの方が多いね。

じぶんじゃあ、勉強しないから」といって笑った。

謙遜もあるだろう。蔵出しで、古いものを体感し、

競り市場で失敗して、感覚が身についているだろうから。

でも、すべてのプロになれない。

僕も、たとえばレコードを売るときは、コレクターに出し抜かれる。


「ビートルズナンバー5のレコードでも、帯の色で値段が違う。初版かどうかわかるし

英国製は高くて、日本製は安いよ」とか、

いろいろ同業も含めて商売の場で教えてもらうことが多い。

ガラスだったら、ポンテ痕のカットの鋭さで和といまどきのチャイナ製を見分け、

武具だったら、叩いた音がチーンというかで古い鍔かどうかを判断し

浮世絵だったら、赤の色が薄ければ江戸期、濃ければと明治期がわかる。

作家モノもコレクターの方が断然詳しい。

中古のブランドバッグも、コンディションのチェックは女性客の方が半端なく厳しい。


塗り物だったら、蒔絵の仕方(研ぎだしたものはツルツルでデザインがカッコイイ。しかし手間暇かかる)とかを、コレクターに学んだ。

銅器ならば一点ものか、型ものかなどの見分け方。

◆もので満ち溢れる大海で、本物をすばやく見分けるコツとはなんでしょう…

専門のコレクターの身に付けた

膨大なカネと時間をつぎ込んで出来上がった物差しを

タダで分けてもらうことなのか。

逆に知らない方が、教えてもらえたりするので、そこそこでいいのかもしれないなあ。

プロが全分野を完璧に知っているものだと思ったら大間違い。当たらずとも遠からずに着地できる感覚がプロ。

だとすれば、これから社会に出る学生は臆することなど何もないのだ。

リラックスして自称プロを目指せばよいのだから…

中国に出自のあるものだけを買う中国人は、なぜ日本製の古い「鉄瓶」を買い続けるのか?

2015-02-11 12:25:54 | 骨董

この質問を以前から鉄瓶を中国人に売りつけて

かなり儲けて外車を買った骨董屋さんになげかけると

「健康ブームじゃない?。

それと鉄瓶のランキングの日本より詳しい本があるらしいよ」

とのこと。

なんかわかったようなわからないような…

そこでネットで調べてみました。


1 日本国内から古い鉄瓶が消える

行先は中国と台湾。

日本の骨董商が見向きもしなかった錆びた鉄瓶。

しかし中国人たちは物の価値をよく知っている。


ここ数年、日本の鉄瓶は重要な茶道具の一種として、中国のメジャー市場に徐々に浸透し、高級品の収集家を魅惑してきた。


2 ●ではなぜプライドの高い中国人が日本の骨董である鉄瓶を買い続けるのか?


中国の煎茶の歴史は3000年。

日本は煎茶の歴史だけで言うと300年。

しかし鉄瓶を生み出したのは日本人だったのだ。鉄瓶は実は 日本オリジナルなんだね。


日本の茶道において用いられる「茶釜」に取っ手を付けたのが、鉄瓶の原形であった。

史料によると「鉄瓶」という言葉が最初に現れたのは、江戸時代の天明年間(1780年代)、中国の清朝乾隆年間(1736-1795)。

鉄瓶の産地として最も有名なのは、

A京都三条釜座や
B山形鋳物、
C長浜の晴寿堂、
D京都の龍文堂、
E南部鉄器
1リットル以下のものを「鉄急須」、1リットル以上のものを「鉄瓶」と言う。


ではなぜ自国の骨董にプライドを持つ中国人が敢えて日本製の鉄瓶を買うのでしょう?→自国にないから。それに加え…

3 日本人の長寿の秘密と中国人の健康ブーム


 日本の平均年齢は女性が85歳、男性が77歳で、研究者によると長寿は飲食と関係している。

 日本人は、鋳鉄類の鍋や鉄器を使って食物を煮たり茶を沸かしたりするのを好むことが、中国でも知られる。

 鉄器を使用している100歳以上の高齢者のほとんどが貧血や鉄分不足になっていないという統計もあるそうで、

 鉄瓶は健康にいいと、中国人は思っているらしい。そういえば新しい鉄瓶はフランスやイギリスでもブーム。

 現代人は鉄分が不足がち。貧血予防やね。

4 今も大陸で使われている日本製の古い鉄瓶


 現在、中国大陸部と台湾地区で流通している古い鉄瓶は、ほとんどが大正から昭和にかけてのもので、1925年前後のものとされる。

 こうした80年ほどの歴史のある鉄瓶は、台湾では骨董として大人気なのだ。

 かの地では本当に優れた収集家は、古い鉄瓶を使用し手入れすることによって、そのもともとの価値以上の美しさを引き出すものだとさ

れている。丁寧に錆を落とし、磨かれ、大切にされる。露店で転がされている扱いとは違う。台湾に日本の鉄瓶が嫁に行った方がいいのかもしれないね。

5 今では再現不可能な鉄瓶を中国人は買うのだ


 古い鉄瓶に収蔵価値があるのは、日本の昔の鉄瓶だからなのである。理由は以下の通り。

 日本の鉄瓶作りは400年余りの歴史があり、ひとつひとつ手作りされる。

 鉄瓶の外側の模様は細かく、鉄瓶を作る釜師が一代一代伝えてきた伝統の味がある。

 だが時代の変化に伴い、古くからの工房の中には継続できずに閉鎖したものもあり、古い鉄瓶に高値が付く原因の一つとなっている。

 日本の鉄瓶には、鋳鉄のほかに砂鉄を使ったものもある。

 砂鉄を使ったものは稀少で、価格も高い。

 中国国内の鉄瓶はほとんどが大量生産されたもので、鉄の質も保証できない。数百元で買えるようなものでは、

 日本鉄瓶の旗を立て、これを真似ようとしているが、中国では再現できず、日本の古いものの足元にも及ばない。

 日本鉄瓶の精髄を味わうことはできないのだ。

 国内の価値のある再現不能な古い鉄瓶は、国際的な価値を知る中国人の手によりかくのごとく海を渡って行った。


 


6 新しいものものでも、 南部鉄瓶は中国で成功した。


プアール茶なんかは特に、熱々に沸かしたお湯で飲むのが美味いとされている。



そんな文化を背景に富裕層をターゲットにして、

一点物の南部鉄瓶(あたらしいもの)がドンドン売れている。



元々は、上海万博で展示されたりしたことがきっかけで、ブームとなった。



10万円以上の鉄瓶をポンと買って行く金持ちがいるそうです。

●鉄瓶はいまでもいいものは、気の遠くなるような作業工程を経て作られます。

鉄器職人の何十年という経験と、工房の長い歴史が

刻み込まれた逸品です。丁稚奉公から始まって40数年の職人さんがいらっしゃってら初めて造ることが可能となります。

本来ならもっと高価な鉄瓶が多く世に存在してよいはずなのですが、もう造ることが出来ないという状況があるのです。


7 中国人バイヤーはそれらを知っているので高く買って

本国でさらに数倍の値段で富裕層に売るのです。本当は中国へ行って売ったらもっと高く売れる。

大陸に店を構える日本の骨董屋さんも聞きますね。

タフでたくましくて尊敬します。PM2.5に対応可能な肺を持っているに違いない!

「北京・上海は売り物が少ない。骨董品はいくらでも欲しいが、文化大革命のせいで中国国内ではほとんどの骨董が

破壊され残っていない」と中国人バイヤーは嘆きます。


8 次に何が売れるのか


煎茶に関するものはもう値段が高いですね。時すでに遅し。茶卓や竹の茶味とか。

要は中国と日本の歴史で両国に過去数百年前に同じブームが起きたものかな。

たとえば七宝も…中国と日本で盛んだったなあ。そうや。明治の七宝集めようかなあ…儲けとは、欲目が生み出す 赤子です

中国骨董ブームはいつまで続くか?

2015-02-11 10:55:21 | 骨董
最近、友人が 「朱泥の急須がヤフオクで高値で売れたあ」

儲かったとほくほくしていた。

持ち手が後ろについているのは中国の急須(日本製もあり)で、横は日本製。銘のある中国製が売れる。

煎茶は中国の歴史が長いから。でもなぜ日本で買うのだ?

そして中国ものを探し出し、焦って売っているが

そんなに焦らずとも

いいというのがしらべてみてわかったことです。


●さて、日本の骨董屋の得意先である中国人。

いったいいつまでこのブームは続くのか?

調べてみたらこういう感じでした。



1 中国のことわざに「盛世には骨董品を収集し、乱世には黄金を買う」という言葉があります。


 中国は政権が変わるたびに略奪・放火が多かった。骨董は資産を増やし、それを維持する伝統的な方法です。

 銀瓶や金製の骨董を好むのも、乱世に備えるからだと思う。

 なんだ、向こうにあまり品物がないのだから、足元みられる売り方、たとえば相手の指値では売らないようにすればよいし

 中国国内での価格に敏感でありたいですね。

2 中国の骨董品は、不動産・株とてんびん関係?

 中国人は不動産や株へ向かっていた投資資金の一部を骨董市場に流しています。
 
 今は不動産も株も下がっているので、行き場を失ったじゃぶじゃぶの現金が日本の骨董に流れ込んでいるのだ。

 さらに上海と重慶で始まる固定資産税の試験的導入があるそうです。不動産価格が下がれば、さらに骨董市場へ。

 私的な土地所有は認められていないことから、土地に流動化を与えるため、「土地使用権」という考えが生まれました。

 「土地を使用する」権利である土地使用権は、日本における「定期借地権」に近い存在であるといえます。

 しかし中国で問題となっているのは、この土地使用権があまりにも無力であること。

 分譲マンションでも、「15日以内の立ち退き」を求められた住民らが取り消しを求める裁判の準備に追われています。

 マンションが立てられたのは2002年。当初は70年間の土地使用権が認められていた。

 ところが、地元政府がここを「リゾートビジネスエリア」にすると言い出した。これも全て「公共の利益」のためだという。

 中国のように個人の人権が重視されない社会では、「公共の利益」は絶対的なものです。


 共産党は絶対。

 「何でもあり」の世界なのだ。その「公共の利益」の定義を決めるのも、もちろん政府。

 住民らの裁判の結果も目に見えているそうだ。

 似たようなことは中国全土で起きている。「中国の建物の寿命はわずか30年」と中国政府が発表していたが、

 これは建物の質に問題があるのではなく、築後わずか数年の建物が簡単に取り壊されるケースが頻発しているせいだそうです。


 彼らは基本的に国内で安定的な不動産投資ができないので、

 投資対象が先進国より少ない。財産三分法(土地・現金・株)のうち、永久的な土地所有権が無いのだ。

 だから安定を求めてカナダやアメリカの土地建物や日本のマンションの実物を買うのです。

 そういえば東京の湾岸の高層マンションの最上階の購入者は中華系、チャイナ個人マネーの嵐です。


 ★そして骨董が財産3分の一角に!?

 骨董も我々が考えるより、中国国内の構造的ともいえる問題から、より購入意欲が高くならざるを得ず、

 長期的な投資対象となるみたいですね。

 くれぐれも焦って安く売らない方がいいのです。





 
3 愛国主義  増える骨董品の買い手の数が今後増える?


 クリスティーズによると、骨董のオークションに参加する富裕者層は、北京、上海、広州といった大都市部だけではなく、

 山西省、四川省、東北地区などからも参加者が増えつつあるそうです。

 今後20~30年はこの熱は冷めないと見られています(クリスティーズの感想です)。

 英フィナンシャル・タイムズは「陶磁器の愛国主義」と名付け、世界各国に散らばった文化遺産の回収を通じて、

 愛国心への憧れを満たす中国の富裕層を形容しました。里帰り品ブーム。

 金持ちの数がけた違いに多い中国。そして庶民までもが骨董に目覚めたら?!買い手は数億人になるね。

 ゆっくり売った方がいい。

 掛け軸など売ってしまったら彼らは去ってゆくのだから。

  



4 官窯好みだが、本国にはそれが残っていない。


 中国では明清時代の陶磁器が大人気。


 どの皇帝の時代に作られたかによって値段が変わります。

 皇帝の権力が強い時代ほど、品質も高いとされるためです。

 戦乱や内乱に明け暮れた近現代の中国は、貴重な文物が海外に大量流出しました。

 欧米列強の略奪や考古学調査団の持ち出しに加え、人民も生活のために外国に売るなど密輸が一時期は常態化していた。

 文化大革命の時にも、多くの骨董が壊され、失われたそうです。


 そのため近年海外に流出した中国の文物の還流に力を入れており、里帰り品ブームに。日本も韓国もそうでしたね。

 

5 本国は偽物ばかり

 今度北京に行く予定ですが、北京の第三環状の南東側にある潘家園旧貨市場は中国で一番大きいアンティーク市場です。

 日本の蚤の市と異なり、99%はニセモノだそうです。


6 本物はどこだ?仕入先はニッポンだ


 ニッポンの競り市場に来る中国人骨董商が言うのは、

 「日本の中国骨董は保存状態が良い」。

 「中国は偽モノが多い」

 中国人の骨董買いは当面ばく進する。

 貴金属・株・外国の不動産の代用として、

 庶民のいざとなったら抱えて逃げられる手元の資産として。
 
 不況の安全弁として。 

 ●結論:いいものは数が本国にも無い。

     中国人の骨董ブーム、これから20年はだいじょうぶ。