あっちもいいな、こっちもいいな

乳がんになって初めて気づいたこと

終了のシール

2007-11-27 16:38:13 | Weblog
11月27日

放射線の外来の日だった。

行きのエレベーターで一組のご夫婦がエレベーターの階数に迷っていた。

地下一階と二階で放射線が行われる。

普通の放射線は地下一階で、放射線治療は地下二階であった。

確かに初めてだと迷う。

間違えて地下二階に行ってします患者さんもいる。

放射線治療ですかと聞いた。

はい、と返事があったが、まだ迷っているようだった。

あっという間に地下二階についた。

受付に行って始めて納得したようだった。

これから、放射線治療を始めるのだろう。

私もそうだったが、二人揃って不安感からか、落ち着かない。

私もきっとそうだったのだろう。

放射線科は女医さんが多い。

何にもなくてよかったですね。

ありがとうございます。

肌は乾燥肌ですか?

突然言われ、きょとんとしてしまった。

いえ~、特にそうではないと思いますが。

放射線を浴びたところは乾燥肌になるので保湿してください、特にこれからの季節は乾燥するので。

カサカサになるのか。。。

保湿剤とか、乳液をつけて乾燥を防いでください。

顔と同じですね。

そうですね。外側から乾燥を防いでください。

保湿クリームを塗るか、乳液でいいか。。。なんて考えた。

今日で終わりです。

カルテに「終了」のシール?が貼られた。

ごくそうさまでした。

最後に先生は丁寧にねぎらってくれた。

様子を見るために半年後のアポイントをとって退室した。

さっきのご夫婦がカーテンを隔てた隣で説明を受けているようだった。

がんばってくださいね。

身体は順調に回復

2007-11-23 10:35:31 | Weblog
11月23日

だんだんと目にみえるところで変化が現れている。

髪の毛は順調に元気に伸びている。

といっても10センチになったわけではないが。

今までベビーシャンプーを使っていた。

ちょうど使い終わったが、使い心地が気にいっていたのでもう一回ベビーシャンプーにすることにした。

爪は黒さがひどかった親指が、だんだんと普通の爪の色になってきた。

病院で知り合った人は爪に断層ができてしまっている人が多かった。

胸のマジック?は少しずつ色が薄くなっていった。

些細なことだけれど身体自身が回復に向っているのが分かる。

ところが、蕁麻疹が問題だ。

先週、薬を貰いにいったら、この薬は飲み続けてくださいと言われた。

まあ、症状がでてなければ、ただ飲んでいればよいのだが。

数日前から、手の指が痒い。

掻くと小さな赤い発疹がでる。

ずっとではないので、あまり気にしなかった。

昨日、外出した時、ブーツの中で足の指がくすぐったい。

寒かったので、帰宅してすぐお風呂に入った。

すると、両足の指がかゆ~い!

風呂桶の中で、思わず指を掻いてしまった。

何だ!これは!

しばらく掻き続けた。

もしかしたら、水虫?

かもしれない。。。

ウソウソ~。

足の指を表から裏から調べたが特にその様子はない。

といっても水虫の知識があまりないのではあるが。

寝てからも痒いー。

病院では、蕁麻疹は治療の副作用ではないだろうといわれているが、皮膚はやはり敏感になっているような気がしてならない。

月曜日に放射線科の外来があるので、皮膚科に寄ってみることにした。

それまで何とかあまり痒みがでないように願った。

校友会に出席

2007-11-20 00:02:43 | Weblog
11月19日

週末に大学の校友会に参加した。

数年前にできたばっかりの新しいキャンパスに行ってきた。

ツタの絡まる校舎は街中にあるので、静かな雰囲気はあまりない。

しかし、新しいキャンパスは週末で学生が少ないせいもあるかもしれないが、静かだった。

デザイン賞をとったという校舎を含め、落ち着いた雰囲気は、また、通ってみたいなという気になる。

校友会のためのミサにも参列した。

軽井沢で教会の質素な感じに打たれたが、ここも派手な感じを抑えた教会がよかった。

パーティでは、雲の上の人と思っていた学長や理事長とも話しができた。

お二人の、これからの大学についてにの話しには圧倒されるばかりだった。

大変なのですよと言いながらも、エネルギッシュだ。

帰り道では、当日初めて会った二人の方とお茶をした。

先輩の男性はメサイヤを毎年歌っているそうで、2センチ以上ある楽譜にはびっくりした。

もう一人は同期の女性だが、人道問題を扱っている仕事をされている。

頭がよさそうで、まじめな感じがする方で、何だか私が小さく思えてしまった。

お二人とは、これからしたい仕事の話が中心になった。

一日に何度も刺激を受けた。

私は以前あまり、知り合いのない所に出掛けるのは面倒であったが、変わった。

今回も、予め知り合いのない会に出席した。

だんだんと、初めて会った人と知り合いになるのに平気になったみたいだ。

これは夫の勧めでもある。

元気になった証拠でもあるし、私のこれからの人生を考えて勧めてくれるようだ。

人生っておもしろいなって生きていきたい。

ティファニー展

2007-11-16 17:43:43 | Weblog
11月16日

今、庭園美術館では「ティファニー展」が開催されている。

よし、行こう!

庭園美術館に行く前に、地下鉄の「白金台」で降り、通称「プラチナ通り」にある蕎麦屋に寄った。

利庵」は以前偶然見つけた蕎麦屋だが、ひっそりとした佇まいで中々いい感じの店だ。

肝心のソバはきりっとした?洗練された味がする。

そばつゆもにおいが強くない。

お土産にワラビもちも買った。

ここのワラビもちはイケる。

庭園美術館は入り口から建物まで適当な距離がある。

周りは木がいっぱいで、ちょっとした森林浴気分である。

ストレスが溜まったらここに森林浴に来ようかしら。

すれ違った女性がそんな会話をしていた。

そう、そんな所だ。

「ティファニー展」はジュエリー展なので、どれを見てもすごい!ため息しかない。

ティファニーといえばオードリーヘップバーン。

思いがけなかったのが、何とリンカーン大統領が奥様にティファニーのものを贈ったことだった。

小さなパールが散りばめられたネックレス、イヤリングは小ぶりだがリンカーンが身近?に感じられた。

綺麗!華麗!豪華!上品!

いいものを見ることいいことだ。

帰り道に、いつも行っている美容院に寄った。

いつ行けるようになるかわからないので、一応顔を出しておこうと思っていたのだ。

MOCHI CREAM」を手土産に寄った。

いいじゃない! 似合うよ!

私のウィッグを見て開口一番に言われた。

やっぱり抜けたのかあと言っていたんだよ。

そうなんです、前回来た後、じきにどさっと抜け始めたんです。

こん度こういうヘヤースタイルにしようかしら。。

髪の太さが違うけれどできるよ。

これを機会にヘヤースタイルを変えようかしら。。

帰り際に奥さんに、乳がん検診してますかあと聞いた。

案の定してなかった。

検査するように言っているんだけどねえ。

ダンナが横でほらっていう表情をした。

検査してくださいネ!

今日は盛りだくさんだったが、気になっていたことがひとつ済んだ。

治療の終わり

2007-11-15 00:51:59 | Weblog
11月15日

いつものように治療が始まった。

今日で終わりですね。がんばりましたね。

放射線を浴びているので、皮膚炎を起こしているので、印は無理をして消さないようにしてくださいね。

あのう、マジックですか?

マジックではありません、特殊なペンです。

手で普通に洗えば自然に落ちますから。

分かりました。

治療室の技師さんたちに最後に言われた。

ごくろうさま。

お世話になりました。二度とここに来ないようにしなくては。

技師さんはにこっと微笑んでくれた。

今日で治療といえる治療をすべて終えた。

手術は緊張感が伴っていたが、痛みという想像していたことが無かった。

抗がん剤は副作用があり、終わった!という感激があった。

しかし、放射線は痛いわけでもないし、私の場合副作用がないのであまり感動がない。

あれほど終わりを目標としていたのに、淡々とした終わりだった。

精算をして、一応区切りがついたのかなと思った。

明日から、ガンとの長い付き合いが始まるのかもしれない。

終わりがあるような、ないような。。。

がんばれOさん!(2)

2007-11-13 22:38:37 | Weblog
11月14日

ガン友のOさんから電話があった。

Oさんは今の職場では残業が週2回ほどあり、体力的にキツイので退職したそうだ。

社長さんは、残業としなくてよいと言ってくれたそうだ。

しかしそいうわけにはいかないでしょう。

ありがたいけれど、甘えられいわよね。

だから、決心してやめたの。

そこで、Oさんはガンをきっかけに何かを始めようと考えたそうだ。

今この世の中、生きていくので必要なのはパソコンだと考えパソコンスクールに通い始めた。

彼女は将来的には、ネットトレードをしたいという夢を持っている。

こん度私とメールができますね。

まだまだキータッチを習っている段階なのでまだまだ先よ。

ブラインドタッチができなくてもメール、インターネットはできるのだが。。。

しかし、Oさんが最初の一歩から始めたので、軽率に言うのを控えることにした。

パソコンスクールの先生は元看護士だそうだ。

Oさんがまだ腕に痺れが少し残っているので不安だったそうだ。

しかし、元看護士さんが先生なので、事情を話して安心して通えると言っていた。

元勤め先の社長さんは、少し休んで体力つけて、署を変えてあげるからまた1月から部勤めないかと、言ってくださったそうだ。

Oさんは自分でも言っていたが、めぐまれているのかもしれない。

がんばれ!Oさん。

バッグの汚れ

2007-11-13 09:10:07 | Weblog
11月13日

昨日、病院の前の交差点で、車椅子の女性が必死に通りを渡ろうとしているのに遭遇した。

私は思わず後ろからハンドルを握り、車椅子を押し始めた。

無意識だったような気がする。

通りを渡っても、病院の入り口まではスロープがある。

車椅子を押すのも力がいる。

ここを毎回、手で必死に車椅子を押していくのだ。

電動でもなければ、付き添いの人がいるわけではない。

すいません、すいませんを繰り返す。

いいんです、いいんです。

せつなくなってしまった。

入り口を入ってエレベーターに乗り、2階にいく。

みんな、冷たいですよ。

えっ、そうなのかなあ。

誰でも手を差し伸べるのではと思っていた。

そうか、ここは病院なので、来る人は病人だからなのかなあ。。。

ロビーで別れて、私は放射線治療室のある地下2階に向った。

ソファに座ってハッとした。

バッグが汚れている。

え~ッ。何で~!

分かった。

車椅子を押している時、バッグが車輪をこすっていたらしく、タイヤのよごれがついてしまったのだ。

う~ん。

私も一生懸命だったので、気がつかなかったのだ。

仕方ない、家に帰ったら落とせるだけ落とすしかない。

ダメだったら、同じものを元町に買いにいけばいいや。

そう思ったらさっぱりした。

院内コンサート

2007-11-10 11:26:35 | Weblog
11月10日

待合室の壁には、数多くお知らせが貼ってある。

その中に目についた一枚があった。

病院の一階でコンサートがあるそうだ。

何と病院の交響楽団と書いてある。

交響楽団? すごい!

いくら大病院とはいえ、楽器をやる人は限られるし、オーケストラを編成するとなると大変だと思う。

コンサートというポスターに目がいったんのは、夫の母が入院していた病院でもコンサートがあったからだ。

それはクリスマスコンサートだった。

あちこちの壁に可愛いポスターが貼ってあった。

看護士さんは患者さんや家族に、是非いらしてくださいとやさしく声かけをしていた。

当夜、母を車いすに乗せ、上の羽織るものを持って一階のロビーに行った。

母の車いすを、車椅子の患者さんたちのいる最前列まで押していき、私は離れて少し後ろに立った。

初めて参加したが、看護士さんたちのコーラス、先生の手品、技師さんたちの津軽三味線など、盛りだくさん。

母も舞台に引き込まれ、手拍子でリズムを取っていた。

こんなポスターを見ると、母の姿が浮かんできてしまう。

患者さんたちのために先生、看護士さんたちが忙しい中、練習を重ね、時間をとってくださるのには頭が下がる。

来月はきっとクリスマスコンサートなのだろう。

12月に入ると、病院にもかなりきれいな大きなツリーが飾られる。

来月は、予定として病院には行かない。

ツリーを見なくて済むのを喜ばしいことである。

ビーフシチュー

2007-11-08 18:42:51 | Weblog
11月8日

昨日、わざわざ群馬から毎日放射線治療にきているKさんの最終日なので、3人でランチをした。

彼女の好物がビーフシチューだというので、病院の近くにある「小川軒」に行った。

地下一階にあるレストランは狭いので、すぐ予約はいっぱいになってしまう。

ラッキーなことにひとつ席が空いていた。

メニューを見て、悩んだ。

Chopped Beef?

チョップ?肉をたたき切る?

ハンバーグです。当店の人気メニューです。

それにします!

われわれ二人は即決めた。

肝心のKさんは、高めだが最後だから心残りがしないように、ビーフシチューを選んだ。

その前の日、Kさんと帰りにデパーにト寄り、「小川軒」の「レーズンウィッチ」をお土産に薦めた。

美味しかったわあ。

気持ちが入っていた。

よかった、よかった。

娘においしいビーフシチューを食べられた言うわ。

きっと、お母さんいろいろいいことあったじゃない!と言われるワ。

このくらいのことだったら、いつでもどうぞ。

再会を信じて、長距離バスに乗るKさんを見送った。

ウィッグ談義

2007-11-06 19:07:07 | Weblog
11月6日

待合室でよく会う人たちとお茶をした。

4人のうち、私を含め3人が手術をし、一人の方が放射線のみの治療だった。

彼女が3人ともウィッグと聞いてびっくりしていた。

え、あなたも?貴女も?ぜんぜんわからないワ。

おもしろい会話になった。

ウィッグ3人はどの段階でウィッグを購入したとか、いつ髪が抜け始めたかなど、関係のない人が聞いたら
何とあけすけな会話だと思ったにちがいない。

一人が言った。

私、この病気になってよかったわ。

経験できなかったことを経験したもの。

ウィッグって本当に楽なのよ。

まあ、ガンになってよかった人はもちろんいない。

みな、副作用にそれぞれ悩んでいるのだが、前向きだ。

もう一人の彼女もウィグの方がいいわなどと言っていた。

私たちはあっけんからんとウィッグの話をしていた。

放射線のみの彼女はもちろん髪は抜けていないのだが、髪が少し少なめで気にしていた。

私もウィッグにしようかしら。。

彼女は放射線のみなので一番軽いはずなのに。

ウィッグ組に圧倒されていた。

カフェから出て歩道で携帯番号に交換をしたので、もしかしたら忙しい通行人の人たちに迷惑をかけたかもしれない。

気楽にガンの話ができるのっていいわね。

年齢もバライティに富んだ4人だった。

また、知り合いができてしまったみたいだ。