往来にて・・
後進「先生!今の男・・先生の肩にぶつかっておきながら
一言の謝罪も無しに行ってしまいましたが・・
私が一言物申して参りましょうか・・?」
先達・表「まあまあ・・ そうことを荒立てるな・・」
先達・裏「この鼻たれ・・お前など出ていったら返り討ちにあうわ!
先ほどの陰惨な眼光に全く気付かぬとは・・
苦労知らずほど恐ろしいものはないな・・・」
後進「先生!今なら私の足なら追えば間に合いますが・・」
先達・表「だからやめておけと言うておろうに・・」
先達・裏「全く逃げ足だけは超一流だからなぁ・・
追いつくことは追いつくだろうが・・
そのあと一体どうするつもりなのか
どうせまた拙者が尻を拭わねばならぬではないか
まったく(ぶつぶつ・・・)」
それにしてもあの輩・・相当剣に覚えがあるのか
それともただの莫迦なのか・・
拙者の肩にぶつかっておきながら会釈ひとつせんとは・・
感心するほどいい度胸だ
今回だけは眼を瞑るが 次は歩いては帰れぬぞ・・・」
後進「先生!鼻緒が切れてしまって巧く結べないのですが・・」
先達・表「どれどれ みせてみろ・・」
先達・裏「この際おどれの脳の配線も切ったろか・・・」