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助六寿司

2007-01-12 23:33:00 | 04 どんこ・しいたけ

「 おいなりさんと、かんぴょう巻きが入っていると、どうして

 『助六寿司』 っていうんですかねぇ 」

お客様からのご質問に、主人も私も答えられず、

一気にその場がシラけてしまったことがある。

こういうときは軽く落ち込む。

休日のある日、“江戸東京博物館”に行った。

展示物の最後に、歌舞伎の十八番「助六縁江戸桜」の

実物大模型があった。

見回してみたが、『助六寿司』についての解説はなかった。

思い切ってガイドさんに『助六寿司』の由来を訊いた。すると

「いろんな説があるかもしれませんが、助六の恋人の花魁が

“揚巻”って名前だから、あげ=油揚げ=おいなりさん。

で、まき=かんぴょう巻き で、その弁当の名前が

揚巻のまんまじゃ粋じゃねぇってことでシャレで“助六”って

名付けたんじゃないんでしょうかねぇ」

「おぉぉ!そういうことだったのかぁ~!!」

主人とふたりで小躍りしながら喜んでいると、

その初老のガイドさんが言った。

「こんなに喜んでくれるなんてガイド冥利に尽きるねぇ。ところで

あんたたち何やってる人?寿司屋さん?あ、でも寿司屋さんなら

助六寿司は知ってるか。う~ん、なんだろうなぁ…」

それでも 「寿司屋なんです」 という勇気はなかった。


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